水曜の朝、去年買ったMacBook Airが静かに死んでいました。前日までふつうで、いつものようにスリープさせて、翌朝、立ち上げようとしたら反応がありません。一通りの蘇生を試みた後、アップルサポートに電話して、一緒にトラブルシュートを試しましたが、結局、店頭での検査と修理が必要という結果になりました。月曜日に締め切りのある書類を8割方完成させたあとで、今週中に仕上げる予定でしたが、その書類やデータをクラウドに保存していませんでした。
最近、多くのものがサブスクリプション ベースとなり、端末に情報やソフトを保存することが少なくなりました。端末が身軽になり、場所を選ばずに情報にアクセスできるという利点は十分わかるのですけど、逆に言えばネットにつなげることができなければ、利点は欠点になります。また、ネットだとセキュリティーの問題で、煩雑なパスワードや認証過程が面倒だったりすることもあって、私は普段はローカルに保存して、適当なところでバックアップをするという昔ながらのやり方で管理しています。
お金に関しても似たところがあって、私もいまでこそ、長らく現金で買い物をしたことがありませんけど、昔はカードがもしも使えなかったらと不安でいつも現金を持ち歩いていました。コンピューターに関しても、慣れの問題であろうとは思いますけど、サブスクリプションでソフトを使い、情報をクラウドに保存するライフスタイルは、ローンで生活必需品を揃えるような危うさを感じます。うっかりしていたら、ある日、突然、ガスや水道が止まってしまったみたいなことがおこるのは嫌です。とはいうものの、いまやハードは廉価となりましたから、ソフトの保護を優先したコンピュータの使い方に慣れていくべきなのだろうとは思います。
それで、半日を費やして、三度、アップルサポートに電話して、もっとも早く修理の予約ができる店を探したのですけど、それでも結局、土曜日までまたないといけなくなりました。そうなると、仮に土曜日の当日に直ったとしても、締め切りギリギリになりそうなので、あきらめて書類を最初から作ることにしました。画像の切り貼りと構成に一日、文章を書いて、推敲するのに半日、しかしもっとも大きなロスは、初日のアップルサポートや修理店とのやりとりで費やした時間のように感じます。
というわけで5年前のバージョンのMacBook Airの再登場となりました。このマシンは一度も壊れたことはなく、Big Surに入れ替えてからも快調なので、なんとかなりそうです。一応、念の為、サーバーにデータを送っておくことにします。