札幌の小学校の音楽事情を知ろうと「さっぽろスクール音楽祭」に出かけてみた。真摯に音楽に取り組む姿に感動を覚えた。しかし、札幌の市内校といえども合唱や吹奏楽の理想的な編成を組むのが難しくなっている背景も窺われた。
11月の札幌市内は「SAPPORP ART STAGE」と称して、音楽や美術、演劇など各種の文化的催しを集中的に開催している。その中一つとして11月10日(日)、札幌コンサートホールKitaraにおいて「さっぽろスクール音楽祭」が開催された。
参加したのは合唱の部に9校(団体)、吹奏楽の部に29校(団体)が参加した。私は全日程に参加することはできなかったが、合唱の部と吹奏楽の小学校の演奏だけを聴かせてもらった。
合唱の部の参加校は以下とおりである。( )内は構成人数
◇札幌市立美しが丘小学校(12人)
◇札幌市立東白石小学校(14人)
◇札幌市立札苗緑小学校・札幌市立札苗北中学校の合同(27人)
◇札幌市立平岡中央小学校・札幌市立月寒東小学校・札幌市立月寒小学校の合同(57人)
※ 平岡中央小学校・月寒東小学校・月寒小学校の三校合同の合唱団です。
◇札幌市立伏見中学校(21人)
◇札幌市立東白石中学校(21人)
◇市立札幌藻岩高等学校・北海道札幌手稲高等学校の合同(12人)
◇札幌山の手高等学校(18人)
◇札幌第一高等学校・札幌市立青葉中学校の合同(27人)
以上、9つの学校・団体だった。
どの学校もそれぞれ基礎はできていたように私には聴こえてきたが、その中でも素晴らしいと思えたのは全員が女生徒だったが東白石中学校の合唱が素晴らしく思えた。また、21人のうち男子生徒が8人を数えた伏見中学校の合唱も聴き応えがあった。
ところで、中学校の参加が合同で参加した学校も含めても僅か4校である。札幌市内には98の中学校があるという。今回参加しなかった中学校には合唱部が存在しないのだろうか?それとも構成人数が少なくて参加を断念したのだろうか?
そもそも部活動が基本的に存在しない小学校は仕方がないとして、中学校の参加が少なかったのには寂しい思いがした。
一昔前は「NHK全国学校音楽コンクール」において北海道代表校が華々しく活躍した時代もあったのだが、現在はどうなのだろうか?などということにまで思いを巡らせてしまった…。
続いて、器楽・吹奏楽の部の小学校の部分のみ聴かせてもらった。
こちらは小学校5校が単独で(うち厚別東小学校はハンドベルの演奏)、6校が一つの吹奏楽団を編成して参加していた。私は聴くことができなかったが中学校は20校が参加していた。
小学校の演奏では札幌市立中の島小学校が抜群の技量を披露した。中の島小学校の吹奏楽はいわゆるジャズバンドを志向していることで名を知られているが、それが伝統となっているのか、指導が行き届いているのか、堂々たる演奏だった。
※ 札幌市立中の島小学校の吹奏楽団BECONメンバーの面々です。
また6校の児童が集った「羊ケ丘音楽団吹奏楽バンド」(と称しているようだが)は、寄り合い世帯と思われないまとまりのある演奏を披露してくれた。
札幌の学校事情を良く知らない私があれこれ言う資格はないのかもしれないが、一般の方々の吹奏楽やオーケストラの活動が盛んな札幌において、後に続く若人たちも着々と育っているようだが、合唱に関してはやや危機的状況にあるといえるのかな?と思えたのだが…。
※ 会場内の撮影は許可されたが、それをSNSにはあげないようにと要請がなされた。そのため掲載した写真はウェブ上から拝借したものである。もしかすると写っている子どもたちは昨年の出場者かもしれないことをお断りしておきます。