Kさんは生活支援員として日常生活が困難な人を支援するボランティアに励んでいるという。一方、女性のKさんは最近になって以前読了することのできなかった本に再び読んでみた感想を語ってくれた。私たちは今、仲間から学ぶことに取り組んでいる。
私が所属し、代表を務めるシニアの生涯学習グループ「めだかの学校」では、今年も月に2回の例会を開き地味ながらも、私たちの “学び” を継続している。
その「めだかの学校」の本年第2回目の学習会が先日1月29日(月)に実施された。その学習会とは「仲間から学ぶ」と題して、会員自身が講師(スピーカー)となって、自らの体験や関心事を会員の前で発表していただく。そしてお話されたことをもとに会員全体でさらに話を深めたり、感想を述べあったりして “学び” を深めるようにしている。
29日は上述したように二人のKさんが講師(スピーカー)を務めた。
一人目のKさんは、退職後に「少しでも人の役に立てたらと思い、生活支援員のボランティアに応募した」とのことだった。
生活支援員とは、制度を運営する社会福祉協議会の専門員が作成した支援計画書に沿って、本人宅を訪問し、金融機関への同行や自宅での郵送物や書類等の管理、支払い手続きなどを行う任務にあたるボランティアで月に1~4回従事するボランティアだそうだ。
Kさんはちょっと自虐的に自らが生活支援員のボランティアを志願した理由を語った。Kさんは現職時代は税務署の職員だったそうだ。「税務署の職員というと人からはあまり感謝されなかったので、退職後は人から感謝されるようなことをしたかった」と…。
実はKさんは、札幌市内で開催される講座やコンサートなどで良く顔を合わす方だった。そんなKさんが、それ以外にこのような尊いボランティアに従事していることを知り、Kさんの別な顔を知った思いだった。
一方のKさんは「めだかの学校」発足以来のベテラン会員である。(めだかの学校は発足以来13年が経過している)Kさんは以前に読み始めたものの読了に至らなかった3冊の本を紹介してくれた。その3冊とは大島直行著「月と蛇と縄文」、ジョナサン・スウィフト著原民喜訳「ガリバー旅行記」、杉山正明著「モンゴル帝国と長いその後」という3冊である。
「月と蛇と縄文」については作者のお話を直接聴いたことがキッカケで読んだが、良く分からず放っておいて、今回読み返したがやっぱりピンとこずに途中で投げ出したという。
「ガリバー旅行記」は、原民喜訳となっているが実際は原本「ガリバー旅行記」を訳しながら、原民喜のイギリスに対する思いが相当に反映された書のようである。Kさんは最初に読み始めた時は読みにくかったこともあり放置してしまったが、ある時新聞記事を目にして再読したそうだ。Kさんは小人の国、大人の国、馬の国など様々な国を旅してそれを文章に著したジョナサンの想像力に感嘆したと語った。
最後の「モンゴル帝国と長いその後」は、ある講座受講で取り上げられて購入したようだが読了に至らなかったという。今回のロシアのウクライナ侵攻を機に再読したそうだが、モンゴル帝国がユーラシア大陸を席巻していた当時と、現代の地政的状勢とを重ね合わせて読まれたようである。
お二人の発表を終えた後、私がコーディネーターを務めて参加者たちの考え、感想などを交流した。Kさんのボランティアについて多くの人が生活支援員というボランティアを初めて知り、Kさんがボランティアに従事していることに賛辞をおくっていた。
一方のKさんのお話については、多くの人にとってなじみの薄い本だったこともあり、話としての盛り上がりに欠けた面はあったが、「ガリバー旅行記」については、幼少の頃に絵本で親しんだ体験をもった方もいて、やはりKさん同様に作者の想像力に驚いた体験を述べる方がおられた。
この「仲間から学ぶ」シリーズでは、これまでも「統一教会について」、「思いがけない体験」、「ウォーキングあれこれ」など、それぞれが興味関心を抱いている話題を伺うことができ、さまさまな刺激をいただいている。
それではお前は?と問われるかもしれない。私は来る3月に「私のブログ生活」と題してお話する予定である。さてどうなるだろうか??