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生きる力の中身としての批判力

2008年07月26日 | 読書
 「批判力」(批判的思考力・批判的理解力・読解力)を軽視ないし無視しておいて、いくら「生きる力」と言っても虚しい。「自ら課題を見つけ、自ら学び、自ら考え、主体的に判断」することを奨励しても、中身は虚ろである。
 
『文章吟味力を鍛える』(阿部昇著 明治図書)

 学習指導要領には「批判」「批判力」という言葉はない。
 実社会でも学校でも「競争」はあったが、反面「和」がずいぶんと強調されてきて、真正面から「批判」を取り上げている実践などは稀ではなかったか。

 そしていつしか、批判にはあげ足とりとか文句とかいうイメージがつくようになった。
 これはやはり、批判を教育で正面から取り上げてこなかったからではなかろうか。
 また、批判的な意見を述べる人をきちんと評価してこなかったからではなかろうか。

 内容の否定的な面を取り上げる理由は、もっとよく、もっと正しくという強い意志があるからだという根本のところに目を向けたい。そういう筋を明確にしながら、批判力を高める教育活動が組織されなければならない。

 批判力が必須な理由を阿部氏はこう書いている。

 自分を変え世界を変えていくため