タレントで国会議員の追っかけが趣味という春香クリスティーンさんがゲストで登場するという惹句に誘われて参加を決めたが、イベントは多分にTPPに反対する色彩を帯びたものだった…。
11月4日(火)夜、道新ホールにおいて「TPP問題を考える道民会議」が主催するタイトル名の学習会が開催された。
会場に入る際に渡されたリーフレットに主催者の一つに「北海道農業協同組合中央会」が名を連ねていたのを見て、学習会の趣旨をようやく悟った私だった。
学習会は最初に、TPPに参加することによって私たちの生活がいかに困難になるか、とするDVDを視聴することから始まった。
続いて、4人が登壇してシンポジウムに移った。春香クリスティーンさんは、シンポジストに素人の視点から質問をするという役割だった。登壇された方は次の方々である。
◇東 山 寛 氏(北大大学院農学研究所 講師)
◇長谷川 し づ 氏(北海道消費者協会 非常勤講師)
◇平 岡 敏 幸 氏(北海道農業青年部協議会 副会長)
◇長 瀬 清 氏(北海道医師会 会長)
そして司会をフリーアナの高木友子さんという方が務めた。
TPP問題について、今やその交渉の真っ最中ということだが、新聞の見出しを見るかぎりその交渉が難航していると理解している。つまり、日本としては原則的に参加は決めたものの、いざ交渉に入ってみて予想外に諸外国(特にアメリカ)の要求が厳しいということのようだ。
今回の学習会では、その問題点について当事者である消費者の代表である長谷川氏、農業者の平岡氏、そして医療の側から長瀬氏がそれぞれ問題点を指摘した。
一方、東山氏は当事者というよりは研究者らしくその背景や構造的な問題点を解説してくれた。
東山氏によると、TPPの合意によってメリットとなるのは、やはりグローバル企業と言われている大企業であると指摘する。それは今日の「貿易」が完成品の貿易ではなく、企業内で部品が各国を行き交う「企業内貿易」が常態となっている今、グローバル企業にとって「国境」は邪魔なものでしかなくなっていると解説した。
私は学習会の象徴的な話題しかレポートしないが、その他にもさまざまな問題が内在しているようだ。例えば、「ISD条項」とか、「薬価決定の手順」とか…。
ところで、春香クリスティーンさんだが、悲しいかな彼女は「客寄せパンダ」に過ぎなかったようだ。学習会の手順はすっかり出来上がっており、司会の高木さんが淡々と進めるという形で、春香さんはところどころでコメントを求められるものの、「刺身のつま」的な存在として扱われたのは気の毒だった。
※ 会場で挨拶する春香クリスティーンさんです。
会の最後に、高木氏が気になる予言をした。
札幌では昨年1月から今年の5月までで羊肉が50パーセントも高騰しているということだ。その理由は中国が猛烈な勢いで羊肉を買うために高騰を招いているという。そして日本は中国に買い負けている状態だそうだ。
もしTPPが導入されて、日本の農業が壊滅的な打撃を受け、食料品のかなりの部分を輸入に頼らざるを得ない状況となったとき、やがては巨大な人口を抱える中国と世界の中で食糧の輸入競争が繰り広げられることになると…。
そうなったとき、私たちの食料は??
もちろんTPPに反対する側だけの主張を聞いてコトを理解したような気になってはいけないと思う。ただ、反対する側の心配はあながち的外れではないだろう。
政治は国民の生活と命を守ることが最大目的のはずである。もし仮に、今の流れのままTPPに参加することになった場合には、しっかりとしたセーフティネットの構築を確立することが何より求められることだと思うのだが…。
11月4日(火)夜、道新ホールにおいて「TPP問題を考える道民会議」が主催するタイトル名の学習会が開催された。
会場に入る際に渡されたリーフレットに主催者の一つに「北海道農業協同組合中央会」が名を連ねていたのを見て、学習会の趣旨をようやく悟った私だった。
学習会は最初に、TPPに参加することによって私たちの生活がいかに困難になるか、とするDVDを視聴することから始まった。
続いて、4人が登壇してシンポジウムに移った。春香クリスティーンさんは、シンポジストに素人の視点から質問をするという役割だった。登壇された方は次の方々である。
◇東 山 寛 氏(北大大学院農学研究所 講師)
◇長谷川 し づ 氏(北海道消費者協会 非常勤講師)
◇平 岡 敏 幸 氏(北海道農業青年部協議会 副会長)
◇長 瀬 清 氏(北海道医師会 会長)
そして司会をフリーアナの高木友子さんという方が務めた。
TPP問題について、今やその交渉の真っ最中ということだが、新聞の見出しを見るかぎりその交渉が難航していると理解している。つまり、日本としては原則的に参加は決めたものの、いざ交渉に入ってみて予想外に諸外国(特にアメリカ)の要求が厳しいということのようだ。
今回の学習会では、その問題点について当事者である消費者の代表である長谷川氏、農業者の平岡氏、そして医療の側から長瀬氏がそれぞれ問題点を指摘した。
一方、東山氏は当事者というよりは研究者らしくその背景や構造的な問題点を解説してくれた。
東山氏によると、TPPの合意によってメリットとなるのは、やはりグローバル企業と言われている大企業であると指摘する。それは今日の「貿易」が完成品の貿易ではなく、企業内で部品が各国を行き交う「企業内貿易」が常態となっている今、グローバル企業にとって「国境」は邪魔なものでしかなくなっていると解説した。
私は学習会の象徴的な話題しかレポートしないが、その他にもさまざまな問題が内在しているようだ。例えば、「ISD条項」とか、「薬価決定の手順」とか…。
ところで、春香クリスティーンさんだが、悲しいかな彼女は「客寄せパンダ」に過ぎなかったようだ。学習会の手順はすっかり出来上がっており、司会の高木さんが淡々と進めるという形で、春香さんはところどころでコメントを求められるものの、「刺身のつま」的な存在として扱われたのは気の毒だった。
※ 会場で挨拶する春香クリスティーンさんです。
会の最後に、高木氏が気になる予言をした。
札幌では昨年1月から今年の5月までで羊肉が50パーセントも高騰しているということだ。その理由は中国が猛烈な勢いで羊肉を買うために高騰を招いているという。そして日本は中国に買い負けている状態だそうだ。
もしTPPが導入されて、日本の農業が壊滅的な打撃を受け、食料品のかなりの部分を輸入に頼らざるを得ない状況となったとき、やがては巨大な人口を抱える中国と世界の中で食糧の輸入競争が繰り広げられることになると…。
そうなったとき、私たちの食料は??
もちろんTPPに反対する側だけの主張を聞いてコトを理解したような気になってはいけないと思う。ただ、反対する側の心配はあながち的外れではないだろう。
政治は国民の生活と命を守ることが最大目的のはずである。もし仮に、今の流れのままTPPに参加することになった場合には、しっかりとしたセーフティネットの構築を確立することが何より求められることだと思うのだが…。