tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

ホッケー日本リーグ女子2011(Topic)

2011年05月23日 | お知らせ
5/20(金)、「高円宮牌(たかまどのみやはい)2011 女子ホッケー日本リーグ」が開幕した。第一節(5/20~22)では、天理市の親里ホッケー場で6試合が行われる。私は昨日(5/22)、南都銀行vs天理大学 の地元対決を観戦してきた。

私は昨年(2010年)の1年間、土日には平城宮跡でツアーガイドのボランティアをやっていので、1度も観戦していないし、写真も撮っていない。久しぶりにカメラを構えても、なかなかカンがつかめなくて苦労した。


チームの要・東選手

試合結果は今朝(5/23付)の奈良新聞に写真入りで大きく紹介されていた。見出しは「南都銀が天理大下す」。《ホッケーの高円宮牌日本リーグ女子第3日は22日、天理親里ホッケー場で2試合を行い、県勢の直接対決は南都銀行が天理大に1-0で競り勝ち、2勝目を挙げた。互いにPCを決められず無得点で迎えた後半、南都銀行は中川らのパス交換を軸に高谷、沼尾、為藤が積極的に両サイドから攻撃。同14分に得たPCで東のシュートは阻まれたが、リバウンドを真鍋が強烈にヒットして先制点。その後もペースを譲らず天理大を破った》。


ドリブルで攻める中川選手

PCとは、ホッケー独特のセットプレーのことである。Wikipedia「フィールドホッケー」によると《ホッケー特有のセットプレーにペナルティーコーナー(PC)がある。守備側の選手が自陣サークル内で反則をしたとき、あるいは22.9メートルライン以内で故意の反則をしたときに、攻撃側に与えられる。攻撃側は自由に人数を割けるのに対し守備側はゴールキーパー含めて5人で守らねばならず、攻撃側にとっては大きなチャンスとなるプレーである。PCをどれだけたくさん奪えるか、また奪ったPCをどれだけの確率でゴールに結び付けられるかがホッケーの攻撃においては一つの鍵となる》。

南都銀行チームは創部以来、今年で30年目のシーズンを迎えた。同チームはこれまで「守りに強い」というイメージだったが、この試合では果敢に攻めて、相手ゴールを脅かしていた。今年は大いに期待できそうである。一方の天理大学チームも、得点はできなかったが、走りも連係プレーも、見事だった。

今年の日本リーグは10/16(日)までの長丁場である。強豪2チームを抱える奈良県は、「ホッケー王国」と呼ばれる。両チームには、大暴れしていただき、「奈良にホッケーあり」を全国にアピールしてほしいと思う。
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あるくん奈良 まちなかバル(第2回)を満喫!

2011年05月22日 | グルメガイド
昨夜(5/21)、第2回「あるくん奈良 まちなかバル」(略称:まちバル)に参加した。5/20(金)~21(土)は職場の慰安旅行だったので諦めていたが、スケジュール表をよく見ると「午後6時 近鉄奈良駅前帰着」とあったので、急いで金曜日にチケットを買い、土曜日には朝からお酒を断って初参加のまちバルに臨んだのである。チケット(3千円)は5枚綴りで、5つのお店の飲み物と一品を楽しむことができる。

イベントの様子は、すでに鹿鳴人さんがご自身のブログに「まちなかバル初日」 「まちなかバル2日目」 および「つづき・まちなかバル2日目」という記事を掲載されているし、togetter(twitterのまとめもの)にも「あるくん奈良まちなかバル2011/5/21」がアップされている。



以前(5/16)当ブログに、横田さんからこんなコメントをいただいた。《ハシゴしやすいのがポイント。そしてリピーターに》《「ちょっと飲み」に行くのですが、大概の店では席料がかかるんですね。探検がてら、お店のハシゴをして楽しもうとすると、けっこうばかにならないものです。結果として、ハシゴしてみる気が減退するものですが、このチケットなら「混雑したら席をあけてね」という了見が双方で持てる事も加えて、気楽にハシゴできるようになる点は期待したいです。その中から気にいった店が見つかれば、通常期にも足が向くようになるでしょう》。

