学会から帰ってきました。ま、特に面白い話はありませんでしたが、昔の知り合いと色々話しができてよかったです。4人の知り合い別々に、今のところを出て移ったほうがいいと言われてしまいました。岡目八目なのでしょうかね。そして、その後10年ぶりに会った人からも、子供が大学に行ったのを機会に大学を移ったという話をされました。研究のスタイルや方向性を変えようとしているので、ちょっと真面目に考えてみようかなと思った次第です。
さて、学会中に色々、嬉しいニュースがありました。
本庶先生のノーベル賞。これで、Tさんとのバランスが取れてよかったという気がします。私、免疫は素人で、本庶先生の話を生で聴いたのは、随分前に一度だけです。その時、先生は、確か、B cellのsomatic hypermutationのメカニズムの話をされ、当時、AIDと呼ばれていたcytosine deaminaseがDNAのCからTへのtransitional mutationを誘導するのに、RNAが介在しているという話をされていたように覚えています。AIDが直接DNAのcytosine deaminationをおこすという学説が主流な中、RNAの関与を示すデータを示されていました。その後、私はこの論争をフォローしていないので、どう決着がついたのか知りません。この話が印象に残っているのは、このdeaminaseをAIDと名付けるときに自分の名前(たすく)を忍び込ませたとのエピソードを知ったからです。deaminaseによる遺伝子変化メカニズムの発見は、現在のCRISPR/nCas9を使った"base editor"やlineage tracingの技術にもつながっていると思います。
今回のノーベル賞はクラススイッチやAIDに関してではなく、免疫寛容分子の発見に対してですが、この分子の同定は野心的な大学院生の努力の成果だと聞いています。優秀な弟子が育つのも優秀な指導者ゆえでしょう。ノーベル賞になったのは、この免疫チェックポイントのメカニズムを共同受賞者のJim Allisonががん治療に応用した研究が実用化されたからでしょう。Allisonのラスカー賞が2015年ですから、ノーベル賞は想定内。Jim Allisonは去年に生で聴く機会がありました。見た目は冴えないおじさんです。しかし、免疫のチェックポイントを外すことによってがんを治療するというideaの非凡さとそれが著効を示したという驚くべき結果は印象的でした。がん細胞そのものをターゲットにしてきた従来のがん治療には、細胞が耐性を獲得するという問題があります。免疫療法は以前からありましたがその効果は疑問符がつくようなレベル、抗PD1抗体や抗CTLA4抗体の出現により、そのがん細胞には一切直接タッチせず、がん免疫のブレーキを意図的に外すことによってがんを治療するというがん治療のパラダイムを変えました。
Jim Allisonはハーモニカ演奏者でもあり、他の免疫学研究者とバンドを組んで学会の余興で演奏している様子がYoutubeにあります。そのブルースロックのバンドは、その名も「The Checkpoint」。
関連して、前回にも取り上げた今年のラスカー賞は9/20のCellのフロントページで取り上げられていました。賞の選考委員であったJoe Goldsteinが、「科学と芸術作品をマスターピースとするものは何か」というタイトルでコメンタリーを書いています。Goldsteinはコレステロール合成経路の解明で随分前にノーベル賞をもらっていて、一、二度、話を聞いた覚えがあります。その南部訛りの英語もあってか、ちょっと何を考えているのかよくわかりにくい人だなと思っていました。今回のCellのコメントでもなかなか本題に入らず、3ページにわたって数人の画家やイラストレーターの作品の解説を写真付きでやった後、本題の賞についてはチョロチョロと付け足したというような感じで、結局のところ、この芸術解説とラスカー賞の関連はさっぱりわかりませんでした。ヘンなおじ(い)さんです。それにしてもCellのフロントページで漫画と絵の解説を読んだのは初めてです。
さてもう一つ、嬉しいニュースはなんといっても沖縄知事選での玉城さんの勝利です。公明党の1/4が玉城氏に投票したというデータもあり、中央と沖縄、もっといえば公明党と創価学会との乖離が現れているように思います。風向きは完全に変わりつつあります。カツカレーの乱といい、この創価学会の乱といい、アベが消える日も遠くはなさそうです。
鮫島浩さん@SamejimaH
民主政治を破壊している安倍政権に唯一真正面から異議を唱えブレーキをかけているのが沖縄の民意であるという事実を、与党も野党も司法も霞が関もマスコミも直視すべきだ。私たちは沖縄に負担を押し付けているばかりか沖縄にギリギリのところで救われているかもしれないのだ。
志位委員長@shiikazuo
玉城デニー候補の勝利は、首相官邸が主導し、国家権力を総動員して沖縄県民の民意を押しつぶそうとした安倍政権に対する痛烈な審判ともなりました。、、
きっこさん@kikko_no_blog
今回の沖縄県知事選で当選した玉城デニー氏が獲得した「39万6632票」という得票数は、沖縄県知事選での「過去最高の得票数」を記録した。つまり、過去最高の民意が「辺野古に新基地はいらない」と訴えたのだ。アメリカの顔色ばかりうかがっている安倍政権は、この選挙結果を真摯に受け止めるべきだ。
民意を踏みにじられ、最初は日本政府に戦争の捨て石にされ、それからアメリカに土地を取り上げられ、占領され、以降、ずっと基地の負担を押し付けられ、日本の法律では裁けない米兵の犯罪と米軍の危険にさらされてきた沖縄は、その不条理と政府の無法を一番知っています。もし、これで選挙が自民の知事になっていたら、と思うとつくづく、ぞっとします。日本が民主主義国家でいられるかファシズムの独裁国家となるかの分水嶺の選挙であったと思います。
