7月の読み聞かせは「海」を取り上げたいと、書架を探していて見つけた一冊。一読してすぐに「やりたい」と感じた久々の作品だ。発行がクレヨンハウスというのも珍しい。カバーに付記している説明をみると「1992・第2回 海のメルヘン大賞」の大賞受賞作。作者は当時高校2年だったとある。瑞々しい感性だ。
『海のおっちゃんになったぼく』(なみかわさき・文 黒井健・絵)
2006.6 クレヨンハウス
自宅裏に広がる浜辺で、青いビー玉を拾った「ぼく」。コップに入れたら「しょっぱい水」になり、その「海」はどんどんと広がってくる。入れ物を替えて世話をしていてもだんだん大きくなり、どうしようもなくなって「すててしまお」と捨てようとするが、父に見つかってしまい…発想、展開、決着、皆納得できた。
ふだん「飼う」となるとそれは家畜やペットを指すが、物語の世界では様々なものが対象となる。多様な動物や植物はもちろん、無生物さえも取り上げられることがあるはずだ。これは「ビー玉⇒海水」という設定が何よりユニークで、しかも膨張してくるという。途中まではオカルト風と思いきや、温かい終末となる。
カバー裏に椎名誠が文を寄せている。「スケールのでっかい話」で「あったらすばらしいなあと感心して海を見に行きたくなった」と記す。まさに、そんな読後感だ。抑えた色調の絵も素敵だ。読み聞かせのポイントはなんといっても関西弁。TVを通して聴きなれている子は多いだろうし、なんとか読み伝えてみたい。
『海のおっちゃんになったぼく』(なみかわさき・文 黒井健・絵)
2006.6 クレヨンハウス
自宅裏に広がる浜辺で、青いビー玉を拾った「ぼく」。コップに入れたら「しょっぱい水」になり、その「海」はどんどんと広がってくる。入れ物を替えて世話をしていてもだんだん大きくなり、どうしようもなくなって「すててしまお」と捨てようとするが、父に見つかってしまい…発想、展開、決着、皆納得できた。
ふだん「飼う」となるとそれは家畜やペットを指すが、物語の世界では様々なものが対象となる。多様な動物や植物はもちろん、無生物さえも取り上げられることがあるはずだ。これは「ビー玉⇒海水」という設定が何よりユニークで、しかも膨張してくるという。途中まではオカルト風と思いきや、温かい終末となる。
カバー裏に椎名誠が文を寄せている。「スケールのでっかい話」で「あったらすばらしいなあと感心して海を見に行きたくなった」と記す。まさに、そんな読後感だ。抑えた色調の絵も素敵だ。読み聞かせのポイントはなんといっても関西弁。TVを通して聴きなれている子は多いだろうし、なんとか読み伝えてみたい。