物理と数学:老人のつぶやき

物理とか数学とかに関した、気ままな話題とか日常の生活で思ったことや感じたこと、自分がおもしろく思ったことを綴る。

『物理系学生のための数学入門』紹介

2014-11-26 17:05:54 | 日記
富山大学の物理学者、栗本猛さんが、立派な『物理系学生のための数学入門』というテキストをつくって公開しておられる。

本文と索引合わせて252ページにもおよぶすごい労作である。高校数学のレベルからはじめて大学中級に及ぶものであり、数学科ではない普通の理工科系の学生ならこれを学習しただけで多分用が足りてしまうのではなかろうか。

ちょっと内容を概観してみよう。

第1部 高校数学+αレベル
第2部 大学初級レベル
第3部 大学中級レベルA (複素関数とその応用)
第4部 大学中級レベルB (微分方程式)
第5部 大学中級レベルC (特殊関数)

である。

大学初級レベルは大学で学ぶ微分積分学と線形代数の範囲で、それにベクトル解析が付け加わっている。

私が関心のあった第3部の解析接続の項は割合あっさりとしたものであり、ちょっと肩透かしを食ったような気がしたが、それでもデルタ関数も触れられているし、フーリエ解析もあり、グリーン関数の説明もある。

また演習問題もあり、それにちゃんと解答例までつけられている。

これで取り扱われていないのはリー群くらいだろうか。もっとももう少しきちんと学ぼうとすれば、別の書をひも解く必要があるかもしれないが、当面はこれで十分であろう。

こういう教材を簡単にインターネットで手に入れられる時代になったいまの学生がうらやましい。

ただ、ちょっと気になったのはベクトルがゴチックで表されていない点で、やはりベクトルはゴチックで表した方がすっきりするような気がする。字の上に矢印をつけるのは止めたほうがいいのではなかろうか。

あおぞら文庫

2014-11-26 11:48:30 | 日記
妻がタブレットを購入することにしたのはスマホで「あおぞら文庫」を読んでいたのだが、画面が小さすぎるという理由であった。

そして、タブレットの購入後夏目漱石の『吾輩は猫である』を読んでそのあらすじ等を私に話してくれたりした。なにせ普段は忙しくしている彼女だから、それでも暇のときを選んで『吾輩は猫である』を読んだのは特筆に値する。

しかし、その後は何かを読んだという様子はない。しかし、なんでもすぐに検索してくれるようにはなった。

ドイツ語で「なんとかはどういうのだろう」というと「なんとか」「ドイツ語」と入れれば、大抵なんでも出てくるから便利なものである。

電子辞書などという便利なものができたと思ったら、それ以上に強力な武器を手にしたことになる。

だが、政治の世界ではいくら新聞がわめいても政治は変わらないのはもう慣れっこにはなっているけれども、絶望的な気になる。

もっとも現在の経済状態の改善策はどうも誰もわからないというのが実情らしいので、どうしようもないけれども。