日本人の野球選手でアメリカで成功しているのはイチロー、野茂、それに松井秀喜くらいだろうか。
他の選手も活躍は一時的でなかなか長期にわたっては活躍できない。あの松坂ですら、本当に成功しているかどうかはもう少し見なければならないだろう。
だが、それにしてもアメリカに行きたがるのはどうしてか。これはいまの若者の外国離れと比べるといい傾向のようにも思われるが、本当に喜んでもいいことなのだろうか。
誰でも野球の本場のアメリカで評価されるのなら、一度はそこでやってみたいと思うのは人情というものだろう。
だが、アメリカでは活躍できるときはいいが、それがうまくいかないときはすぐに首になる。そういう点ではまったくドライである。だから、不調になるとシーズン途中でもトレードされたりする。
これは別にスポーツの世界だけではないらしい。学問の世界でももう新しい研究をしていないとなると研究会や学会にも呼んでくれないと聞いた。ドライだが、それはそんなものであろう。
野球にもどると、昔は選手の行き着く上がりは読売ジャイアンツの選手になることであったが、このごろはアメリカの大リーグができたので、ある意味で戦力が平均されることに大リーグの存在が寄与している。
それはいいことである。でもいまでもそうだが、ジャイアンツは金にあかせて他のチームの4番バッターをFAで引き抜くということがあるので、一部のファンからは嫌われている。
選手にはその選手生命は長くはないので、稼げるときに稼ごうというのは別に責められる筋はないが、しかし、それにしてもそのことを「どうかな」と疑問に思ってしまうのは古い考えだろうか。