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宝くじ買う前に「ルール」

2022年08月11日 | 読書
 さすがにこの齢になって啓発的な本を頻繁には買わないが、ネットでよく訪れる知人が薦めている記事を見て、たまに注文する時もある。内容はある程度予想がつくのも年の功か(笑)。しかし、わかっていることと実行していることはまた別の話。結局、自己怠慢、悪しき生活習慣を自覚することになる結末が多い。


『宝くじ・超当せんデータ「当たる人のルール」がわかった』
 (女性セブン編集部 小学館)




 宝くじを定期的に買う習慣はない。もちろん当たったらいいなあと買わずに思っている時があるので笑えてくる。関心があったのは「当たる人のルール」だ。女性誌の記事の集約だから、ほぼ予想はつく。そして大方違いはなかった。「物事を丁寧にする」「身の回りをきれいに保つ」そして「何事も前向きに受けとめる」


 もちろん具体的には結構細かい「心掛け」が出てくる。そうした日常を平穏に送っていられるのなら、宝くじのお金など必要ないのではないかと思えてくる。…そうだ、そこがミソなのだ。つまり偶然にも大金を手にして身を持ち崩す習慣を持たない。だから、その心配が色濃い者に「神」は微笑まないのだ、と思う。


 この本では、それを象徴的な語で表している。「運の器」だ。器の分量を超えた幸運が仮に訪れると受け止められずに破綻してしまうわけだ。おそらくそうした例は多いに違いない。もちろん器の大きさが決まっているからと言って運命が変えられないわけではない。変えられないのは「宿命」であり、運は切り開ける。


 「立命」という語がある。「運がない」とぼやいているより、自分の出来ることを突き詰めていく、好きことに没頭していく…その喜びに目を向けることが唯一の「ルール」かもしれない。どうしても「金」がちらつくなら、次の格言を身に沁みこませたい。章ごとに置かれているが、冒頭の一節が一番すとんと落ちた。

 金が人生で何をなしうるか、金が人生で何をなしえないか。このふたつの問題を正しく解く人は、金の真の正当な価値を知る人である。 (哲学者 サンタヤーナ)