生き生きとしたイメージが抱ける数学を目指して日ごろそういうものができないかと思っているのだが、なかなかほど遠い。
昨週の土曜日の午後、そういう中学数学の一環として負数と虚数の導入について話した。
イメージができたと言ってくれる人は誰もいなかったが、すこしは私が密かに持ち続けている数学のイメージの一端を示すことができたと思う。
数学だってそれを考えだした人がおり、その人はどういう気持ちでその数学的概念をつくったかをできるだけ示すことができるようにならないものかという気持ちだけが常に私の心の中にある。
ある数に負の数(-1)を掛けることは実数を表す、実数直線を原点Oの周りに180度回転することであり、虚数iを掛けることは元の複素数を原点Oのまわりに90度回転することである(注)。
もちろんそういうことがキチンと言えることを知るためには複素数の極形式表示を知る必要がある。
しかし、複素数の極形式を導入しないでも上の説明は直観的にだれでも理解できるはずである。
このブログでは言葉で書くので、理解が難しいが、図で描いて言葉で説明すればだれにでもわかるはずである。昨日集まった人たちは若い人ではなかったのでもちろんそのイメージが描きにくいという苦情は私の妻からもでなかった。
関心をもたれた数学の専門家ではない人は「数学・物理通信」10巻4号の「複素数の導入」をインターネット検索して読んでほしい。少しは難しい数式を書いてあるが、上に書いた事実はスキップしても十分理解できるはずである。
土曜の説明でもそこは説明には入れていない。
(注)このことは、すでに遠山啓先生の岩波新書『数学入門』上に述べられているのだが。
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