活動弁士付きの無声映画「チャプリンの移民」は、活動弁士の流暢な語りと北大ジャズ研の音楽が相まって、楽しく心地良いひとときでした。
過日、北大構内のイチョウ並木の黄葉を観賞に行ったときでした。構内に大きな看板が立っていました。そこには「CLARK THEATER 2008 この秋、北大に映画館ができる!!」というキャッチコピーとともに、10/30~11/03までの期間に上映される映画のラインナップが表示されていました。
数多くのラインナップはなかなか魅力的でしたが、その中でも私の目を惹いたのは「活弁上映」という四文字でした。活動弁士として活躍中の佐々木亜希子という方が来演し、チャプリンの映画が見られるというプログラムでした。
その足で早速北大生協に行き、前売り券(700円)を購入しました。
会場のクラーク会館(地図)に何度も行ったことがあるわけではありませんが、映写設備をもったホールがあることを初めて知りました。最近のホールと違い、深く座る座席がちょっと時代を感じさせましたが・・・。
活動弁士の佐々木亜希子さんは30代半ばの方で、スーツにパンツ姿でなかなか美形の現代的女性でした。私はあるいは羽織袴姿で登場するのではなどと思っていましたから、その想像は見事に裏切られました。
佐々木さんはNHKのアナウンサーを経験され、現在は活動弁士を専業にされていて、ホームページ(ホームページはこちら⇒)を拝見するとかなりの頻度で全国を飛びまわっている方のようです。
※ 右側がインタビューを受ける活動弁士の佐々木さんです。
映画が始まりました。
上映作品は「チャプリンの移民」と日本の作品「子宝騒動」の2本立てです。
チャプリンは例によってだぶだぶのズボンとドタ靴、山高帽にちょび髭のおなじみのスタイルでドタバタを繰り広げます。アメリカに向かう移民船の中での出来事を、笑いと涙と、そして淡い恋も交えて綴ります。
活動弁士佐々木さんの語りは、時代がかったような語りではなく、現代調の語りで的確にスクリーンを追いかけてくれます。時にはチャプリンのセリフも交えながら・・・。
そこに北大ジャズ研のバンドが効果的に音楽を供給してくれます。
※ ストーリーに効果的に音楽を付けてくれた北大ジャズ研のメンバーです。
私にとって初めての体験でしたが、まったく違和感なく二つの作品を楽しむことかできました。
「さすがにプロの技だわい」と感服した私でした。