えっ!? もし国際的な物流が停まると、日本は餓死者が続出するって?農業経済学の権威と目される東京大学の鈴木宣弘名誉教授は、日本の食糧安全保障が崩壊の寸前にあると警告を発します。
一昨日(1月23日)午後、北農健保会館において(一社)北海道再生可能エネルギー振興機構などが主催する「食とバイオガスセミナー」に参加しました。
セミナーは基調講演、2本の講演、そして事例発表と盛りだくさんの内容でした。
その内容は…、
◆基調講演 「農業を守る!今、危ない食の安全」~地域循環の仕組みづくり~
東京大学大学院 農学生命科学研究科 特任教授 鈴木 宣弘 氏
◆講 演 「バイオガスが守る食と環境」
(一社)北海道再生可能エネルギー振興機構理事 菊池 貞雄 氏
◆事例発表 「バイオガスプラントから有機肥料を利用した有機農業の取り組み」
オーガニックファームZERO(宮崎県新富町)代表 宮本恒一郎 氏
◆講 演 「食の安全を守る消費者の選択」
生活クラブ生活協同組合北海道 理事長 片桐 葉子 氏
それぞれがとても興味深い内容で、その全てをレポしたいところですが、私には荷が勝ちすぎます。そこで本稿では最も刺激的だった基調講演に絞ってレポすることにします。
※ 講演をする鈴木宣弘氏です。
鈴木氏は講演の冒頭で「現在、日本の食糧安全保障は崩壊の危機に瀕している」、「その背景にはアメリカが大きく関わっている」といきなり話されました。
それからの鈴木氏のお話は立て板に水のごとく、氏の理論を次々と述べられ、私のメモはとても追いつかない状況でした。
鈴木氏については、私が定期購読している月刊「文藝春秋」でも特集で取り上げられたことがあり多少は知っているつもりでしたが、今回のお話はその主張をさらに過激にしたような内容でした。
鈴木氏がなぜ食料安全保障が危機に瀕していると主張されるかというと、現在日本の食糧自給率は37.6%と言われているが、実際には日本の農家が使う種や肥料においても外国産に頼っている分野があるため、それらを換算すると自給率は9.2%まで下がってしまうということなのです。
とすると、もし仮に物流が止まってしまうと、日本はとたんに食料不足に陥り、餓死者の数が世界で一番多くなるだろう、警告を発したのでした。
また、食料安全保障が危機に瀕している背景にはアメリカが関与している、という点については、例えば戦後の占領政策の中で、自国(アメリカ)の小麦農家を支援するために、給食にパン食を導入した例のように、自国の農産物や肥料を日本に次々と購入させて、日本の農業の衰退を招いているとした。
そのアメリカの押し付けに対して、日本政府は唯々諾々と従い、日本の農業の衰退化を推し進め、工業化の道をひた走ってきたと指摘しました。そうした日本の現状を鈴木氏は「今だけ、金だけ、自分だけ」と日本の現状を皮肉りました。
鈴木氏は講演の冒頭で「現在、日本の食糧安全保障は崩壊の危機に瀕している」、「その背景にはアメリカが大きく関わっている」といきなり話されました。
それからの鈴木氏のお話は立て板に水のごとく、氏の理論を次々と述べられ、私のメモはとても追いつかない状況でした。
鈴木氏については、私が定期購読している月刊「文藝春秋」でも特集で取り上げられたことがあり多少は知っているつもりでしたが、今回のお話はその主張をさらに過激にしたような内容でした。
鈴木氏がなぜ食料安全保障が危機に瀕していると主張されるかというと、現在日本の食糧自給率は37.6%と言われているが、実際には日本の農家が使う種や肥料においても外国産に頼っている分野があるため、それらを換算すると自給率は9.2%まで下がってしまうということなのです。
とすると、もし仮に物流が止まってしまうと、日本はとたんに食料不足に陥り、餓死者の数が世界で一番多くなるだろう、警告を発したのでした。
また、食料安全保障が危機に瀕している背景にはアメリカが関与している、という点については、例えば戦後の占領政策の中で、自国(アメリカ)の小麦農家を支援するために、給食にパン食を導入した例のように、自国の農産物や肥料を日本に次々と購入させて、日本の農業の衰退を招いているとした。
そのアメリカの押し付けに対して、日本政府は唯々諾々と従い、日本の農業の衰退化を推し進め、工業化の道をひた走ってきたと指摘しました。そうした日本の現状を鈴木氏は「今だけ、金だけ、自分だけ」と日本の現状を皮肉りました。
この他にも多くの日本の現状について追及されたのですが、とても私の手では再現することはできませんが、全編我が国の農業政策を批判することに終始した内容でした。
鈴木氏は、国産オーガニックを推進する立場の方で、輸入農産物の農薬や食品添加物、輸入牛肉のホルモン剤、昆虫食などのフードテックの危険性を訴えている方なのですが、それでは鈴木氏は日本の農業をどのような姿にしたいかというと、「オーガニック農業を推進し、危険な輸入農産物を禁輸して、国内で農産物(食料)を循環させるべきだ」と主張するのです。そうすることで日本の農業の再興も図れるという主張です。
※ こうした資料が次から次へと大変な速さで映し出されるのですからとてもメモすることはできませんでした。
あまりにも日本の農業についての批判が厳しいものですから、帰宅してから調べてみると、主張が過激(?)なだけに、反対論も根強いようです。曰く「根拠が希薄である」、「データの読み方に誤りがある」等々…。
あまりにも日本の農業についての批判が厳しいものですから、帰宅してから調べてみると、主張が過激(?)なだけに、反対論も根強いようです。曰く「根拠が希薄である」、「データの読み方に誤りがある」等々…。
農業については(農業ばかりではないが…)門外漢の私だが、最近のことでいえば酪農家の危機が言われ始めて久しい気がします。酪農家が搾乳した生乳を捨てているところがテレビに映し出されました。牛乳が余っているというのです。
このことについても鈴木氏は言及していました。国内産の牛乳が余っているというが、実は国内で消費する牛乳関連商品の約4割が外国から輸入しているという実状だというのです。
食料に関する問題は私たちの生活に直結する問題です。この類の問題に対して、もっと日常から注意深く関心を持たねばならないということを痛感した私でした。