アメリカのデフォールト回避というヤラセ芝居はむしろ株式市場には冷淡に受け取られたようで、その後も株価は低下を続け、数日前にはリーマンショック以来の下げ幅を記録し、うけてS&Pは戦後初めて、アメリカ国債を格下げしました。この辺も全部筋書き通りなので、今後も株価はじりじりと下げて行って、そして世界大恐慌へと突入していくのかも知れません。確かに株価は下がれば上がります。しかしリーマンショックの株価は2年経ってもその前のレベルには回復せず、加えて今回の暴落が起こっています。大恐慌時にいたっては、株価の復活には30年を要しています。老後の引退資金から、大学のエンドウメント、研究基金、などなど、これらの運用はほとんどが株式や債券の投資で行われているわけで、近い将来の市場の暴落によって積み立てた貯金が全部パーになったり、研究基金が閉鎖したり、大学が縮小したり、失業率が倍増したりするのだろう、そんなことを考えると気分が暗くなります。資本主義といものがカネという武器で人間を支配する近代奴隷制であるという実態が再びあらわになりました。それに対抗するには本当に成熟した民主主義しかないと私は思うのですけど、日本はもちろん(世界中どこでも)そんなものが近々実現する可能性は極めて低いと思わざるを得ません。
これからどうすればよいのでしょうか。今後、円高や放射線汚染などで日本製品が売れなくなれば、食料が買えません。まずは来るべき食料危機に備える必要があるのではないでしょうか。食物自給率を少しでも上げる努力が不可欠と思います。ソ連解体後の食料危機をロシアはダーチャと呼ばれる個人農場での備蓄でしのぎました。日本でも家庭でできる菜園や畑などを積極的に考えるべきでしょう。試算では、ニューヨークのビルの屋上に菜園を作るだけで、ニューヨーク市民の消費する野菜類は自給できるそうです。家庭菜園をバカにはできません。とにかくカネに依存しない部分の生活基盤を多少でも広げていく努力は必要ではないかと思います。エネルギーもできれば自給自足が望ましいと思います。都会暮らしでは難しいでしょうが、アメリカでは自宅に風力発電機などをおいて自給はもちろん、電気を電気会社に売っている人もいます。理想はカネに頼らない人間同士が直接的に助け合う小さな共同体からなる社会ですけど、国家レベルでは防衛の問題などなどがあるので難しいでしょうね。世界中が資本主義社会からの脱却を目指して同時に努力しない限りは不可能かも知れません。ただ、個人的にそのような共同体をミクロレベルで構築していくことは可能かも知れません。