やはり今年の北海道の話題の第一はKAZU 1(カズワン)に占められるのだろうなぁ…。そういえば北京冬季五輪の北海道勢の活躍もあったけど遠い思い出になるなぁ…。などと思いながら報道写真展に見入っていた私だった。
※ グランプリを獲得した「暗闇の中、船体引き揚げ」という作品です。
12月18日(日)、「吉本隆明展」を観覧した帰路、札幌駅前地下歩行空間(チ・カ・ホ)に立ち寄って、開催中の北海道写真記者協会主催の「北海道報道写真展」を覗いた。
新聞記事によると昨年11月から今年10月までに新聞等に掲載された写真のうちから357点の応募があり、その中から70点が展示されているとのことだった。報道写真という親しみやすさも手伝い、チカホを往く人たちが数多く立ち寄って観賞していた。
展示されていた70点の写真の中で目立ったのが、やはり知床観光船KAZU 1の沈没事故に関する写真だった。今年の北海道内での最大の暗い事故といえば、やはりこのことだろう。人の命を預かる事業者としての杜撰さ、多くの命が一瞬にして奪われてしまったという衝撃の大きさからいっても、記憶に残る大きな出来事だった。
※ こちらは海上に姿を現したKAZU 1を撮ったものです。この他にも関連写真が数点ありました。
そして次に目立ったのが北京冬季五輪における北海道勢の活躍を伝える写真だった。私も連日連夜TVの前で声援を送っていたが、それが遠い昔のように思えた。そうした思いがあるからだろうか?私にとっては、もう過去のことという思いもあり、写真に見入る気持ちは薄れていた。
私の目に留まったのは、入賞した写真ではなかったがプロ野球のプレーの一瞬の瞬間を切り取った「マトリックス伊藤」と題する写真だった。マトリックスとは映画「マトリックス」から着想を得たと思えるのだが、現実とは思えない日ハム・伊藤投手のグラブさばきを指しているものと思われる。
また、「網絡まったエゾシカ」という写真も目に留まった。増えすぎたエゾシカ、そして人間が捨てたゴミが野山や海浜に散乱する現実を象徴する写真の一枚のように思えた。
そして最後に報道写真というよりは、一枚の写真として素晴らしい一枚と思えたのが「ぽっかりと中秋の名月」という写真だった。私にはファンタジックな一枚の絵のように思えた写真だった。
私がカメラに収めたのは70点のうちわずか6枚である。まだまだ素晴らしい写真がたくさんあった。報道写真は芸術的な写真と違って分かりやすさが一つの特徴だと思われる。さて、来年の写真展ではどのような写真が展示されるであろうか?願わくば、明るい道民の話題がたくさん展示されてほしいと思うのだが…。
※ 「神秘的に輝くレナード彗星」と題する写真も報道というよりは芸術的写真です。