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スーダンからの日本人の脱出の状況などが報道されると、どこか他人事ではあるけど、人の存在の危うさ、ありようにふと気が付かされたりする。
我々の日常でも問題が次々にやってきて、それに対し対応していく。しかし、時にかつて宿題にしていたような問題が、突然別の形で現れ難問となり、立ちはだかってくることがある。当然だが困り果てていると、前回の「旅」の話ではないが、自分の殻というか自己概念がちょっとしたことから崩れ、新しい世界が開けることがある。こうした現象を100年くらいの短い歴史しかないけど、現代の心理学は捉え役にたつ公式化をしている。カール・ロジャースの人格形成論などがそうだ。これは国際会議などでも使われホモサピエンス共通の非常に普遍性が高いものとされているようだが、私は気楽な小説家なのでそれを縄文時代にも当てはめて妄想してしまう。それは兎に角、難問に立ち向かうときは次のような手順になるようだ。
人には背骨があり大事な身体を支えているが、同じように人の心を支えるアイデンティティが必要である。意外に人は脆い。その支えは宗教とか思想のようなものであり、自分の中で育て身に着け、かつ更新・革新していくようなところがある。
次に、人が現実にどう向き合い、その中から解決へのヒントを見つけなければならないということがある。北風と太陽の例ではないが、自分の守ろう守ろうとしているときはそれができない。こころの窓を開ける必要がある。峠の茶屋?・・ホッとするひと時が大事だ。ニュートンがパンデミックの時に公園でリンゴが落ちるのを見て・・そんなことが大事なのだろう。愛や慈愛を感じることも解決のカギだ。
そして、最後はそのヒントを現実に合わせて、しなやかにどう展開するかである。ニュートンは知性化し、縄文人は非常に微妙なデザインの変化を昇華で表現し(編年?)、・・・ちょっとしたこともあるが大きな変化に繋がることもある。しなやかに・・・フロイトが発見した14の防衛機制にそのヒントが隠されているようだ。
U先生の「生き甲斐の心理学」でいうと、アイデンティティの統合、現実吟味力、防衛機制ということだろうか。恐らく、こうしたことは生きる上で、より良く生きる上で大切なのだと思う。
今の世の中も、現状はかなり厳しいが、10,000年を超えるといわれる縄文時代も難問は次々に祖先に突き付けられたのだと思う。場合によれば喜界カルデラの爆発など私たちが想像もできないほどの自然災害などもあったのは事実であり、それを越えてきた縄文人の底力に以上のような心理的(もう魂の世界かもしれないが)なプロセスが隠されていると思うのはおかしいだろうか。
その具体的なことは文献も残っておらず殆ど分からないのだが、遺物を①真善美②喜怒哀楽の感情③五感体感の面でとらえなおすことが近道ではないか。土器などは①は意図する意味、芸術性・・・②は表現された感情③鑑賞する側も触覚や視覚、聴覚などから何かを得ることは・・・かつて持統天皇について、万葉集の巻1が持統天皇が編集したということがほぼ定説なので、その観点も含めて①②③の面で分析したことがあったが新しい認識を得たように思う。縄文時代の遺物は各段に難しいと思うが手がかりはあるように思うし、五感という意味では新鮮な面がある。
そして、もう一つ。意外に知られていないが、他者分析は自己分析が深まってないとできないのではないかということだ。縄文時代の旅をする一方、私は自分の生育史の旅もしているようだ。ALWAYS三丁目の夕日ではないが、昭和20年30年40年台の四ツ谷・曙橋のことをよく思い出す。そして、当時は受け入れられない雑多な社会が今はだんだんここちよくなってきている。
縄文世界を感じるとき② 2/10
「縄文小説 森と海と月 ~五千年前の祖先の愛と魂~」
縄文中期の関東・中部地方を中心にした愛と魂の物語です。
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四ツ谷サンパウロさんへ 定価(1,500円+税)送料別。
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森裕行
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