おお、そうか、こういう飲み方ができるのだ、と目からウロコだった。私は「おなじみの店が提供する特別メニューをいただこう」という程度に思っていたからだ。考えてみると近鉄奈良駅周辺には、未訪問だったり、訪問しながら当ブログに取り上げていない店がある。私は「お洒落なビストロ」とか「ワインの美味しいレストラン&バー」というジャンルは、あまり得意ではないし、ワイン自体があまり好きではない。とにかく安くて美味しい店、日本酒のある居酒屋・焼鳥屋が好みなので、ついつい敬遠してしまうのである。まちバルの「バルマップ」を見ると、こういうお店がたくさんある。今回は、そんな「とりこぼしていた名店」を一挙に紹介させていただく。


酒食楽(さくら)横丁の様子(5/21)。おぜんさんのブログから拝借

重い旅行カバンとお土産を預け、カメラ片手にまず訪ねたのは、もちいどのセンター街駐車場に設けられた「酒食楽(さくら)横丁」。「よばれや」「PEPITA D'ORO(ペピタドーロ)」「RAHOTS a table(ラホツ アターブル)」「今西清兵衛商店」などが屋台を出店されていた。櫻井大貴さん(今西清兵衛商店)や魚谷和良さん(魚万)にもお会いしたが、ここは見学だけと決めていたので挨拶だけにとどめ、目的地に向かった。



1番目の訪問先は小西さくら通り商店街「Wine&Cafe Dining さくら町バール」。グルメWalkerによると《奈良の地元食材にこだわた和×伊×仏の創作料理に舌鼓》《ラグジュアリーな大人の空間ながら、洋風お惣菜タパス260円から、グラスワイン360円からの安さで、気軽に楽しめると、早くも界隈で評判に。自家菜園の有機野菜や大和地鶏、大和ポークなど、地元食材にこだわった料理は、和食、フレンチ、イタリアンのシェフが生み出す、素材使いの妙が冴える創作料理で、定番のピザやパスタから、和牛や子羊、旬の魚介類を使った本格メインディッシュまで充実。エントランスから連なるワインセラーも圧巻で、県下最大級の1200本を越える世界各国のボトルを常時ストック》とある。



ちゃんと写真が撮れるかと心配したほど、暗くて「ラグジュアリーな大人の空間」である。周囲はカップルか、女性のグループ。ここのバルメニューは「グラスワイン(赤、白またはスパークリング)、生ハムと自家製サーモンマリネ」。ただし生ハムは品切れだったようで、サラミソーセージに代わっていた、飲み物は、スパークリングワインをいただいた。朝から吉野山、御所市、五條市と渡り歩いたので、ノドはカラカラ。冷たいワインで一挙に元気が出てきた。サーモンは厚切りで、とてもトクした気分だ。



2店目は斜め向かいの「Dining&Cafe fis(フィス)」(=トップ写真)。ここは以前、オープン直後に訪ねたことがある。飲み放題付きの歓送迎会だったので、味はほとんど覚えていない。ぐるなびによると《近鉄奈良駅徒歩1分 fisはフランス・イタリア・スペイン各国料理を本格的に、しかもリーズナブルに気軽に食べて頂けるお店 地元食材を使ったタパス(小皿料理)は380円から お一人様バー利用から100名様パーティーまで幅広く対応致します》《新年会・歓送迎会なら「広い」「美味しい」「便利」のfisで 新年会・歓送迎会・法人様宴会など、ご予約受付中!お料理はパーティープランをご覧ください》。とある。



お店はカウンター中心の1階と2階に分かれている。隠れ家的雰囲気だが、2階が広いので、各種パーティに便利に使える。バルメニューは「タパス(スペイン風小皿料理)とグラスビールまたはグラスワイン」。ここではビールをグイッといただいた。タパスは、笹身のスライスとスペイン風だし巻き卵で、これも美味しくいただいた。



