第13回目だという「北海道e-(いい)水フォーラム」に初めて参加した。北海道の豊かな水を守ろうと、たくさんの団体が活動していることを知ることができた。また、フォーラムでは日本の水の権威を一人である東大総長特別参与であり、ローマクラブの正会員でもある沖大幹氏の講演も聴くことができた。
11月22日(火)夜、北海道立道民活動センター「かでる2・7」において「第13回 北海道e-水フォーラム」が開催され参加した。主催は北海道、北海道コカ・コーラボトリング(株)、北海道環境財団の三者でつくる「北海道e-水プロジェクト」というところだった。「北海道e-水プロジェクト」は、北海道の豊かな水資源と美しい自然を一体として守り、次世代へと引き継いでいくため、道内の水辺での環境保全活動に取り組む団体などを支援する活動を展開しているということだ。
「e-水」というネーミングに興味を抱いて、ネット上で調べてみてもよくは分からなかった。「e」という文字にはいろいろな意味もあるようなのだが、どなたかその深い意味がお分かりであれば教えていただきたい。
フォーラムは今年度の寄付金の贈呈が行われた後、本年度助成を受けた6団体が年間の活動報告をした後、特別講演ということで沖氏が「健全な水環境と持続可能な開発」と題して講演を行った。
※ コカ・コーラ社から道環境財団に今年の寄付金が贈呈された。左から環境財団理事長、コカ・コーラ社長、北海道の関係部長の三者です。
今年度助成を受けた団体の活動報告の概要は次のとおりである。
◆オホーツク魚類研究会(美幌町)~コンクリートで平らに固められた川に魚が遡上するためのポータブル魚道設置の活動。
◆釧路自然保護協会(釧路市)~釧路川流域におけるイトウ生息環境再生と個体群復元の取組み。
◆小松前川支流域環境保全ネットワーク(松前町)~小松前川支流域環境保全活動。
◆認定NPO法人サロベツ・エコ・ネットワーク(豊富町)~水及び湿地に親しむ環境教育。
◆特定非営利活動法人人まち育てI&I(釧路市)~残そう味わおう!湿地の文化と食~スゲ〆縄とエソカンゾウ料理、環福連携の試み~
◆深川ひきがえるバスターズ(深川市)~外来生物アズマヒキガエルの駆除
道内各地で、北海道の豊かな水資源を守るために多くの団体が活動していることを知ることができたことは収穫だった。
※ 特別講演をされた東大総長特別参与の沖大幹氏です。
続いて沖氏の特別講演「健全な水環境と持続可能な開発」があった。沖氏の講演を私が次のように述べるのもおこがましいことであるが、特別に何か目新しいことを述べるものではなく、”水” が地球にとって、また我々人間にとっていかに貴重なものであり、人類の進化に寄与してきたかを再確認するものであったと受け止めた。
※ 地球上で人類が利用できる水が僅かであることを示したイメージ図です。
沖氏が話された中で、印象的な言葉として「地球は水の惑星と称されるが、本当だろうか?」という問いかけから、実は地球上の水の体積は地球の体積の1/1000でしかなく、その地球上の水の中でも淡水の割合はわずか2.5%だそうだ。(そのほとんどは海水ということだ)しかもそのうちの7割は氷河として存在しているという。ということは、人間が水資源として通常使用可能な淡水は地球上の水のわずか0.007%に過ぎないそうだ。いかに私たちが日常使用している水が貴重なものであるかを認識させられた。
※ 沖氏の講演のまとめです。
沖氏のお話は、水が文明の発達に寄与してきたことや、近年の地球温暖化による水環境の変化などについて話されたが、結論として沖氏は「健全な水循環」の必要性を強調された。