米議会で、イラン制裁強化法案が可決され、近く発効するようです。イラクへ「大量殺人兵器を作っている」とイチャモンをつけて侵攻し、殺戮を繰り返し、9年もの間メチャクチャをやった挙げ句にようやく撤退すると思ったら、今度はイランですか。イランが核開発を進めるのは、そもそもアメリカが横暴だからではないのでしょうかね。イランの大統領も、仇敵とはいえ、殺されたフセインの顔がちらついているでしょうし、これまでも反米の過激な言動を行っていますから、来るなら受けて立つと覚悟を決めていると思います。傲慢極まりないアメリカのそのやり方がこれからも通用すると思っていたら本当に痛い目に合うでしょう。第二次大戦、朝鮮戦争、ベトナム戦争、イラクなどなど、大っぴらに戦争をやったり、ウラでは南米の反政府ゲリラなどをコッソリ支援したり、とにかく世界中で戦争を仕掛けて、何十万という人間をその都度、殺しては、金儲けしてきたアメリカの汚いやり口は、世界中が知っています。知っている人は皆、ウンザリしています。
そのアメリカも来年の大統領選挙にむけて、共和党の大統領候補指名に向けての討論会が開かれてきました。討論会参加者の中では、今のところ、ギングリッチ、ロムニー、ポールの三人がトップ集団で、ペリー、バックマン、サントラムに差をつけているようですが、ポールはともかく、ギングリッチとロムニーでは、「世界の嫌われ者、アメリカ」の汚名を晴らす方向には行きそうにありません。また、唯一の女性候補のバックマンは、劣勢でのプレッシャーのせいかも知れませんけが、異常に攻撃的で感じが悪いです。ディベートでは、ミット ロムニーとニュート ギングリッチをまとめてニュート ロムニーと呼んで、立ち位置の違うこの二人を一緒くたに攻撃するという(本人は、賢いスピンを思いついたとでも思っているのでしょうが)無礼極まりないやり方で、すっかり鼻白んでしまいました。他人を攻撃する前に、福田前首相に弟子入りでもして、自分を客観的に見る訓練でもすればどうでしょうか。これでは逆効果でしょう。サラ ペイリンの方がまだまともに見える程です。
日本国内では、先週末、ちょっと笑える話が小沢氏の裁判でありました。例の村木さん事件で、証拠を捏造し、ムリヤリ村木さんを有罪にしようとしたことがバレて実刑を受けている前田元検事の小沢氏の裁判での証言です。この人も陸山会事件で大阪から応援としてやってきて、取り調べに関与しています。思うに、検察組織を守るために尻尾きりでスケープゴートにされたという検察への恨みもあるのでしょう。法廷で、検察のでたらめな取り調べを延々と批判した挙げ句、自分が裁判官なら小沢氏は無罪だ、と言ったらしいです。流石に、デタラメをやってきた検察内部の人間の弁ですから検察批判にも説得力があります。興味深いことに、このニュースを反小沢キャンペーンで捏造報道を繰り返してきた読売や産経がかなり大きく詳しく取り上げています。罪滅ぼしのつもりでしょうかね。一方、朝日はもうダメですね。
週末の「国会探検」では、「検察崩壊」というタイトルで一連の小沢氏失脚を狙った検察と自民党の暴走をまとめてありました。一部抜き書き。
田代検事は「合理的であれば調書に取り入れるが、合理的でない供述は入れない」と証言した。「合理的」とは検察のストーリーに合致した事を言う。つまり取調べとは真相を究明する事ではなく、検察のストーリーに都合の良い言質をつまむ事だと言ったのである。それなら取調べの意味はない。
そして田代検事は昨年5月に石川議員の取調べを行った際、実際のやり取りとは異なる架空の話を捜査報告書に書き入れた事を認めた。
ところが前田氏も「検察の想定と違う内容は証拠にしない」と言うのである。つまり検察に都合の悪い証拠は検察によって「隠滅」されるのがこの組織では常識なのである。これは立派な犯罪ではないか。
国民の代表である政治家と「全面戦争する」と言うのは、国民主権を認めない組織がこの国に存在する事を意味している。その組織に都合の悪い証拠は隠滅される。これほどの感覚のズレを正すのに自己改革など到底無理な話である。行政権力を監視し、それを変える力は立法府にしかない。
検察も司法も腐りきっていて、自浄機能がないという意見には賛同します。行政権力に対して立法または司法が監視を行い、変えなければならないというのも理屈上はその通りです。しかし、今の民主党執行部、野党の顔を見れば、そりゃ無理だろうと思わざるを得ません。
一方、小沢公判で、検察のデタラメな取り調べの暴露や前田元検事の証言などを受けて、小沢氏は無罪は間違い無しで来年には総理大臣になる、というような希望的意見がネットでは見られます。しかし、この裁判が今だに行われているということからして、日本が如何に異常な国かを如実に示していると思います。マトモな国であれば、そもそもこの事件は裁判になったり、検察が強制捜査を入れたりする方がおかしいのです。マトモな裁判官であれば、とっくの昔に裁判は打ち切りになっているはずのものです。つまり、日本という国は、その権力が腐れに腐っている野蛮きわまりないキチガイ国家だということです。立法、司法が官僚にコントロールされているこの国で、マトモな裁判が行われると期待するのは楽観的すぎると思います。権力を握っている連中には法律も法強制組織も良識や倫理も無関係です。石川議員の有罪判決が全てを物語っています。マトモな裁判であれば有罪などありえないのに、ヘーキで有罪判決が出る国なのです。小沢氏は官僚組織にとっては脅威であり、小沢失脚は官僚組織の至上命題である以上、何が何でも有罪判決へともっていこうとするでしょう。この件で有罪にできなければ、別の事件を作って、マスコミを使っていつものようにスキャンダルをでっち上げてくると思います。