田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

オシムの言葉

2006-08-06 21:35:41 | スポーツ & スポーツ観戦
 「ライオンに追われたウサギが逃げ出す時に、肉離れを起こしますか? 要は準備が足らないのです」

 札幌へ出て、まず買い求めたの本がこの『オシムの言葉』でした。(別に札幌でなくとも地元でも買い求められるのですが…)
 札幌滞在中、時間を見つけてはむさぼるように読み進めました。

 コンサドーレサポーターを自称するJ2ウォッチャーの私としては、恥ずかしながらつい最近までオシムの存在を知りませんでした。
 「ジーコの後にオシムが就任するらしい」との情報を得て、ジェフ千葉のHPに掲載されている「オシム語録」を読ませてもらいました。そこで語られているオシム氏の数々の語録は、一言一言がインテリジェンスとユーモアに富んでいて、私は一気にオシム信者になってしまいました。

 「『オシムの言葉』の内容は「オシム語録」を再録したものだろう」と私は思っていたのですが、大違いでした。
 著者の木村元彦氏はスポーツライターというよりは、アジア・東欧の民族問題を追いかける方で、ユーゴスラビアの崩壊過程を取材する中でオシム氏の存在を知り、その後ずーっとオシム氏に注目してきたという人でした。ですから、その内容はオシム氏の人と成りを知るには十分な内容で、私はますますオシム氏にはまってしまいました。
 
 本の中で紹介されていたオシム氏の言葉をいくつか紹介します。
 ◇連勝を続けていたチームが敗戦した後で発した言葉
  「今日唯一良かったのは、全員が最悪のプレーをしたという点だ」
 ◇サッカーというスポーツの奥深さを問われて
  「サッカーにおいて最も大切なものはアイデアだ。アイデアのない人間でもサッカーはできるが、サッカー選手にはなれない」
 ◇監督としての哲学を訊かれて
  「作り上げることは難しい。でも、作り上げることのほうがいい人生だと思いませんか?」

 まだまだ本の中では魅力に溢れた言葉が満載されています。
 ところで、オシム氏の言葉ではないのですが、私がグッときた言葉がありました。ジェフ千葉のキャップテン阿部選手の言葉です。
  「何ていうか、試合に勝って、監督と握手する時なんかね、ちょっと嬉しいなっていう感じですね。僕たちがこれだけ世話になったオシム監督に何が恩返しできるかっていったら、やっぱり優勝しかないと思うんです。監督が喜ぶ顔、その顔が見たいから…。いつもあんまり笑顔を見せないけど、さすが優勝したら、ちょっとは笑顔を見せるでしょう?あの監督を喜ばせたいから、僕は頑張っているっていうのはありますね」
 高校生の言葉ではありません。れっきとしたプロの選手にここまで言わせるオシム氏の魅力が日本サッカーをきっと蘇生させてくれると信じています。
 すぐに結果を求めるのではなく、私たちは長い目でオシムジャパンを見守りたいものです。