北大農学部の吉沢和徳准教授が「洞窟棲の昆虫で見られる、メスの陰茎とオスの膣の共進化の研究」という論文が注目され、2017年度のイグ・ノーベル賞を受賞したという。その受賞記念講演会で吉澤准教授のお話を聴いた。
イグ・ノーベル賞とは、「人々を笑わせ、そして考えさせる研究」に対して賞が与えられるということだが、日本はこの分野で大健闘(?)していて10年連続で受賞しているということだ。
その2017年度の受賞者に吉澤准教授が選ばれたそうで、その受賞記念講演会が4月24日(火)夜、道新ホールで開催され、「オスメス逆転昆虫! ~トリカヘチャタテ~」と題する講演会を聴講した。
吉澤准教授のお話は、けっしてお笑いを誘うようなものではなく、純粋に科学的なお話で、私にとっては難解を極めた。
ただ、イグ・ノーベル賞受賞者らしく、自己紹介で「私はチャタテムシ分類の国内研究者では第一人者である」と言ってから「この分野の研究をしているのは、国内では私一人ですから…」と聴衆を笑わせた。
純粋に科学的な研究をされている吉澤准教授の研究論文が何故イグ・ノーベル賞を受賞したのか?そのことを私なりに解釈すると、性という人間にとっては深淵なる世界の話にあって、オスとメスが逆転し、メスがペニス様の交尾器を持っているところが、いかにも「摩訶不思議なものじゃ」的な受け止められ方をしたのが、その理由ではないかと私は解釈した。
さて、吉澤准教授の話から私が理解できた部分のみをレポすることにするが、このトリカエチャタテは、ブラジルの洞窟に棲む体長2~3mmというとても小さなチャタテムシ属の昆虫だということだ。その体長2~3mmの昆虫を洞窟の中から見つけ出すのも大変であるが、さらにその性器を研究対象とするというのだから、その困難さは想像に難くない。
メスのペニスは挿入器として機能し、オスと交尾の際にそのペニスをオスの体内に挿入し、オスから精子と栄養物質を受け取るということだ。
普通の動物や昆虫は交尾の際に、オスがメスを取り合い争いとなるため、オスのさまざまな部位が進化してきた。ところがこのトリカエチャタテの場合は、メスがオスをえり好みするためにペニス様の挿入器が発達・進化したと考えられるそうだ。
また、「トリカエチャタテ」という和名は、吉澤氏が平安時代の宮中を舞台に、姉弟が性別を入れ替えて暮らす様を描いた「とりかえばや物語」を知っていたことから、「トリカエチャタテ」と命名したというところは、研究者の遊び心が垣間見えた思いだった。
吉澤准教授は、その容貌、服装も一風変わっていて、その点ではイグ・ノーベル賞に相応しいのかな?とも思うが、前述したように研究内容はいたってまじめな内容そのものである。
吉澤氏は言う。この研究が世の中の何かの役に立つのか?と問われるとたぶん何の役にも立たないだろう、と聴衆を笑わせた。
しかし、次のようにも言った。吉澤氏の研究室から巣立った教え子が同じような研究をしていたが、その研究内容が今産業界から注目を浴びていると…。つまり、どんなに役立たない研究だと思われていても、何時、何かの機会に世の中の役に立つのか分からないと言いたかったのだろう。
過去にイグ・ノーベル賞を受賞して、その後本物のノーベル賞を受賞した例が一例あるそうだ。もし仮に吉澤氏の研究が何かに応用され、世の中に役立つようなことになったら、世界で二例目の事態になることもあながち夢ではないのかもしれない…。
🌸札幌桜情報 開花宣言!
