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その選手の姿は利用される

2023年03月03日 | 雑記帳
 図書館ブログの蔵書紹介のネタ探しで、「今日は何の日」というサイトをよく検索する。3月2日分をみていて、面白いなあと思ったことがある。3と2の語呂合わせで「ミニ」はごく普通だが、さらに探したら「野球用語の日本語化」が決められた日とあり思わず読み込み、WBCと合わせ野球本紹介の導入にした


 戦時下でそういう出来事があったことは有名だし、ストライクを「よし」と審判が叫ぶのも間抜けな感じがして記憶に残っている。簡単に競技を禁止できないほど野球人気が高かったことも頷ける。戦前からの脈々とした歴史が戦後の大人気につながり、多少陰りが出てきたとはいえ、スター選手の輝きは失われない。





 さて、用語の日本語化だけでなく、実に興味深いルール改正もあったことを知った。「打者は球をよけてはいけない」「選手の途中交代禁止」「Xエックスゲームの廃止(後攻チームの勝ちが確定していても9回裏の攻撃を行う)」「コールドゲーム、サヨナラゲームの廃止」である。これは、実に日本人的と言えはしまいか。


 つまり、戦時下における「逃げない精神」「最後まで戦い抜く精神」「敵を徹底的に打ちのめす精神」が強く意識されているので、合理的な考えとかけ離れた、非常識と言っていいルールが出来上がった。研究者は「その心持ちを選手の姿を通して野球ファンに浸透させる狙いがあった」と考察している。一種の洗脳か。


 今昔問わずスポーツ選手の姿は利用されやすい。純粋に競技を追求する者は当然多いが、プロ選手に限らずそれは観客、視聴者にどんなふうに映り、どんな精神に作用するのか、プレーヤー自身考えざるを得なくなっている。もちろん観る側も注意深くあらねばならない。楽しみの裏側の要素に目配りを怠らないことだ。