あんな話こんな話

会津生まれの会津育ち…三匹の猫と柴ワンコや家族に囲まれ、家庭菜園に勤しみ都会には住めそうにないローカルな私の日常。

藪萱草(やぶかんぞう)に思う。

2007-07-15 23:25:28 | 植物
いつものヒメとの散歩コースがあるのだけど
最近は天気が良くないせいか足早に過ぎてしまうだけなのだが
いつもの通りに面したお宅では草刈機で草刈りをする時に
何がしかの花の蕾を見つけると、必ず花の部分を残しておいてくれる。
ちょっと顔に似合わずに(笑)花を愛おしむ心を持った人だと思っている。

その残された部分はどんな花が咲くのだろうか…。
時々通っては楽しみのひとつとしていた。
この間ようやく待ちに待った花が咲いたのを見つけた。
百合? 山百合? いったいなんと言う百合なんだろうか?
てっきり百合の花だと思って調べてみたのだが
どうやら藪萱草(やぶかんぞう)というのが分かった。



中国原産の有史前帰化植物で、日本中に広がったのだが
最近あまり見かけなくなってしまったようだ。
オレンジ色の八重咲きで、土手の真ん中付近にポツンと咲いている。

ユリ科ワスレグサ属の多年草で、7~8月頃に1メートル程度のすらっとした茎の先に
花は1日でしぼんでしまう花が次々と開花するので長期間楽しめ
根は「甘草」として鎮咳、鎮痛、解毒などの薬用に利用されるようだ。

悲しいときに、かんぞうを眺めれば忘れられる」という言い伝えがあり

萱草(わすれぐさ) わが紐(ひも)に付く 香具山の 故(ふ)りにし里を 忘れぬがため
大伴旅人 万葉集より


嫌な事を忘れさせてくれると、昔の人はこの花を着物の紐につけたそうで 
自分では払いのけられない、辛い思いを花のエネルギー戴いて祓っていたのだろうか。
愁いを忘れ明日への希望を胸に託す…オレンジ色ってエネルギッシュな色だもんね!

草を刈り取ってもこの花を残した人は、こういう謂れを知っていたのかもしれないと思ったら
ちょっと厳ついはげ頭のオッちゃんが、とてつもない詩人のように思えたから不思議だった(笑)


という事で藪萱草の花をドアップ!




コメント (18)
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