3店目は趣向を変えて、なら青丹彩ビル地下にある「大和酒Bar 酒商・のより」奈良三条店へ。ここは午前10時~午後10時まで営業(無休)している立ち飲み屋さん(椅子席あり)だ。バルマップには《県内9蔵の直送限定酒を揃えて、ご来店をお待ちしています・[バルメニュー]風の森純米 秋津穂150mlと酒粕チーズのミニ春巻き風》とあった。風の森峠を越えて奈良に帰ってきて、再び「風の森」(御所市・油長酒造)に出会うとは、奇遇であった。



このお酒が、なんとほぼ1合(150ml)もついてくるのである。野依さん(奥さん)に「大サービスですね」と申し上げると「3軒目ですから、まだまだ大丈夫でしょう?」と見透かされてしまった。チケットに番号が振ってあるのだ。風の森は、中くらいの重さのフレッシュなお酒だ。メニューを見ると、あの「曽爾高原ビール」があったので、早速、ピルスナー(650円)と、ミックスナッツ(150円)を注文した。奈良県が誇る地ビール・曽爾高原ビールとは、久々のご対面だった。ミックスナッツも器にたっぷり入っていて、これは良心的だ。

棚に奈良検定のテキストや奈良の昔話があったので、少し話してみると、奥さん(桜井市のご出身)は、相当の古代史通であった。今度はN先輩とか、ソムリエ仲間も、お連れしなければ。広々としていて値段も安いし、ここは奈良通のたまり場になるかも知れない。奥さんに「早くから『まだtetsudaさんが取材に行ってないの?』と聞かれていました」と言われてしまった。私は「今日が初めててです。ちゃんと紹介しておきます」とお答えしておいた。奥さん、こんどはもっと丁寧に取材しますので。



4店目は、女子大通り(東向北通り)まで遠征し、「創作ダイニング カシュガシュ」へ。ぐるなびによると《【女性にも大人気!!アジアのお料理をベースにした創作料理です。辛い物が苦手という方にも食べやすくアレンジしております》《バリハイ、チャーンなどアジアの輸入ビールがオススメ!ランチタイム"黒米のフルーツカレー"650円、ランチ"は680円!お得なコースは2100円から!「ぐるなび」限定のお得クーポンも》。



《第2回まちなかバル参加します! 今年のカシュガシュのバルメニューは 生ビールとベトナム風揚げ春巻き&生春巻きのセットです。通常はないメニューなので、この機会にお試しください!》。入店時(午後8時前)には満席だったが、少し待つと席が空いた。周りはカップルと若い女性ばかりで、まちバルがなければ、決して足を踏み入れなかったことだろう。しかしアジアン・エスニック調の面白い店である。写真がベトナム風揚げ春巻き&生春巻きで、これはイケる。いちど仲間を連れて「正式に」お訪ねしなければ。



ラストの5店目はお隣の「魚・創作料理 花しば」。以前から美味しいと聞かされていたが、客層が若いめなのでためらっていた。バルマップによると《奈良で新鮮で旬の魚といえば“花しば”。店主の実家が創業85年の魚屋で、お造り、炭火で焼いた魚が好評です。魚と酒、1杯どうぞ。[バルメニュー]生マグロ炙り焼きと日本酒セット》。生マグロはボリュームたっぷり、日本酒(冷や酒)も正1合ある。

金曜日のまちバルに訪れた蔵武Sさんから、こんなメールをいただいた。《店主の実家が魚屋と言うことで話をすると、母親がよく買っていた法蓮の東京屋さんでした。県庁か南都銀行さんとおぼしき人でいっぱい。また行くつもりです》。グルメの蔵武Sさんの評価は高い。「食べログ」での評判も良かった。お店は女性グループやサラリーマンでほぼ満席状態。さらに特筆すべきは店員さんで、若い美人揃いであった。奈良女子大の学生アルバイトかも知れない。これは、ぜひ会社の連中に教えてあげなければ…。

旅行帰りのバスの中でじっくりと作戦を練っていたお陰で、5店とも、また行きたくなる名店揃いだった。「奈良にうまいものなし」などと陰口をたたく連中は、地元のこんな美味しい店を知らないのだ。こんなに楽しい「ちょい飲み食べ」の機会を与えてくださった「あるくん奈良まちなかバル」関係者の皆さんには、厚く御礼申し上げます。そして、第3回の開催を心待ちにしています!
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奈良発「ルソンの壷」 ! 5/22と29にオンエア(Topic)

