最近は天気が良くないせいか足早に過ぎてしまうだけなのだが
いつもの通りに面したお宅では草刈機で草刈りをする時に
何がしかの花の蕾を見つけると、必ず花の部分を残しておいてくれる。
ちょっと顔に似合わずに(笑)花を愛おしむ心を持った人だと思っている。
その残された部分はどんな花が咲くのだろうか…。
時々通っては楽しみのひとつとしていた。
この間ようやく待ちに待った花が咲いたのを見つけた。
百合? 山百合? いったいなんと言う百合なんだろうか?
てっきり百合の花だと思って調べてみたのだが
どうやら藪萱草(やぶかんぞう)というのが分かった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3a/c9/ab87b17323f565fa79ca3be5f3113f69.jpg)
中国原産の有史前帰化植物で、日本中に広がったのだが
最近あまり見かけなくなってしまったようだ。
オレンジ色の八重咲きで、土手の真ん中付近にポツンと咲いている。
ユリ科ワスレグサ属の多年草で、7~8月頃に1メートル程度のすらっとした茎の先に
花は1日でしぼんでしまう花が次々と開花するので長期間楽しめ
根は「甘草」として鎮咳、鎮痛、解毒などの薬用に利用されるようだ。
「悲しいときに、かんぞうを眺めれば忘れられる」という言い伝えがあり
「萱草(わすれぐさ) わが紐(ひも)に付く 香具山の 故(ふ)りにし里を 忘れぬがため」
大伴旅人 万葉集より
嫌な事を忘れさせてくれると、昔の人はこの花を着物の紐につけたそうで
自分では払いのけられない、辛い思いを花のエネルギー戴いて祓っていたのだろうか。
愁いを忘れ明日への希望を胸に託す…オレンジ色ってエネルギッシュな色だもんね!
草を刈り取ってもこの花を残した人は、こういう謂れを知っていたのかもしれないと思ったら
ちょっと厳ついはげ頭のオッちゃんが、とてつもない詩人のように思えたから不思議だった(笑)
という事で藪萱草の花をドアップ!
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5b/47/e24879176f55172a0d568d55d943acd4.jpg)