一筆啓上候丹後殿・播广殿御使番衆四人豊前國端へ御著
著之儀先書ニ申上候七月十二日夜ニ入小倉へ着船火野日向
殿ハ同十三日小倉へ著船内藤左馬助殿ハ同十四日夜豊前大
裡へ著船供舟不参ニ付而十八日ニ御立候廿二日ニ熊本可有
御請取との儀にて御座候上下船中無事之儀重而可申上と奉
存知此候熊本御請取候儀ハ何も之御注進早可参候条不及申
上候此度上使衆小倉之御著於我等忝儀無申斗候被成御推量
可被下候自然御次之節ハ御取成可忝候恐惶謹言
七月十八日
尚/\熊本へ之道筋何も不貸様ニ何も被申付候不及申
上候已上
酒井雅楽頭様
土井大炊頭様
酒井讃岐守様
人々御中
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七月廿二日四ツ時分ニ首尾能隈本御請取候由目出度存候江
戸へ之御状箱二ツ廿三日牛之下刻ニ参著仕則大坂へ両使を
相添舟二艘ニて差上せ申候右両通之内一通ハ因幡殿ニ被留
置候様ニ申遣候恐惶謹言
七月廿三日
稲葉丹後守様
伊丹播广守様
石川主殿頭様
尚/\八代御請取候御注進可有御坐と待候而罷有候已上