2011年05月21日 | お知らせ
これはすごい! NHKの「ビジネス新伝説 ルソンの壷」では、2週連続で奈良県企業が紹介される。いずれも日曜朝、総合テレビ(関西)7時45分~8時10分の放送、再放送は水曜日の午前11時05分~11時30分である。   

5月22(日)「墨の技術を磨きぬけ」墨の技術を携帯電話等ハイテクに応用する、老舗墨会社の呉竹(奈良市)。

ゲストは呉竹社長の綿谷基さんである。「みどころ」(NHKのHP)には《奈良市にあるしにせの墨メーカー「呉竹」。昔ながらの方法で、墨を作り続けながら、墨そのものを科学。筆文字を手軽に書けるように、液体墨や筆型ペンなどヒット商品を次々と生み出してきた。最近ではパソコンなどの普及で書離れが進むが、墨で培った技術を、ハイテクの最先端、携帯電話の部品に生かすなど新規事業に力を入れ、売り上げをのばしている。墨の伝統を守りながら、新たな商品開発で成長する墨メーカーの挑戦に迫ります》と出ている。

5月29(日)「店の味請け負います」オーダーメイドに徹した卵焼き製造機を作る食品機械メーカー、品川工業所(田原本町)。
全自動卵焼き製造機のトップメーカーである。こちらはまだ詳しい情報が出ていない。5/22以降に、番組のHPで内容をチェックしていただきたい。
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五條文化博物館は、こんなに楽しい!

2011年05月20日 | 奈良にこだわる
市立「五條文化博物館」(五條市北山町930番地の2)が再オープンしたのをご存知だろうか。各紙に報道されていた。朝日新聞奈良版(4/27付)の見出しは「幻の五新鉄道、ジオラマで 五條文化博物館が再オープン」だった。《休館していた奈良県五條市北山町の市立五條文化博物館が5月1日、2年1カ月ぶりに再オープンする。中学生以下を無料にし、「幻の五新鉄道」のジオラマを置くなどして「子どもが楽しめる博物館」を目指す》。



《博物館は1995年にオープン。建築家の安藤忠雄氏が設計、「年輪」を連想させる円形の建物は「五條バウム」と呼ばれ、市の文化や歴史、祭礼などを資料や映像で常設展示した。しかし、JR五条駅から約4キロも離れ、路線バスがないため、来館者は年間5千人にとどまった。市の財政難もあり、2009年4月から休館していた》。


栄山寺八角堂内陣装飾を再現



《再オープン後は、勝部明生館長ら職員4人、学芸員3人、市民ボランティア25人で運営する。ジオラマは、五條市から和歌山県新宮市まで結ぶ計画だったが、トンネルや路盤の建設途中で廃止された五新鉄道が「もし完成していたら」の姿や、07年3月に廃止されたJR北宇智駅のスイッチバック、木材集積場、山林、町並みなどをボランティアが手作りする。制作途中を来館者に公開しながら、夏休み前に完成させる予定だ。ほとんど利用されてこなかった「円形広場」で影絵や創作ダンスのイベントも開き、来館者を2万人に増やすことを目指す》。


栄山寺八角堂

《登録有形文化財「藤岡家住宅」(同市)を運営するNPO法人「うちのの館」が指定管理者となる。田中修司理事長は「有効利用されていなかった設備などを市民の力で活性化させたい」と話している。開館時間9~17時(入館16時半まで)。入館料は高校・大学生200円、大人300円。月曜休館(祝日の場合は翌日)。問い合わせは博物館(0747・24・2011)へ》。


大日寺(だいにちじ)梵鐘

5/7(土)、帰省の途中に、この博物館に立ち寄った。五條市西部(金剛山南東麓)の山麓線(県道261号西佐味中之線)沿道にある。市街地ではないが、車で行くには便利なところである。「ばあく」(手作りハム・ソーセージ工房)も、この周辺にある。この道はよく通るが、博物館を訪ねるのは初めてである。ユニークな外観は、ヨーロッパのお城を思わせる。受付では、スタッフの方が親切に応対してくださった。


