田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

平岡公園春の湿生植物観察ツァー

2022-06-20 14:46:40 | 環境 & 自然 & 観察会

 当たり前と言ってしまえば当たり前の話だが…。前田森林公園や野幌森林公園とは植生がまったく違っていた。私にとっては見るもの、聞くもの全てが新鮮だった。右から聞いて左から忘れていく湿生植物の数々だったが、それでも楽しい観察ツァーだった。

 昨日19日午前、平岡公園管理事務所が主催する「矢部先生と歩くひらおか公園春の湿地観察ツァー」に参加した。物好きにどこにでも出没する私である。

 矢部先生とは、元札幌市立大学の教授で現在は同大学の専門研究員をされている方で、湿地植物の分布特性の解明や湿地の復元・再生の研究をされている湿地のスペシャリストであると紹介があった。

   

   ※ 平岡公園の湿地について説明をする講師の矢部和夫氏です。

 観察会の参加者はここでも女性が中心だったが24~5名の参加者があった。

 平岡公園の湿地は大きく上流湿地と人口湿地の二つに分かれている。平岡公園の敷地の大部分は、以前は水田地帯だったという。その跡地に人工湿地と人工池を造成して今の形にしたそうだが、上流湿地の方は地下水が染み出すところがあり、元々湿潤な環境が保たれていたため、湿地再生は比較的容易だったようだ。一方、人工湿地の方は近くを流れる三里川から水を引いて人工湿地、人工池を造成して、今の姿にしたという。(現在22年目を迎えている)

 私たちはまず上流湿地に導かれ、そこで生育する植物の数々を紹介された。矢部氏からは実に多くの湿生植物を名称を教えていただき、その特性についても説明された。私は懸命にメモを取り、写真に収めることに集中した。しかし、矢部氏の説明を全て記録し、記憶に残すことは不可能だった。また、たくさん撮った写真と植物の名称を一致させる作業も困難を極めた。そこで私なりに自信を持てたものだけ、私自身の記録とするために羅列することにしたい。

   

   ※ まず「上流湿地」に導かれました。

《上流湿地の部》

◇カサスゲ ~葉の部分が昔は傘の原料になったそうだ。   

   

◇ドクゼリ ~文字どおり毒になるセリである。

   

   

◇セリ ~こちらは無毒で食用に適している。

   

◇キショウブ ~外来種

   

   

◇エゾノリュウキンカ ~別名「ヤチブキ」とも呼ばれ食用に適している。私は春に黄色の花を咲かせるところは何度も見たが、このように成長した後に見るのは初めてだった。

   

   

   ※ 通称ヤチブキと称するくらいですから、葉がフキの葉に似てますね。

◇ニホンカワトンボ ~目立たなかったが、トリミングしてみた。あっ!これはもちろん植物ではありませんよ。

      

◇チシマアザミ ~アザミ種の花に特徴がある。

        

◇ミズバショウ ~春に咲く白く仏炎苞に包まれた花(ガク)は可愛いが、今ではこのような巨大な葉になっていました。

   

◇オニシモツケ

   

   

◇サワマタギ ~これは希少種だそうです。

   

   

◇ザゼンソウ ~ザゼンソウもこの時期に見るのは始めたった。ザゼンソウもミズバショウ同様仏炎苞が無くなってしまうと別の植物に見えてくる。

   

◇コウテイテンナンショウ ~別名を「マムシグサ」というが、茎のところがマムシ模様になってい る。

   

◇コンフリ   

   

◇オオアワダチソウ ~外来種だそうだ。

   

◇ハクウンボク(花)

   

   

◇三里川 ~平岡公園の傍を流れる小川です。この川から人口湿地を造成するための水を流入しているそうです。これももちろん植物ではありません!!

   

◇三里川からの水の取り入れ口です。

   

《人工湿地の部》

◇ヘビイチゴ(花・実) ~恐ろしい名前ですが、実は可愛いですね。

   

   

◇ゼンテイカ ~通称:エゾカンゾウとも呼ばれ、湿原などに多く棲息するお馴染みの花です。

   

◇カキツバタ ~今やレッドリストに登録されているそうだ。

   

   

※ ここで雨脚が強くなり、大型の東屋に雨宿りをした。

   

◇ムジナシゲ ~いかにも湿原ぽい光景を表現する植物である。

   

◇ヒツジグサ

   

   

◇イヌイ(花) ~極小の花であるが、よく見るととても鮮やかな花だった。

   

   

◇タイツリスゲ ~別名「ゴウソ」とも言うそうだ。

   

   ※ 実がまるで鯛を釣っているように見えるところから名付けられたそうです。

   

◇ヤチヤナギ ~葉をもんで匂いを嗅ぐとアロマ系の匂いがした。

   

   

 以上、実に多くの湿生植物を教わったが、あるいは私が聞き違えた名前もあったかもしれないことをお断りしておきます。そして、実は掲載した以外にも紹介いただいた植物はたくさんあった。また兄弟種とか、亜種との見分け方についても説明があったが、私が理解できるレベルではなかったので、そのことについてレポすることはしていない。  

 ともかく多くの湿生植物を紹介いただいたが、私が今後個人的に平岡公園に赴いても、教えられた植物の名称をどれだけ言い当てられるかは自信がない。いつかこの種の観察会に参加する心得について触れたことがあるが、何度も何度も同じような紹介をいただく中で徐々に自分のものとしてゆければよいのではないか、と思っている。この日の参加者の中にも同様なことを話されている方がいた。ただし、自分のものとするまでの時間がどれだけ私に残っているのかが問題ではあるが…。