現在、日本で4ヵ所登録されている世界自然遺産の中から、白神山地と小笠原諸島が取り上げられた。4ヵ所の日本の自然遺産に共通するのは、人があまり立ち入ることのできない地域だったということだ。白神山地も小笠原諸島もそうしたことが強調されたDVDだった。
3月27日(月)午後、「めだかの学校」の3月の2回目の講座は、先月に続いて「日本の世界遺産」が取り上げられた。今回取り上げられたのは、いずれも世界自然遺産として登録された「白神山地」と「小笠原諸島」の二つの地域だった。
白神山地はブナの天然林が世界最大級の規模で分布していることで知られている。ブナの林はかつて日本列島のいたるところで見られたが、それらはことごとく伐採されたのに対して、白神山地だけは伐採されずに残されたことが世界遺産登録に結び付いたということだ。
その理由は、白神山地はあまりにも山深く、交通の便が良くなかったことが理由の一つとして挙げられている。ブナの木は経済的価値が低いために、他の地域では伐採されてしまったのに対して、白神山地に暮らす人たちはブナを薪や炭、山菜狩りなどで暮らしに欠かせない山として大切にしてきたことが今に繋がっているそうだ。
今となっては、広大で貴重なブナ林として価値が出てきたということである。
小笠原諸島は、日本本土からも遠く離れていて、また歴史上も他の大陸や大きな島とも繋がったことのない大洋島である。人間から受けた影響が極めて少ないため、原生の自然が保たれている島ということで「東洋のガラパゴス」と称される貴重な自然が残された島々である。
事実、DVDでは小笠原の固有種と言われる動植物が数多く紹介された。
他の二つの世界自然遺産は「屋久島」と「知床」である。いずれも人があまり立ち入ることができなかった地域である。国土に対して人口密度の高い日本としては、多くの地域が開発され、自然遺産としての要素を欠くことが多く、これからも多くの登録は望めないだろう。
そうした背景の中で、現在登録されている4ヵ所の自然遺産は大切に守っていくことが必要な4ヵ所であるといえる。(現在、自然遺産の暫定リストには「奄美・琉球」地域が候補として記載されているそうだ)