アル・ゴア前米国副大統領がナビゲートする映画「不都合な真実 Ⅱ」では、地球の温暖化がますます進行している現状を写し出した。温暖化阻止の対策は「待ったなし」とも思えるのだが、そのことに異論を唱える考えが存在する現実も写し出した映画だった。
私が所属する「めだかの学校」では、今年下半期の学びの一環として映画やDVDを利用して環境のことを学ぶ「持続可能な環境を目指して…」と題しての学習を続けている。
22日(月)は、その第2回目として映画「不都合な真実 Ⅱ 放置された地球」を題材として視聴した。
本作はまず前作の「不都合な真実」から10年経った世界の現実を写し出すものだった。衝撃的なシーンは、グリーンランドの氷が凄い勢いで溶けだしている現状、他方アメリカのマイアミが見舞われた大洪水の状況、インドでは高温のためにアスファルトが溶け出している様子、等々…。ナビゲートするアル・ゴアの立場は、地球温暖化が進行する元凶は「二酸化炭素排出量の増加が原因」と唱える科学者たちの警告を世界に伝え、その排出量を削減しようとする立場である。アル・ゴアは2000年のアメリカ大統領選挙に敗れて以来、政治家を引退し現在は民間人の立場で、一環境活動家として活動を継続している。
※ グリーンランドの氷が氷解する様子を視察するアル・ゴア氏です。
そのようなゴア氏はCOP21(国連気候変動枠組条約締約国会議)の「パリ協定」締結のために環境活動家の一人として奔走するところを映画は描いている。そのCOP21の席上で二酸化炭素排出国の主要な国の一つであるインドの首相が「世界の後進国や発展途上国が先進国に追いついた時点で議論に参加する」という趣旨の発言をし、参加者たちを困惑させる。インドのような立場の国が多く存在するのも事実である。そうした状況を、ゴアをはじめとする関係者の懸命なロビー活動によって説得し、画期的な「パリ協定」が締結された様子を映画は写し出した。これで地球の将来に希望が持てたかな?と思われたのだが、映画は最後にアメリカでドナルド・トランプが大統領に当選し、彼が「アメリカはパリ協定から離脱する」と宣言したことを伝えて映画は終わった。
ある意味、妙に劇的な映画の終わりなのだが、このことはその後において地球温暖化の勢いがいっこうに止んでいないことに表されているように思われる。
今回は映画が比較的長かったこと、ナビゲート役のO氏が地球温暖化について詳しい説明をされたことなどから、感想や参加者の意見を聞く時間を取れなかった。次回にはぜひ参加者同士の交流が出来たらと思っている。
※ ゴア氏は世界各地で地球温暖化のための講演をされているようです。
さて、映画の中で主題の一つともなった「パリ協定」であるが、ナビゲート役のO氏が提供してくれた資料によると、次の通りである。
「参加195ヵ国が、世界の気温上昇を産業革命前に比べ2℃より十分低く保ち、1.5℃に抑える努力をする。そのため、できるかぎり早く世界の温室効果ガス排出量をピークアウトし、21世紀後半には、温室効果ガス排出量と(森林などによる)吸収量のバランスをとる」という長期目標に合意した。採択は2015年、2016年に発行し、2020年より本格的にスタートすることとした。
次回(新年1月24日)のナビゲート役は私である。今年初めN HKスペシャルとして放送された「未来への選択~暴走する温暖化 “脱酸素” への挑戦」を視聴教材とする。前述したようにできるだけ参加者交流の時間を多くとり、互いの想いを交流したいと考えている。その様子をまたレポしたい。
※ 掲載写真は全てウェブ上から拝借しました。