帯広での「学びカフェ」は今回が3回目だった。受講生の皆さんと少しは顔馴染みになれたかな?と思われたが、今回が最終回だった。今回は北海道の難読地名について皆さんと学び合った。
昨日、帯広市の「とかちプラザ」において、私にとって3回目となる道民カレッジの「学びカフェ」の講座を担当した。(私にとっては3回目であるが、「学びカフェ」自体は帯広市で5回目の開催だった)
私は1回目に「図書館に行きましょう!」、2回目は「俳句を創りましょう!」をテーマとして皆さんと学び合ったが、今回は十勝地方に多い「難読地名を読みましょう!」をテーマとした。私が調べたところ、特に十勝地方、釧路地方には難読地名が多いことが分かったからだ。
最初に、先日訪れた宮城県の片田舎の「小牛田」という駅名を挙げて皆さんに考えていただき、その地名が「こごた」という呼び名であることを伝え、「地名って他の地方に住んでいる方にとってはわりとむずかしいものですね」と話して導入とし、「実は皆さんが住んでいる十勝地方には、他府県の方から見て難しい地名が多いのです」と話をして授業(講座)に入っていった。
※ 「学びカフェ」は一度に2講座があります。私とペアの講師の方の講座風景です。
その中でも、私もびっくりした地名があった。それは「白人」という地名である。諸兄はこの地名を何と読むであろうか?
なんと!この「白人」は「ちろっと」と読むのだそうだ。その由来は、アイヌ語で「鳥が多くいる沼」というのを「チル・オッ・トー」と発音するそうだ。その「チル・オッ・トー」を短く発音すると「ちろっと」となり、それに「白(ちろ)」、「人(っと)」と漢字を当てはめたとされているようだ。
地元の受講生の皆さんの中に「白人」の呼び名を苦も無く答えてくれた方がいらっしゃった。さすがに地元の方である。
そのことに私は驚きながらも、ネット上で見つけた「北海道民でも読めないかもしれない難読地名26選」という地名を皆さんに提示し、ワークシートを渡してそこにひらがなを振っていただいた。その26選とは?
①厚岸、②留寿都、③積丹、④由仁、⑤喜茂別、⑥美唄、⑦留辺蘂、⑧長万部、⑨花畔、⑩遊楽部、⑪増毛、⑫歌志内、⑬一已、⑭弟子屈、⑮入境学、⑯濃昼、⑰忍路、⑱生振、⑲知方学、⑳胆振、㉑占冠、㉒倶知安、㉓興部、㉔老者舞、㉕重蘭窮、㉖鼈奴
の26である。どうでしょうか?諸兄はいくつ読めただろうか?(答えは最後に提示します)
こちらの26選は十勝地方の地名だけではなかったので、受講者たちはさすがに苦戦している方もいらっしゃったが、それなりに書かれていた方もいたようだ。学校の授業ではないので結果は問わず、正しい読み方を紹介した。
そして実は北海道は先住民族であるアイヌの人たちが、アイヌ語で読んでいた地名に漢字を当てたために難解な呼び名の地名が多いことを伝えた。
ところが!私が「実は十勝地方はアイヌ語で呼ばれていた地名がわりあい多いところなのです」と話し、私が調べた難読地名と思われる地名を市町村別に63もの地名を提示していったところ、なんと!63の全ての地名を誰か彼かが答えてくれたのだ。このことには正直言って驚いた。例えば、「伊忽保」、「茂発谷」、「当縁」などという地名を読めるだろうか?
正解は「いこっぽ」、「もはちゃ」、「とうべり」である。これは地元の人でなければとうてい読むことができないが、反対に地元の人たちは良く知っているなぁ、というのが私の正直な感想だった。
最後に私は次のようにお話して私の講座を締めた。
「私たち道民にとって難解な地名は、北海道を訪れる他の都府県民にとってはまるでチンプンカンプンということかもしれません。観光客などから地元の地名を尋ねられることがあるかもしれません。そうした方々に案内することができたら楽しいのではないでしょうか?これを機会に地元の地名に精通しませんか?」
※ スタッフの方が、二つの講座をホワイドボードにグラフィックレコーディングという手法でまとめてくれました。
なお、先に示した難解26選の地名の呼び方は次のとおりである。
①あっけし、②るすつ、③ちゃこたん、④ゆに、⑤きもべつ、⑥びばい、⑦るべしべ、⑧おしゃまんべ、⑨ばんなぐろ、⑩ゆうらっぷ、⑪ましけ、⑫うたしない、⑬いちやん、⑭てしかが、⑮にこまない、⑯ごきびる、⑰おしょろ、⑱おやふる、⑲ちっぽまない、⑳いぶり、㉑しむかっぷ、㉒くつちゃん、㉓おこっぺ、㉔おしゃまっぷ、㉕ちぷらんけうし、㉖べっちゃろ