さすがに話方のプロであるNHKのアナウンサーの皆さんだ。素晴らしい語りを披露してくれた。その上、効果的に流れるピアノの調べ、そして作品が変わるごとにステージのバック(背景)も変わり、至上の朗読会となった。
11月23日(水・祝)午後、「かでる2・7」のかでるホールにおいて、NHK公開録音~朗読と音楽のライブセッション~「北の文芸館」が行われたが、入場券を入手できたので参加することができた。
出演したのは朗読を披露したNHKの道内勤務のアナウンサー7名と、効果的にピアノを奏でたピアリストの千葉皓司さんだった。
プログラムを紹介すると…、
《第一部》◆「弟」(石原 慎太郎 作) 朗読:福井 慎二 アナウンサー
◆「早春賦」(辻村 もと子 作) 朗読:是永 千恵 アナウンサー
◆「返信」(高田 都 作) 朗読:後藤 理 アナウンサー
〈休憩10分〉ピアノ演奏
◇演奏曲目 ラフマニノフ/前奏曲嬰ハ短調 作品3-2
プーランク/即興曲第5番~エデット・ピアフを讃えて~
※ ピアニストの千葉皓司さんです。
《第二部》◆「最後のおでん~一子相伝」(北大路公子 作) 朗読:野原 梨沙 アナウンサー
◆「最後のおでん~先駆者」(北大路公子 作) 朗読:神門光太朗 アナウンサー
◆「あの日にかえりたい~翔る少年」(乾ルカ 作) 朗読:芳川 隆一 アナウンサー
朗読:大河内 惇 アナウンサー
朗読された作品の中で既読の作品は石原慎太郎作の「弟」だけだった。福井アナが朗読した部分は石原兄弟が幼少期を過ごした小樽でのエピソードの場面だった。裕次郎のやんちゃな面と慎太郎の家父長的ふるまいから、弟裕次郎をこよなく愛する兄慎太郎の思いが滲み出る場面を福井アナは効果的に朗読された。
「早春賦」も興味深かった。明治時代の良家の出である娘が東京から北海道の開拓期の農家に嫁いだが、その娘が心配する母親に送る手紙文なのだが、明治期の母親に対する言葉遣いが興味深かった作品だった。
「最後のおでん」の二作も興味深かった。「早春賦」と「最後のおでん」はぜひ作品全体を読んでみたいと思った。
しかし、素晴らしい朗読は聴いている私たちの集中力を高めてくれるため、疲労も倍加するようだ。私の集中力も最後まではもたなかった。最後の「あの日に還りたい」は私の中では記憶が定かでないのが残念である。
今回の「北の文芸館」では、その道のプロの技の凄さを改めて感じさせてくれた。
ちなみにこの日の朗読の様子は、12月18日(日)午前9時からNHK-FMの北海道地方向けで放送されるそうである。興味がある方はぜひお聴きいただきたい。
《WCサッカーカタール大会 情報》
まさか!まさか!のジャイアントキリングである!
昨夜の森保ジャパンは強豪ドイツに対して見事な逆転劇を演じてみせたのだ!
誰があの前半の戦いぶりから、後半の逆転劇を予想しただろうか!?
新聞の大見出しはもとより、テレビのワイドショーは軒並み森保ジャパンの戦いぶりを伝えるものばかりだった。
前半戦、森保ジャパンはドイツに翻弄されっ放しで、満足にボールを持たせてもらえなかった。そうした中でドイツにPKを与え先制点を献上し、前半終了間際にも「点を取られた!」と思われたが、相手オフサイドに救われ、0対1で折り返した。
後半、森保監督はMFの久保に代え、CBの富安を投入した。私は「あれっ?」とは思ったが、深い意味は分からなかった。後から解説を聞くと日本は陣形を5バックから3バックに代え、攻撃型の布陣を組んだということだった。ここから明らかに形勢が前半とは変わって、日本もドイツと対等にボールを持ち始めたという印象だった。さらに森保監督は三苫、浅野、堂安、南野とフレッシュな攻撃陣を次々と投入した。これが功を奏し、後半30分、三苫、南野、堂安と繋いで同点弾を挙げた。圧巻は同38分の浅野のプレーである。FKで得た板倉からのロングパスが背後から送られボールを見事なトラップで足元に落としてドイツの名手ノイヤーが立ちはだかるゴールのなか「ここしかない」というゴール上の左隅に見事に叩き込んだ一撃だった。浅野選手に「もう一度やってほしい」と言っても簡単には再現できない見事なプレーだった。
※ 大殊勲の浅野選手が得点を挙げたときに取るホーズ、ジャガーポーズで喜びを表しています。
いやいや見事なジャイアントキリングはいくらでも詳細に再現できるが、このへんにしておいて次戦対コスタリカ戦で再び森保ジャパンが躍動するところを想像しながら次戦を待つことにしたい。