津々堂のたわごと日録

爺様のたわごとは果たして世の中で通用するのか?

■ああ知らなかった・・「上せ」

2020-12-19 11:03:38 | 徒然

 例えば「江戸へ今日上せ候□□」という文章の「上せ」という語句はなんと読むのか、私は、これは「上らせ」だろうと思い込んでいた。
正式に史学や古文書を勉強したことがない私だから、これを知って私の常識のなさを実感させられた。
これは「のぼせ」と読むのが正解である。

 今朝ほど山本博文氏の「江戸城の宮廷政治」を開いたところ、一枚のコピーが出てきた。
元和六年の暮、病み上がりの三斎が愛娘である烏丸万に宛てた書状だった。
「病気ですっかり痩せてしまい、頭が薄くなり、つら(顔)をみれば、そのまま(父)ゆうさいの様で我ながら肝をつぶしている」とすっかり打ち解けた文章である。女性に宛てた書状だから平仮名が多用されている。
その中に「いよ/\ちからつき候を見せてのほせ候ハんととめ申候、正月三かにちすき候ハヽおつつけきちにちしたいのほせ候へく候事」とある。近習の者が上洛しようとする三斎の病状をみて上洛を止めていたことが伺われ、年が明けて三が日以降の吉日を選んで出立するとしている。
このなかに「のほせ」という語句が出てきて「上せ」の事だとピンときた。改めてググってみるとまさに正解であった。

 古文書に親しんで10数年になるが、所詮独学の身にとってはお恥ずかしい次第ではあるが、是で又一歩前進がうれしい。

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■細川小倉藩(435)寛永六年・日帳(八月十日~十二日)

2020-12-19 09:40:43 | 細川小倉藩

                      日帳(寛永六年八月)十日~十二日

         |                
         |    十日  奥村少兵衛   
         |
         |一、加来次郎兵衛、をや相煩候由にて、次郎兵衛登城不仕候事、
鉄炮足軽町人女房 |一、加々山権左衛門尉与御鉄炮衆清太夫と申もの、東小倉ノ久八と申ものゝ女房を一刀きり、其まゝ
ヲ斬リ春光寺へ走 |             
リコミ切腹ス   |  春光寺へはしりこミ原を切申候、いかやうの子細にて女をきり、腹をきり候や、御町奉行ニ、せ
町奉行へ調査ヲ命 |             〃
ズ        |  んさく被仕候へと、申渡候事、

         |                
         |    十一日  安東九兵衛   
         |
家老等談合ヲ求ム |一、御家老衆ゟ、御談合被成度儀候間、両人ともニ頼母殿へ参候也、
ニヨリ惣奉行有吉 |
英貴邸ニ赴ク   |       法華
杉某ト法花坊主ト |一、杉藤兵衛と法花坊主との公事之儀、御家老衆被成御聞、被成御談合候事、
ノ公事      |
稲葉家中ヨリノ走 |一、うさ郡ノ彦四郎、稲葉殿御内ゟ走人案内者仕候ものをも、御誅伐ニ相究申候、其外手伝候ものニ
人ヲ案内セル者誅 |  も過怠をかけ申筈ニ相究、書物ニ御家老衆裏書飛成、此方ニ請取置、万書物之段ニ入置申候也、
伐手伝シ者過怠  |
家老等裏判ノ書物 |
万書物ノ段ニ納ム |       

         |                
         |    十二日  奥村少兵衛   
         |                       (煩脱ヵ)
菊野伊織病死ス  |一、菊野伊織者両人罷下候、伊織儀江戸にてたんを相、七月十九日ニ相果申候、則伊織召仕候ものと
         |  も不残罷下候へとの 御意にて、罷下候由申候、修理・兵庫ニ被成下 御書箱壱つ持下候也、
         |  伊織内
         |  〇村上権右衛門・片山太兵衛登城ニ而申候也、
         |                      (枌)
枌板五千石調ハズ |一、沢村大学殿ゟ、使者を以被申聞候ハ、当春曽木板五千石可有御買之由にて、我等も判形仕候、此
         |  儀未調不申候由承候、如何様之子細にて調不申候哉、其後又御用と候て、当町に而も弐百束ノ
         |                       (反故)
         |  判形仕、かい申候、判形仕候儀を不調候ヘハ、はうぐに成申候間、かやう二無之様二候て尤二存
八拾立ノあまほう |  候、又八拾立之あまはうし、是もいまた調不申候之由承候、 殿様御下国ニ而も候ヘハ、頓而入
し  日向ノ材木 |  可申と存候間、北前へ飛脚を成とも遣し、急度相調候様ニ可仕候、又日向への材木ノ儀も調不申
         |  候由承候、是をも飛脚を遣し、調候やうニ可仕由、被申聞候、此方ゟ申候ハ、五千石ノそきの儀も
上方枌ノ相場付  |  上方へ申上せ、寺嶋方ゟ双場付をも差下候、然とも不承合、即時調候ヘハ、御損立申儀も御座候
         |  付、見合、かい下シ申筈ニ、寺嶋ゟ申越候、其後俄ニ御用ニ付而、爰元ニ而も如被仰、調申候、
         |  又北前之あまはうしの儀も此中飛脚を遣し申候、又今日も、飛脚遣し被申候へと、松本彦進へも
         |  申渡候間、定而はや可参と存候、日向へ之儀は未飛脚も遣し不申候、飛脚を遣し候へと思召候ハ
         |  ヽ、遣し可申由、御返事申候事、
御印帳      |一、大学殿へ御印帳判取ニ持せ遣候処、御留守ニ而候間、従是持せ可新之由、返事ニ而候事、

                   

 

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