プーチンが再び大統領選に出てくるようです。二期やった大統領の後、首相になって院政を敷いた上、また表舞台に出てこようとしているこの人の目的は何なのでしょうか。アメリカの危機に乗じて、世界の主導権をロシアが握ろうとする権力欲だろうかと想像するのですが、そうだとすると、ちょっとキナ臭くなりそうな気がします。いきなり軍事力増強を強調していますし。
数年前、プーチン政権批判を繰り返してイギリスに亡命した元KGB諜報部員が放射性物質を食事に盛られて暗殺されるというおぞましい事件がありました。盛られたのは大量のボロニウムで、この放射性物質を大量に調達するには軍事施設など特殊な施設が必要なことから、ロシア政府関係者に暗殺されたと考えられています。プーチン時代にこの手の話は複数あります。本当にプーチンや周辺の人間が手を回して都合の悪い人間を暗殺しているのか、あるいは誰かがプーチンを嵌めようとして事件を起こしているのか、私には判断はつきません。しかし、もともと大して何のバックもないプーチンがここまで昇りつめて強大な権力を持つに至った経緯はよく知りませんけど、なんとなく不自然なものは感じます。プーチン自身も何度も暗殺されそうになっていますし、もとKGBということですから、蛇の道は蛇、目的のためには手段を選ばず、というタイプなのかも知れません。
汎アメリカ主義が終焉を迎え、ヨーロッパ、アジア、アフリカが各々より独立した小地域グループに編成されるとしたら、ロシアは再び反アメリカ的立場に立ってヨーロッパ諸国を取り込もうとするでしょう。一方、アジアに対しては、アジアの中で東の端にある日本がアメリカべったりであることを愉快には思わないでしょうから、プーチンはかなり過激な駆け引きを持ちかけてくるかも知れません。その時のロシアの力が相対的に十分大きくなっていれば、日本はアメリカとロシアに挟まれて、国家の興廃にかかわる厳しい決断を迫られることになります。これまでのように誰も責任をとらない官僚主導の事なかれ外交をやれば、国家の信用を失います(というか、既に外国は日本政府を信用していませんが)。この間のAPECのドジョウの二枚舌は全く最低でした。政権延命とかその場の取り繕いのために、ウソをつくようなヤツは誰も相手にしません。
アメリカの暴虐もイヤですが、プーチンのロシアが軍事強化するというのも愉快ではないです。
世界の人々は、グローバルなんとかはもうやめて、各々のお家に帰って自給自足で小さく暮らしてもらいたいと私は思うのですけど。地球環境のためにも、世界平和のためにも、それが望ましいのはわかりきっていますが、あいにく世の中、強欲で反省を知らない人間が多いですから。