さて、学会中に色々、嬉しいニュースがありました。
本庶先生のノーベル賞。これで、Tさんとのバランスが取れてよかったという気がします。私、免疫は素人で、本庶先生の話を生で聴いたのは、随分前に一度だけです。その時、先生は、確か、B cellのsomatic hypermutationのメカニズムの話をされ、当時、AIDと呼ばれていたcytosine deaminaseがDNAのCからTへのtransitional mutationを誘導するのに、RNAが介在しているという話をされていたように覚えています。AIDが直接DNAのcytosine deaminationをおこすという学説が主流な中、RNAの関与を示すデータを示されていました。その後、私はこの論争をフォローしていないので、どう決着がついたのか知りません。この話が印象に残っているのは、このdeaminaseをAIDと名付けるときに自分の名前(たすく)を忍び込ませたとのエピソードを知ったからです。deaminaseによる遺伝子変化メカニズムの発見は、現在のCRISPR/nCas9を使った"base editor"やlineage tracingの技術にもつながっていると思います。
今回のノーベル賞はクラススイッチやAIDに関してではなく、免疫寛容分子の発見に対してですが、この分子の同定は野心的な大学院生の努力の成果だと聞いています。優秀な弟子が育つのも優秀な指導者ゆえでしょう。ノーベル賞になったのは、この免疫チェックポイントのメカニズムを共同受賞者のJim Allisonががん治療に応用した研究が実用化されたからでしょう。Allisonのラスカー賞が2015年ですから、ノーベル賞は想定内。Jim Allisonは去年に生で聴く機会がありました。見た目は冴えないおじさんです。しかし、免疫のチェックポイントを外すことによってがんを治療するというideaの非凡さとそれが著効を示したという驚くべき結果は印象的でした。がん細胞そのものをターゲットにしてきた従来のがん治療には、細胞が耐性を獲得するという問題があります。免疫療法は以前からありましたがその効果は疑問符がつくようなレベル、抗PD1抗体や抗CTLA4抗体の出現により、そのがん細胞には一切直接タッチせず、がん免疫のブレーキを意図的に外すことによってがんを治療するというがん治療のパラダイムを変えました。
Jim Allisonはハーモニカ演奏者でもあり、他の免疫学研究者とバンドを組んで学会の余興で演奏している様子がYoutubeにあります。そのブルースロックのバンドは、その名も「The Checkpoint」。
関連して、前回にも取り上げた今年のラスカー賞は9/20のCellのフロントページで取り上げられていました。賞の選考委員であったJoe Goldsteinが、「科学と芸術作品をマスターピースとするものは何か」というタイトルでコメンタリーを書いています。Goldsteinはコレステロール合成経路の解明で随分前にノーベル賞をもらっていて、一、二度、話を聞いた覚えがあります。その南部訛りの英語もあってか、ちょっと何を考えているのかよくわかりにくい人だなと思っていました。今回のCellのコメントでもなかなか本題に入らず、3ページにわたって数人の画家やイラストレーターの作品の解説を写真付きでやった後、本題の賞についてはチョロチョロと付け足したというような感じで、結局のところ、この芸術解説とラスカー賞の関連はさっぱりわかりませんでした。ヘンなおじ(い)さんです。それにしてもCellのフロントページで漫画と絵の解説を読んだのは初めてです。
さてもう一つ、嬉しいニュースはなんといっても沖縄知事選での玉城さんの勝利です。公明党の1/4が玉城氏に投票したというデータもあり、中央と沖縄、もっといえば公明党と創価学会との乖離が現れているように思います。風向きは完全に変わりつつあります。カツカレーの乱といい、この創価学会の乱といい、アベが消える日も遠くはなさそうです。
鮫島浩さん@SamejimaH
民主政治を破壊している安倍政権に唯一真正面から異議を唱えブレーキをかけているのが沖縄の民意であるという事実を、与党も野党も司法も霞が関もマスコミも直視すべきだ。私たちは沖縄に負担を押し付けているばかりか沖縄にギリギリのところで救われているかもしれないのだ。
志位委員長@shiikazuo
玉城デニー候補の勝利は、首相官邸が主導し、国家権力を総動員して沖縄県民の民意を押しつぶそうとした安倍政権に対する痛烈な審判ともなりました。、、
きっこさん@kikko_no_blog
今回の沖縄県知事選で当選した玉城デニー氏が獲得した「39万6632票」という得票数は、沖縄県知事選での「過去最高の得票数」を記録した。つまり、過去最高の民意が「辺野古に新基地はいらない」と訴えたのだ。アメリカの顔色ばかりうかがっている安倍政権は、この選挙結果を真摯に受け止めるべきだ。
民意を踏みにじられ、最初は日本政府に戦争の捨て石にされ、それからアメリカに土地を取り上げられ、占領され、以降、ずっと基地の負担を押し付けられ、日本の法律では裁けない米兵の犯罪と米軍の危険にさらされてきた沖縄は、その不条理と政府の無法を一番知っています。もし、これで選挙が自民の知事になっていたら、と思うとつくづく、ぞっとします。日本が民主主義国家でいられるかファシズムの独裁国家となるかの分水嶺の選挙であったと思います。