田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

感動‼ 新篠津高等養護学校 演劇部公演

2017-03-12 17:06:01 | ステージ & エンターテイメント
 すっかり涙もろくなったおじさんは、終盤溢れ出る涙を抑えることができなかった…。高等養護学校に通学する彼らの不安、揺れる思いを素直に演ずる姿には心から感動した。来る全国大会においても彼らの素直な演技が花開くことを願いたい。 

                

 この日(3月11日)はスケジュールが詰まり忙しかった。
 小泉元首相の講演会を終えると直ぐに、午後4時から開演する「新篠津高等養護学校 演劇部」の公演を観劇するため北翔大学のサテライト「ポルトホール」(南1西22)に向かった。

 新篠津高等養護学校演劇部は、昨年11月旭川市で行われた全道高校演劇発表大会で最優秀賞(北見緑陵高校)に次ぐ優秀賞を獲得して3月18~20日に岐阜県大垣市で開催される春季全国高校演劇研究大会に出場することを前にした札幌市公演だった。(最優秀賞の北見緑陵高校は8月開催の全国高校総合文化祭に出場)
 会場のポルトホールは満員の盛況だった。

 新篠津高等養護学校演劇部の演目は「どんぐりの学校」というものだったが、特別支援学校の生徒が学校祭で宮沢賢治の童話「どんぐりと山猫」を演じることを通して、苦しみながらも自らの障害を受け入れる過程を描くという内容で、同部顧問の山田教諭のオリジナル作品である。

 昨年の札幌琴似高校定時制演劇部の作品もそうであり、北見緑陵高校の作品もそうであったが、高校演劇の場合は思春期という特別な年代が演ずる舞台だからだろうか、彼らの日常の中にある悩みや揺れなどに焦点を当てた作品が多いようだ。今回の新篠津高等養護の作品もまたそのような作品の一つだった。

 このような作品の場合は、脚本の出来が決定的役割を果たしているように思える。今回の作品では山田教諭が宮澤賢治の「どんぐりと山猫」に着目したところが素晴らしい。形や大きさが違うどんぐりたちの争いを、個性がそれぞれ違う生徒たちに重ねてストーリーを進行させる脚本が秀逸だったように思えた。そのストーリーの中に、養護学校の生徒であるが故の悩みや不安が描かれ、それを生徒たちがテレやケレンミなく、素直に演じていたことが観る者の胸に迫ってきた。
 
 彼らの実体験に基づいた「どんぐりの学校」を全国の舞台でも素直に演じてほしいと願った。