家に帰り着いた安堵感に体中が疲労感に包まれている。と同時に旅を満喫できた充足感が私を満たしている。本日から数日に分けて今回の白神山地の旅を振り返ってみたい。
※ 「ブナ巨木のふれあいの径」で出会った大きく枝を広げるブナの巨木です。
「白神山地」は我が国で指定されている世界自然遺産4ヵ所の中で、屋久島と共に最も早く(1993年12月)に指定されている。私は幸いなことにこれで4ヵ所全てを訪れることができたが、今回旅しての正直な感想として4ヵ所の中では観光的な観点では最も地味な地域という印象を拭えなかった。そう感じた最大の理由は、一般の観光客にとっては公共交通機関などでは容易に近づけないところが多かった点である。つまり「白神山地」を訪れる多くの人はトレッキング仕様で歩いたり、登ったりしなければ「白神山地」の良さを感得することができないと思われた点だった。そうした意味では私の今回の旅のスタイルは正解だったといえると思う。
※ 「白神岳」の山頂から立ち入ることのではない核心地域を展望したところです。
また今回改めて知ったことだが、世界自然遺産の場合指定されている核心地域には一般人は立ち入ることができず、私たちが立ち入ることができるのは緩衝地域という周縁部のみなのである。したがって、今回私が訪れた「十二湖」、「白神岳」は日本海側に位置し、「暗門滝」、「くろくまの滝」、「ブナ林散策道」などは核心地域を挟んだ内陸部と大きく離れていた。あるいは核心地域にはさらなる奇観や信じられないほどのブナの巨木が生育しているかもしれない。今回登った「白神岳」は核心地域に最も近づいた地点であることを地元登山者の方から聞くことができた。その方の話では、山頂標識が立てられている所は核心地域との境界線ということもあって、新しい山頂標識を立てることができないのだ、とも言っていた。
※ 「暗門滝」を目指すためにまるで深山幽谷に立ち入ったような山道です。
観光的には地味な「白神山地」と前述したが、私にとっては魅力的ポイントに数々接することができた。自ら体を駆使し、辿り着くことができた数々のポイントは私の体に、そして心に深く刻むことができと思っている。次回からそれら個々の様子についてレポしてきたいと思っている。
※ 十二湖で有名な「青池」より鮮やかに思えた「小夜の池」の群青色の水面です。