すぷりんぐぶろぐ

桜と絵本と豆乳と

練る姿の目指すもの

2007年10月24日 | 教育ノート
 たまに上京して土産として買う「○屋」の高級羊羹はとても美味しいと思うが、亡くなった祖母が作る羊羹もかなりの味だった。
 「練」を取り上げて、ふと浮かんだのは台所の隅で小豆の入った鍋を練っている祖母の姿だった。煮詰めその質の良い部分を残していく、こねて混ぜ合わせ味を深くしていく、練るとはつまりそういうこと。
 祖母の練り上げた羊羹は、黒く、堅く…もうあの味には出会えない。

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 糸へんに東と書きますが、方位を表す東ではなく「柬(カン)」という字がもとになっています。
 柬は、束(たばねる)と八(わける)から出来た字で「集めたものの中からよいものをよりわける」意味です。
 糸へんがついて「ねる」という読み方をして「糸をやわらかくする」というもともとの意味となります。

 「練習」「鍛錬」などから「繰り返して習う」「きたえみがく」というイメージが強い字ですが、それは結局「よい質のものにしていく」という点に集約されます。
 春以来、授業や様々な活動のまとめとしてご覧いただく発表会。それに向けての練習は一人一人の子の中にある質のよいものを表に出していくために行われていると言えそうです。
(10/22)
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