一昨日、拙ブログで札幌桜情報を発信したが、札幌管区気象台前のヤマザクラが開花したと伝えたが、今日我が家から見たときには、すでに盛りを過ぎたかな?という感じに見えた。午後2時近く傍へ行ってみると、花びらが散った様子はなく、私が盛りが過ぎたと見たのは、どうやら葉の方が成長してきて、それが全体としては花の鮮やかさを消してしまっていることが、私の目にそう映ったようだ。
続いて、同じ庭に植栽されている標本木(ソメイヨシノ)のところに近寄ってみると、すでに開花している花びらを何輪も確かめることができた。これは開花宣言が出るな、思いながらカメラに収めて帰宅すると、案の定午後3時過ぎに開花宣言がなされたようだ。これは平年より7日、昨年より2日早い開花宣言だそうだ。
イグ・ノーベル賞とは、「人々を笑わせ、そして考えさせる研究」に対して賞が与えられるということだが、日本はこの分野で大健闘(?)していて10年連続で受賞しているということだ。
その2017年度の受賞者に吉澤准教授が選ばれたそうで、その受賞記念講演会が4月24日(火)夜、道新ホールで開催され、「オスメス逆転昆虫! ~トリカヘチャタテ~」と題する講演会を聴講した。
吉澤准教授のお話は、けっしてお笑いを誘うようなものではなく、純粋に科学的なお話で、私にとっては難解を極めた。
ただ、イグ・ノーベル賞受賞者らしく、自己紹介で「私はチャタテムシ分類の国内研究者では第一人者である」と言ってから「この分野の研究をしているのは、国内では私一人ですから…」と聴衆を笑わせた。
純粋に科学的な研究をされている吉澤准教授の研究論文が何故イグ・ノーベル賞を受賞したのか?そのことを私なりに解釈すると、性という人間にとっては深淵なる世界の話にあって、オスとメスが逆転し、メスがペニス様の交尾器を持っているところが、いかにも「摩訶不思議なものじゃ」的な受け止められ方をしたのが、その理由ではないかと私は解釈した。
さて、吉澤准教授の話から私が理解できた部分のみをレポすることにするが、このトリカエチャタテは、ブラジルの洞窟に棲む体長2~3mmというとても小さなチャタテムシ属の昆虫だということだ。その体長2~3mmの昆虫を洞窟の中から見つけ出すのも大変であるが、さらにその性器を研究対象とするというのだから、その困難さは想像に難くない。
メスのペニスは挿入器として機能し、オスと交尾の際にそのペニスをオスの体内に挿入し、オスから精子と栄養物質を受け取るということだ。
普通の動物や昆虫は交尾の際に、オスがメスを取り合い争いとなるため、オスのさまざまな部位が進化してきた。ところがこのトリカエチャタテの場合は、メスがオスをえり好みするためにペニス様の挿入器が発達・進化したと考えられるそうだ。
また、「トリカエチャタテ」という和名は、吉澤氏が平安時代の宮中を舞台に、姉弟が性別を入れ替えて暮らす様を描いた「とりかえばや物語」を知っていたことから、「トリカエチャタテ」と命名したというところは、研究者の遊び心が垣間見えた思いだった。
吉澤准教授は、その容貌、服装も一風変わっていて、その点ではイグ・ノーベル賞に相応しいのかな?とも思うが、前述したように研究内容はいたってまじめな内容そのものである。
吉澤氏は言う。この研究が世の中の何かの役に立つのか?と問われるとたぶん何の役にも立たないだろう、と聴衆を笑わせた。
しかし、次のようにも言った。吉澤氏の研究室から巣立った教え子が同じような研究をしていたが、その研究内容が今産業界から注目を浴びていると…。つまり、どんなに役立たない研究だと思われていても、何時、何かの機会に世の中の役に立つのか分からないと言いたかったのだろう。
過去にイグ・ノーベル賞を受賞して、その後本物のノーベル賞を受賞した例が一例あるそうだ。もし仮に吉澤氏の研究が何かに応用され、世の中に役立つようなことになったら、世界で二例目の事態になることもあながち夢ではないのかもしれない…。
🌸札幌桜情報 開花宣言!
一昨日、拙ブログで札幌桜情報を発信したが、札幌管区気象台前のヤマザクラが開花したと伝えたが、今日我が家から見たときには、すでに盛りを過ぎたかな?という感じに見えた。午後2時近く傍へ行ってみると、花びらが散った様子はなく、私が盛りが過ぎたと見たのは、どうやら葉の方が成長してきて、それが全体としては花の鮮やかさを消してしまっていることが、私の目にそう映ったようだ。
続いて、同じ庭に植栽されている標本木(ソメイヨシノ)のところに近寄ってみると、すでに開花している花びらを何輪も確かめることができた。これは開花宣言が出るな、思いながらカメラに収めて帰宅すると、案の定午後3時過ぎに開花宣言がなされたようだ。これは平年より7日、昨年より2日早い開花宣言だそうだ。