先日駅前で古書の露天市があり、ふと眼についた大岡信さんの詩集を衝動買いしてしまった。その中に湖水の波に関する歌があり、最後の3行を何回も読んだ。
底に透くきぬの砂には波の模様が……/それは私の中にもある/悲しみの透明なあり方として
この詩を読むことで自分の中のある感情が、どうも意識化されてきたようでだんだん整理されてきた。孤独感というのは不思議な感情である。人と言う文字が二つのパーツから成り立っているように、人は本来一人では生きられず他者を必要とする存在のようだ。そして孤独感は他者との関係に関する何らかの気づきを与える。巣立ちと言う言葉があるが、まずは幼児期から少年少女期になるときに試練がある。人間だけでなく動物も親が子に厳しく巣立ちを強要する時期があるようだ。それは、より大きい他者との交流の始まりを促す。少年少女期から青年期、青年期から成人期、成人期から老年。社会的な人間関係、配偶者等との関係、師弟の関係、年をとると共に他者との交流は大きくなってくるようだ。
孤独の感情も変換点で様相が変わってくる、疑惑感、罪悪感、劣等感・・・老年期の孤独は何だろうか。神仏との関係、世界との関係なのかな。そして、いろいろな心の原型を確認していくと、大岡信さんの詩ではないが、風->波->湖底の砂の波紋 というように不思議な因果関係というか型を見ることがある。ウツや怒りの原型を探っていくと、現在の自分の癖が見えてくる。傾向が分かれば対策が打てる。傾向と対策・・・どこかで見た言葉であるが、泥沼に陥らない方法や元気になる方法が見えてくる。
それから、美は辛い時の薬だと思う。美しい文章や詩、絵画や音楽、美味しい食事や外気浴。大岡信さんの詩もそうであった。自分にあった薬を常備しよう。
さて、縄文時代はどうだろうか。最近土鈴のことを時々考える。縄文中期の土偶には八王子の子抱土偶も有名だが、中空土偶でお腹に鳴子が入っているもの。そして明らかな土鈴があり、昨日も東京都埋蔵文化財センターの展示場で土鈴の音を聞かせてもらった。鈴は日本列島ではオリジナルは土でつくったものかもしれない。そして、それは母と子のような基本的な関係の音を意味しているのではないだろうか。孤独を越える愛の音。蛇足でした。
9/10 自分の道が見えてくる
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