奈良検定頻出!猫塚古墳(五條市西河内町)出土・蒙古鉢形の眉庇付冑(まびさしつきかぶと)

朝の早い時間帯だったので、人は少なく、おかげでじっくりと見て回れた。入ったところが3階で、そこから2~1階と降りて行く。同館のHP(常設展のご案内)によると

3階 「五條文化の荘厳世界」というテーマで、五條市を代表する絵画「榮山寺八角円堂内陣装飾画」を中心に、天平時代はるか中国シルクロードに通じた文化遺産を紹介します。

2階 「五條文化の始まり」「五條の古墳時代」「都と五條」「五條地域の荘園と武士」といったように五條文化の歴史に沿って解説します。

1階 「近世の五條」「近代への胎動」といった解説を、実物や映像などで行います。その他、「陀々堂の鬼はしり」「御霊神社の祭礼」などを、実物や映像、文書などで解説します。


呼びものは「鉄道ジオラマ」である。完成は今夏だが、一部を見ることができる。週刊奈良日日新聞(5/7付)が「地元鉄道の模型スゴイ 親子連れら感動」と紹介している。《五條文化博物館が1日、2年の休館期間を経て再オープンを迎え、新たな目玉展示物になるJR北宇智駅のスイッチバックなどを再現する鉄道ジオラマに親子連れらが見入っていた。ジオラマはボランティアの手で6月下旬をめどに完成予定。同館は制作過程も楽しんでもらいたいとしている》。


JR五条駅

《同館は平成7年4月にオープン。世界的建築家の安藤氏が手掛けた円形の斬新なデザインが注目を集めたが、市財政状況の悪化により21年に休館となった。その後、新たに「NPO法人うちのの館」(田中修司理事長)が同館の指定管理者となり、スタッフらが手弁当で再オープンにこぎ着けた。当日、市内外から333人が来館。この日に合わせて用意した、吉野川に生息するウナギやナマズなど20種類の魚を集めた「山の水族館」や、関西唯一としてあったJR北宇智駅のスイッチバック、建設が幻となった「五新鉄道」の大掛かりな鉄道ジオラマに来館者の足が止まった》。



《ジオラマは半径7.2メートルの扇形で、有志ボランティアら十数人が制作、完成すれば県内最大となる。活動の中心として活躍している鉄道ファン歴40年の自営業、大谷秀樹さん(53)=和歌山県橋本市=は「北宇智駅のスイッチバックなど再現が難しいところもあるが、これを見て地元鉄道に興味を持ってもらいたい」と話している》。


武田 Hand Made コレクション

ジオラマの陰に隠れて報道すらされていないが、ここには面白いものがある。「武田 Hand Made コレクション」と銘打たれた鉄道模型である。大和高田市西町に住んでおられた故武田晴士(たけだ・はるお)氏が手作りされた200点以上の模型のうち、一部の鉄道模型が展示されているのである。国内だけでなく海外の列車もある。鉄道ファンならずとも、必見である。




今朝の週刊奈良日日新聞(5/20付)に、田中修司理事長へのインタビュー記事が載っている。聞き手は奈良日日新聞社代取の藤山純一氏である。田中氏は「五條の宝を地元が支えていかなければならないという思いから、市の指定管理者募集に応募しました」「最寄りのバス停から徒歩30分もかかるなど交通アクセスが非常に悪いという点も、大きな課題になっていることは事実です。しかし最大の課題は、地元の五條市民ですら博物館のことを知らなかったということだと感じています」。


武田氏が愛用した金槌

「わたしたちには藤岡家住宅の成功体験があります。この博物館運営でもその経験を生かして、地元住民の方々にボランティアなどで協力してもらえる枠組みづくりや仕掛けづくりをしています」「藤岡家住宅でもそうですが、わたしたちの最大のミッションは五條の宝物を次世代へ引き継いで残していくことです。だからこそ、この博物館の最も大切な来館者は子どもたちです」。

