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田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

市民カレッジ 「蝦夷地から北海道へ」②

2009-05-29 16:09:53 | 札幌学 & ほっかいどう学
 札幌の街のもつイメージは大正末期に創られた「時計台の鐘」の中で歌われているイメージが現代にも受け継がれている。「これは希有な例ではないか」と講師は語りました。

 市民カレッジ「蝦夷地から北海道へ」の第2講は「響け『時計台の鐘』」と題して、札幌の歴史に詳しい北海道新聞出版委員の前川公美夫氏の講座でした。

 講座は札幌を題材にした歌の代表曲「時計台の鐘」(高階哲夫作詞・作曲)の誕生秘話、そして「時計台の鐘」に謳われている札幌の街のイメージに関することについてでした。それではまず「時計台の鐘」の歌詞を…、(赤字には私が直しました)
 
一、時計台の鐘が鳴る
  大空(おおぞら)遠くほのぼのと
  静かに夜は明けてきた
  ポプラの梢(こずえ)に陽(ひ)は照りだして
  きれいなあしたになりました
  時計台の鐘が鳴る
二、時計台の鐘が鳴る
  アカシアの木に陽(ひ)は落ちて
  静かに街も 暮れていく
  山の牧場の羊の群れ(むれ)も
  だまってお家へ帰るだろ
  時計台の鐘が鳴る

 「時計台の鐘」は、バイオリン奏者であった高階哲夫は札幌で行ったコンサートの評価が高くなく、落ち込んでいたときに創った曲だそうです。(大正12年)
 歌手であった妻の高階ます子の歌によって評判の高まった「時計台の鐘」はやがてレコーディング(昭和6年)されることになりますが、その時には詩やメロディーの一部が修正されて今に伝わる歌になったということです。

 さて、札幌の街のイメージについてですが、「時計台の鐘」の中に出てくる「時計台」、「ポプラ」、「アカシア」、「牧場の羊」という札幌をイメージする言葉は、今の札幌にも通ずる言葉ではないだろうか、と講師の前川氏は説きます。
 そしてその後創られた数々の「札幌のうた」を実際に聴きながら検証していきました。
 時代と共に街の貌が変わっていく都市が多い中、札幌のような例は希有ではないか、というのが前川氏の結論でした。

 たくさんの音源資料を持ち込んでの講座は興味深く、楽しいものでした。