最近、NPOの活動で「旅」を取り上げることが増えた。今月から来月にかけての勉強会でも、このテーマを掲げる予定である。
その関係で、旅についていろいろ勉強したが、旅は自分の人生だけでなく、遠い祖先も含めての様々な活動を象徴しているように思う。人類(ホモサピエンス)の辿った旅。日本の祖先が辿った旅。そして今の私たちが辿った旅。日常を離れての旅。
そこには、時間と空間が美しく圧縮されているような気がする。
先日、大栗川沿いを雨上がりの大寒の朝に散歩をした。そのときに、フェンスに雨粒が凍りつき、キラキラ光っていて気になった。写真で撮ると、凍った雨粒の中に光が凝縮しているように見える。旅とは、そんな氷の雨粒のようかもしれない。
さて、今日は、そんな旅・生育史を背負っている、私達の願いについてを考えている。誰でも固有の傾向と渇望をもち、それに向かって進んでいくところがあるが、そんな願いを一言で言うとどうなるのだろうか?
もう十年くらい前に、介護の勉強をしている中で、心理学系の講義があった。「あなたにとって大事な言葉は?」という問いかけで様々な回答があった。代表的な言葉は「健康」、「愛」・・・
私は十年以上、「生き甲斐の心理学」を学んできたが、その中でエリクソンの人格形成論をU先生から学んだ。これは人生を8つの段階に分類し、そのときどきの発現する感情などを述べていて自己分析に役立つのだが、その8つの段階を一言づつで表現している。それが、実に素敵で役にたつのだ。
希望(Hope)、意思力(Will Power)、目的志向性(purpose)、技能(Competence)、
忠誠心(fidelity)、愛(love)、世話(care)、知恵(wisdom)
その効用の一つは、自分特有の暗い感情に対するよく効く薬のような働きがある。自分にとって、どの言葉が今の自分にふさわしいか。それを考えるのが楽しいし、思わぬ効果がある。
愛ある問いかけ ③ 6/10