同紙には安藤忠雄氏からのお祝いメッセージも掲載されている。「この施設はもともと、博物館としての機能を満たすだけでなく、地域住民の文化的な核となり、人々が集い、語らう場として活用されることを期待して計画されました」「ぜひ、五條の子どもたちに大いに活用してもらいたいと思います。ここでの体験や学習を、しっかりと体に刻んで、豊かな感性を育ててほしい。また、博物館の再生が1つのきっかけとなって、今後も市民と行政が力を合わせていくことで、五條のまちがますます元気になっていくことを期待しています」。

五條の歴史や文化が自然と身につき、鉄道ジオラマや鉄道模型を楽しめる五條のワンダーランド、五條文化博物館に、ぜひ親子連れで足をお運びいただきたい。
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観光地奈良の勝ち残り戦略(47)ご当地グルメを発掘しよう!

2011年05月17日 | 観光地奈良の勝ち残り戦略
以前(3/13)当ブログで、 B-1グランプリ(B級ご当地グルメの祭典)で全国にその名をとどろかせた「富士宮やきそば」を紹介した。この焼きそばは、「食」による地域おこしの典型的な事例である。関満博・古川一郎編『「ご当地ラーメン」の地域ブランド戦略』(新評論刊)によると《近年、「B級グルメ」によるまちおこしが各地で取り組まれている。ラーメン、焼きそば、カレー、ハンバーガーなど、私たちの周りのごく普通の「食」に光が当てられ、人びとを楽しませてくれている》。


天ぷら飛鳥(ヤマトポークソースカツむすび)

《これまでのまちおこしと言えば、伝統的な地場産業の再生、企業誘致など、まなじりを決して取り組まれてきたものが多いが、「B級グルメ」によるまちおこし、地域産業振興は、そうしたものとはかなり様相が異なるように見える。多くの市民が参加できること、当事者は必死の面持ちであるにしても、どこかほのぼのとしたゆとりのある取り組みであることも興味深い。私たちの社会が、それだけ成熟してきたことの証(あかし)なのかもしれない》。



《大きな工場の誘致などによる雇用の創出などとは性格が異なるが、その人びとの輝きを見ていると、地域の活性化は雇用の増大、税収の増加ばかりでなく、人びとの「こころ」の問題でもあることを痛感させられる》。



かねてより、奈良で「食」による地域おこしができないかと考えあぐねていたところ、うまい具合に5/5(木・祝)、「ならB級グルメ決定戦」(主催:奈良市飲食店組合など)が開催されることになった。平城宮跡で開かれた「平城京天平祭」のイベントの1つで、出場チームは同組合所属の10か店。会場には約1,200人が訪れた。結果は以下の通りである。





1位「大和焼きそうめん」(目茶旨地鶏焼家ごちどり) 510票
2位「ヤマトポークの角煮 スティックフライ(揚げ春巻)」(Parum cafe) 258票
3位「ならもんあんかけ」(酒肴バー藤田) 255票


優勝した「大和焼きそうめん」(目茶旨地鶏焼家ごちどり)

ご覧のとおり、「大和焼きそうめん」は約半数の票を獲得し、文句なしの圧勝であった。生そうめんとたっぷりの野菜を特製の塩ダレで炒め、大和肉鶏のスライスをトッピングするというスグレモノで、これは確かに美味しかった。ちゃんと地元産品を使っているし、味付けも良い。




3位の「ならもんあんかけ」(酒肴バー藤田)

開始時刻の午前11時30分に会場に到着すると、すでにたくさんの人が割り箸(これで食べるだけでなく、投票にも使う)を求めて並んでいた。その後もどんどん人が増え、お店の前には長蛇の列ができた。12時半を過ぎる頃から売り切れ店が続出。1時半頃には、ほぼ全ての店が売り切れとなった。



イベントの運営には、問題がなかったわけではない。決定戦の公式ホームページが立ち上がったのは、天平祭の始まる4/29の直前になってから。HPに結果が載ったのも、イベントが開催された5/5の3日ほどあとになってからだった。


