百醜千拙草

何とかやっています

サヨナラ民主党

2012-06-19 | Weblog

雑用を済ませて一段落、この夏の実験の計画を立てようと前向きな気持ちでメールボックスを開けたところ、不幸のメールを発見。一年ほど前に軽い気持ちで引き受けた原稿の締め切りがやってくるというお知らせ。引き受けたことさえ、すっかり忘れていました。人の心は不思議ですね。このメールを見るまでは、心は、きたる夏へむけて、淡い期待と希望に満ちていました。今や、その気分は刹那にして消え去り、もう見当たりません。

「僕のあの帽子どうしたでせうね、、、ええ、夏、渓谷に落としたあの麦わら帽ですよ、、、」 過ぎ去った楽しい夏休みの思い出のように、消え去った感情を懐かしむばかりです。

 

さて、世界は揺れ動いています。ギリシアの選挙の結果は、とりあえず危機は回避されたように見えます。ただ、直ちに世界大恐慌に突っ走る危機が回避されたというだけのことで、根本の問題は何も解決していません。ギリシア/EUにしてもアメリカや日本にしても、諸悪の根源は「中央銀行」システムだとつくづく思います。つまり、平たく言えば紙のお金のことです。中央銀行が紙から金をいくらでも作れるという特権を持ち、無から作ったカネを政府に貸し出して利息をとるという詐欺こそが、富の偏在と、現在の「経済危機」を作り出しています。週末、3年ほど前に出版されたRon Paulの「End the Fed」 (中央銀行システムを終わらせろ)という本を手に入れたので、ボチボチ読み始めました。2007年の大統領予備選の時に、現在の管理通貨制に基づく資本主義経済は胴元だけが儲かる仕組みのイカサマであることを、ミシガン大学の多くの学生たちはに知っていたというような話もあります。日本の大学生だったらカネの仕組みについてどれだけ知っているでしょうか。少なくとも私が大学生のころは何も知りませんでした。経済が良かったころに官僚主導社会で育ってきたその上の世代の方がむしろ、現実認識は甘いのかも知れません。

 

国内のこと、15日のデモに関して。先週末の首相官邸前であった大飯原発再稼働反対市民デモの様子をYoutubeとしんぶん赤旗などで見ました。1万人以上が集まった大規模な市民デモでありながら、日本の殆どのマスコミは無視。マスコミの腐り具合がよくわかります。海外のメディアと東京新聞と一部テレビは報道した様子ですが、どういうわけかデモの規模を数百人と発表。一万人と数百人では大きな差があります。下のビデオを見る限り、数百人というレベルではありません。


 

もう一つ、ちょっと前の「内田樹の研究室」の「さよなら民主党」というエントリーを読んで思った事など。

鳩山首相は基地問題でアメリカと交渉を試みたときに、「申し訳ないけど、あなた勘違いしてません?日本政府はね、安全保障については自己決定権がないんですよ」とぴしゃりと言われた(のだと思う。想像ですけど)
でも、そのやりとりをそのまま情報開示するべきだったと思う。

でも、このときに重大な政策決定(というより不決定)について、そのプロセスを開示できなかったことによって、「政治主導」という語はそこに託された歴史的意味を失って、空語になった。

今、何が起きているのか、それがたとえ不都合なことであっても、あえて開示することで、外見的には意味不明に見える政治行動の内在的な合理性を国民に「説明」すること。
それが「政治主導」に有権者が託していたものではなかったか。
あるいは、私の誤解だったのかもしれない。
だが、私は「政治主導」という言葉をそのように理解していた。

 これは私も鳩山氏が最終的に「辺野古に」という結論に戻った時に感じたことです。なぜ、約束を守れなかったのか、なぜ辺野古に戻ったのか、説明されませんでした。当時、私は、辺野古に核兵器庫があって核兵器はすでに沖縄にある、というウワサ話を聞いていたので、辺野古回帰への経緯を正直に打ち明けられなかったのだろう、と勘ぐっていましたが、都合の悪い事実も含めて語ることからしか真の協力は得られないし進歩もないと思っていたので、非常にがっかりした記憶があります。

民主党は今、彼らに立候補者330に対して308人の当選者を与えた2009年の総選挙での選挙公約のほとんどを放棄し、首相は「しない」と約束した消費税増税に「政治生命をかける」と呼号している。
なぜ、選挙公約がこれほど組織的に放棄されなければならないのか。
これについて、為政者には説明責任があるだろう。
けれども、消費増税についても、原発再稼働についても、首相の口から「情理を尽くした説明」が語られたようには思われない。

 それが、国民の怒りの源泉でしょう。説明しないのは「できない」からです。そう考えるのが最も理屈にあいます。なぜ説明できないのか、それは説明すると支持されないからです。なぜ支持されないのか、それは原発にしても消費税にしても本音は建前と全く違っていて、いずれも本当に国民のためにやっていることではないからです。

例えば、原発事故後の政府の住民への説明会のビデオなどを見ると、ハラワタが煮えくり返るような思いになります。都合の悪い事は説明しない、説明を詰め寄ると聞こえないふりをする。目の前に立って問いつめても全く無視し、その挙げ句に、合意と了承を得た、と一方的に宣言して逃げる。カスどもです。

説明しろ、と国民が詰め寄っても、説明しないような人間を信用して国家の運営を任そうという人は余りいません。我々は官僚組織がこれまで行ってきた犯罪を見てきました。首相や政府がつくウソやゴマカシを何度も聞かされました。そういう連中が市民に対する強力な権力をもっています。

