百醜千拙草

何とかやっています

誰かが尻拭いをしないといけない

2019-11-19 | Weblog
私、若いころは、自分の周りのことにしか興味がないお気楽ノンポリ学生でした。創価学会のクラスメートが選挙の時に誘ってきても、選挙など紅白歌合戦みたいなもので、どっちが勝ったところで、政治を実際に仕切っているのは官僚なのだから、意味のないことだ思っていました。それから随分たって、英語もマトモにしゃべれないブッシュの前でプレスリーのモノマネをしてご機嫌をとった小泉の政権ぐらいから、これは、ちょっとおかしいぞ、と思い出しました。日中国交正常化でキッシンジャーを怒らせた田中角栄の末路を見て思うところがあったのでしょうな。そして、政権交代への機運が高まってきたころに、陸山会事件がおこりました。選挙前に、最大野党の党首を露骨に狙った事件で、詳細をみれば、検察がありえないような罪状で起訴し、それをマスコミが針小棒大に報道して、小沢一郎があたかも悪人かのような強力な印象操作を繰り返したデッチ上げ事件です。当時、それを仕組んだのが、政権交代を阻もうと、今やボケ老人と化した自民党の「寝業師」だとの噂。
 それで、永田町は、学校で習ったことや教科書に書いてある建前とは全く異なるメカニズム(欲と嫉妬)で動いており、政治の現場はヤクザ顔負けの無法地帯だということを新ためて知ってしまったわけです。ちょっと調べれば、陸山会事件は稚拙なデッチ上げとわかりますが、日々の生活に忙しい普通の人は、こんな子供騙しでも、TVや検察が堂々とウソを言うはずがないと思っていますし、事件の詳細をいちいち調べたりすることはないですから、容易に印象操作に乗せられてしまうのでしょう。アメリカのTVの選挙広告では対立候補をひたすら貶すレベルの低いネガティブ キャンペーンを流しますけど、結局、それは実際の効果があるからです。子供騙しのでっち上げ事件でも、マスコミがもっともらしく報道すれば、そんなものか、と思うのが一般人だ、と連中は一般国民を舐めきっているのです。アベも同じことで、あれだけの不正、犯罪を繰り返し、ウソをつきまり、証拠を突きつけられても認めず、恥も外聞もなく、権力の座にしがみついているのは、国民を舐めきっているからでしょう。恥さえ捨てれば怖いものはない、と思っている。もっともアベの場合は「恥」という概念が最初から欠けている可能性の方が高いですけど。

しかし、「政治は権力闘争でなんでもありの世界、汚いのも仕方がない」と言って、国民が放置していては、先進国でも民主主義国家でもありません。その汚いものを、原理原則に則って、掃除してく不断の努力によって民主主義、つまり、国民の権利が守られます。その重要な役割の一部をになっていたのが、マスコミでしたが、もはや保身と金儲けしか頭にない彼らに良心を期待するべくもなく、、、。

私が、延々とアベ政権を批判するのは、そういう理由です。その掃除に微力でも役に立ちたいと思っています。官邸からの圧力でTVも新聞の多くもマトモに報道しない、政権にまずいことがあると、泳がせておいた芸能人を脱税や薬物使用で逮捕させて、ニュースで騒ぎ立て、煙幕に使う、という使い古された手が何度も繰り返されています。
私がアベを批判するのは、大げさに言うと、社会的責任感からであって、アベが「憎い」とかいうよう個人的な感情からではありません。客観的に見て、私は、アベを歴代総理中、たぶん、最も不誠実で、ずる汚く、思考能力に乏しく、己の仕事を理解しておらず、善悪の区別や高潔さという概念を知らず、そのくせ、無責任きわまりない、つまり人間のクズである、と評価しており、アベ政権が破壊してきた社会システムと失われた国富、アベ個人の保身とアベ友の利益のために大勢の人々が被った被害のことを思うと、アベに対して、非常なる「怒り」を抱いています。「憎い」のではなく、「怒って」いるのです。アベが日本の民主主義、立憲主義、社会システム、そして国民の生活を破壊してきたことに対して怒っています。

アベを支持している人は、「国会ではもっと重要な議題を論じてほしい」と逆に野党を批判したりしますが、この事件や、モリカケは、国家の基幹、民主主義国家の原則に関わる重大事であるという認識に乏しいような気がします。政治の第一の仕事というのは、集めた税金の使い道を決めることです。アベのやってきたことは、集めた税金を自分と自分の仲間だけが得をするように、不正に私物化してきたということです。政治家としては、論外のことをやり続けてきたのです。「桜を見る会」やモリカケは氷山の一角にすぎないです。

モリカケで、あれだけの証拠を突きつけられても、官僚や司法を懐柔し、恥も外聞もなくごまかし続ければ、逃げ切れると思っていたであろうアベですが、今回の事件は、これまでとちょっと違っています。これまで、官僚に文書を改ざんさせ、都合の悪いものは黒塗りにし、情報は破棄したとウソをいい、ハードディスクはドリルで破壊する、子供騙しとわかっていても、情報元と結託していたので、証拠を得るのが困難でしたが、今回の花見は、数えきれない参加者が個人的に発信してきた情報の多くが、アベの不正を証拠づけています。関係者は慌ててSNSのエントリーを消しまくっているそうですが、手遅れです。証拠が大量にパブリックドメインに晒されている、だからこそ、野党も力を入れて追求しています。これで、アベに逃げられたら、日本は先進国、民主主義国家としては終わるでしょうし、そうなると、諸外国からは、日本は後進国の要注意国のレベルを貼られるでしょう。というわけで、私はこの花見事件、国会で追求すべき最も重要な議題であると思います。

また、まだアベを支持している人は、よく民主党政権は悪夢だ、野党よりマシだといいます。アベが壊してきた社会のシステムは、それが直接、目に見えにくいので実感に乏しいかも知れませんが、民主党政権の比ではないです。さらに、政治実績という点で、客観的に数字をじっくり比べてもらいたいと思います。民主党政権の方がこのアベ政権よりも総じてはるかにパフォーマンスはよいです。確かにカンや野田は悪夢でした。どう見ても育ちがよくてお人よしの鳩山氏が、海千山千の永田町と霞ヶ関の魑魅魍魎に手玉に取られて、散々に辺野古問題でマスコミにネガティブ キャンペーンを張られ、外務官僚にウソを吹き込まれて、辞任に追い込まれたのを見て、カンと野田は保身に走り、消費税増税を進め、シロアリ退治なき大政奉還を行い、民主党政権は大いなる失望のうちに終了しました。アベは二言目には民主党政権を批判しますが、政策面だけを見てもそもそもアベは彼らよりもはるかに出来が悪いわけです。そもそも、失われた30年間のうち、27年は自民党政権です。対米隷属によってそもそもこの日本の凋落を加速させたのは小泉政権であり、さらにトドメを刺そうとしているのがアベ政権です。

「怒り」に加えて、アベに対しては「情けない」と言う思いが混っています。喩えていうなら、出来の悪い息子の塾の授業料を稼ぐために、生活を切り詰めて残業しているのに、当の息子はその金で遊び廻った挙句、テストで軒並み0点を取ってきた時の脱力感に近いですね。そして、このバカ息子は、反省するどころか、悪さを誤魔化し、人を脅し、嘘をついて盗むと、とことん性根が曲がっているのです。それを堂々とやられた上、説教しようとするとウソをついて責任転嫁、意味不明のことを並べ立てて時間切れを狙い、ちょっと強く言うと逆ギレする、となれば、普通はどうしますかね。「勘当する、もう知らない」で済みません。すでに、米露中から徹底的にカモにされ、コケにされ、バカにされ、国民の税金をむしり取られ、北方領土が永久にロシアのものとなり、FTAで日本の農業に壊滅的打撃を与えつつある状況です。外交で徹底的に無能を晒し国益を損じただけでなく、内には、収束の見込みのない原発事故、止まるところを知らない貧困化に少子化と、他の先進国が経験したことのないレベルの困難に面しています。仮に今、アベが消えたところで、アベが作り出した眩暈がするようなダメージの数々の回復には途方もない努力が必要でしょう。結局、「誰か」が必死にその尻拭いをしないといけません。結果、何十年にもわたって国民がそのツケを払うことになります。

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