腐敗しない権力はないのですから、腐ったら取り除く、それができるようなシステムに変えないといけません。もっとも腐りきっているのは官僚組織であるの間違いありません。三権分立は建前上、その権力をお互いに抑止するためのものでした。事実は、行政官僚がトップのヒエラルヒーを為し、政治と司法はその提灯持ち、マスコミを税金ベースの政府広報で飼いならして国民洗脳を請け負わせる(竹下前市長いうところの)四権連立です。

これらのことがここまであからさまになった以上、国民は意識の転換が必要です。政治家が説明できず変節するのは、彼ら自身が無能で自己中心的だという理屈だけで説明するのは困難です。むしろ、コロコロと首相が変っても同じことが繰り返されている現実は、日本の政治的無能はシステムそのものに問題があると考えるべきだし、事実、それを支持する数々の証拠を私たちは持っています。まずは、真の意味で、日本は法治国家ではない、日本は民主主義国家ではない、日本は独立国ではない、(故に、日本の統治システムは国民の利益や幸福を必ずしも目指していない)、これらの小学校で教え込まれることとは反する現実を直視すること、その現実に基づいて、現象を解釈する必要があると私は思います。 

民主党は自民党と連合する勢力と、小沢・鳩山派に別れた方がいいと思う。
つねづね申し上げているとおり、民主党は自民党の旧田中派の流れを汲み、自民党は旧福田派のアバターである。
増税・原発再稼働・TPPに賛成、新自由主義、対米従属、「選択と集中」、競争と格付け、飴と鞭、勝ち組への資源集中による国際競争の勝利は福田派の綱領である。
増税・原発再稼働・TPP反対、一億総中流、都市と地方の格差解消、バラマキ、一律底上げ、対米自立は田中派の綱領である。
両派の考え方は、鄧小平と毛沢東くらいに違う。

 与党が、最初から明らかにイデオロギー的に分裂していて、その政策の統一さえとれないという異常な状態は、私、あまり記憶にありません。というか、ドジョウなど反小沢勢力は、最初から政治主導や行政改革などを目指していたのではなく、当時代表の小沢氏の政策に迎合することが与党になれる唯一の道だから、とにかくウソを語ってでも与党になって、それから小沢氏を切ればよい、そう思っていたのでしょう。早い話が変節したのでもなんでもなく、権力を握るためには実力者に媚び、ウソでもペテンでも何でもする、そのポリシーは、多分一貫していたのでしょう。彼らには目指すべきイデオロギーもマニフェストも最初から「なかった」のでしょう。

選挙の時の公約によって民意によって政権を任され、その民意に答えようと少なくとも努力した小沢、鳩山派が、どうみても正当派であり、与党になってから権力欲しさに露骨に小沢切りを行ってきた現執行部こそがクーデター軍です。民主党の分裂のこの解釈に異論を唱える人はあまりいないでしょう。クーデター軍の連中は勝てば官軍と考えているのでしょうが、その意識そのものが民主主義を否定するものであり、自分たちが選挙で選ばれてその結果として現在の地位にいるという己の存在そのものを自己否定するものだと私は思いますが、連中はそんな自覚は皆無でしょうね。

始末におえないのはこのクーデター派は、旧自民党派閥の経世会系と清和会系、対米自立と対米隷属という宗主国アメリカに対する立場の差によって別れている戦後の主流政治の系列からはみ出していて、とにかく何でも自民党や与党の言う事に反対することだけをレゾンデートルとしてきた、野党根性の染み付いた連中だということです。批判はできても主導はできない、歴史的観点から日本という国家をみる大局観がない、箸休めにはなってもアントレにはなれない、そういう連中であるということです。

過去の経世会系の政治家と清和会系の政治家を眺めてみましょう。Yahoo知恵袋にある「どうして『経世会』って東京地検から嫌われているのでしょうか?」という質問は笑えます。角栄はロッキードを仕掛けられ失脚、竹下はリクルート事件、金丸は佐川急便事件を仕掛けられ失脚、小渕は脳梗塞(不審死)、橋本龍太郎は日歯献金事件、鈴木宗男は収賄、 最近では中川昭一の不審死、そして陸山会事件、西松献金事件と立て続けのでっち上げ事件を仕掛けられた小沢一郎。一方の清和会系、即ち、対米従属、官僚お任せ主義の連中は誰も、特捜や国税庁に事件を仕掛けられたことはありません。鳩山氏も政治主導で沖縄基地問題に意欲を示した瞬間、 母親からの違法献金疑惑を仕掛けられました。歴史から明らかなことは、対米独立と脱官僚依存を口にすると身が危ないということであり、それを折りにつけ見せつけられてきた現民主党執行部の連中は、アメリカとその出先機関の日本官僚組織に逆らうことを第一の禁忌としてきたということでしょう。彼らが浅ましくも、国民を裏切り、マニフェストを全部反故にし、自民党の修正案を丸呑みにしても増税法案提出を急ぎ、収束もしていない福島原発事故を収束したと強弁し、大多数の国民の反対を押し切ってでも原発を再稼働しようとするのは、そうしないと自分の身が危ないからであり、そうすることでいろいろ見返りがあるからでしょう。つまり、アメとムチにパブロフの犬のように反応しているだけの存在だということだと思います。

ですので、私も民主党は分裂しなければならないし、徹底的に条件付けされてパブロフ犬なみの反応しかできないドジョウのような脳死人間が政治家をするべきではないと思います。

コメント (1)
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