すぎ乃新大宮店の「大和やきそば」。トップ写真とも

「前売り券」がないと、当日の午前11時50分にならないと食べられなかったが、これは会場に到着して初めて分かった。あとで、アップされたばかりのHPを見ると、そのように書いてあったが、肝心の前売り券の「入手方法」すら出ていない。5/2に放送された奈良テレビの「ゆうドキッ!」では、このイベントのことが詳しく紹介されていたが、そこでも、前売り券の情報は出ていなかった。


女性が頬張っているのが2位の「ヤマトポークの角煮 スティックフライ」(揚げ春巻)

内輪のイベントではないのだから、このような情報発信はきちんとやっていただきたい。列の並ばせ方や、お店の対応(代金を受け取る人と、料理を出す人が一緒)、料理を出すまでのタイムラグなど、様々な問題があった。何より、来場者数に見合うだけの料理が用意されていなかったのは、とても残念だ。



しかし、このような多くの問題があったにせよ、とにかくイベントは成功した。来場者はいそいそと列に並び、美味しく料理をほおばっていた。割り箸の売上げに見合うだけの投票があったことを見ても、それは分かる(投票せずに帰った人は少なかった)。




優勝チームへの表彰式(ならB級グルメ決定戦のHPより拝借)

これまで私が「『食』の魅力で、もっと県下へ観光客を呼びこもう」と提案しても、「奈良県に『食』のイメージはない」「海のない奈良県で、グルメはムリだ」と、周囲は乗ってこない。 B-1グランプリにも奈良県代表チームを送り込みたいのだが、出場資格である「食のまちおこしについて、一定の活動実績のある団体」という条件に当てはまるところが見当たらない。「地元で広く販売され、食べられている料理」も、なかなか見つけることができない(特定の事業者・飲食店などが、営利を目的として出場することはできない)。

ないないづくしの奈良県だが、これまでに「食」イベントの成功例はあった。1つがA級グルメの祭典「クーカル奈良」であり、1つが「黒米(くろまい)カレー選手権」である。クーカルは行政主導だし、黒米カレーは、いかにも規模が小さいが、一定の支持は集めて来た。この秋にはミシュランに奈良のお店が登場する。小さな波が集まって、ようやく少し大きな波になりそうな絶好のタイミングで、「ならB級グルメ決定戦」が登場したのである。


飛鳥のあーすかふぇは、周辺でパフェを販売していた。トマトのパフェ500円が大人気だった

「B-1グランプリ」は、A級とかB級ということではなく、「ご当地グルメ」というところに力点がある。地域の美味しいものを食べることは、地域の食文化を味わうことである。地域の食文化は、地域文化そのものである。地域文化を廃れさせる訳にはいかないのだ。

奈良公園周辺で開かれた「クーカル奈良」には、多くの県民が足を運んだ。カウンターで隣り合った上品な老夫婦や、中年女性のグループとお話しする機会もあった。皆さん美味しいものが好きな人たちで、これまでは、大阪や京都のレストランに足を運んでいたのだそうだ。「ならB級グルメ決定戦」に来られていた人にも、地元民が多い。県民は、美味しい食べ物が大好きなのだ。県下で「食」による地域おこしができる素地は、十分に整っていると見た。


猪肉を使ったメンチカツ(奈良イベント事業協同組合)

『「ご当地ラーメン」の地域ブランド戦略』には、「食」を題材にして地域を活性化するためのロジックが紹介されている。要点を抜粋すると、

話題を作るということは、地域おこし、地域の活性化のきっかけ作りとして極めて重要な作業である。そこでまず、「話題になる」とはどういうことか

Ⅰ.人びとの間で関心が共有される必要がある。

Ⅱ.対話が成立するためには、会話の対象についての事前知識をある程度共有していることも必要である。

Ⅲ.何かを伝えるためには、その何かを伝えるための媒体、すなわちメディアが必要になる。
この点については少し補足が必要だろう。バレンタインデーのチョコレート、婚約指輪のダイヤモンド(しかも給料3カ月分の)、ボジョレーヌーボーといった事例を思い浮かべてもらえば、言わんとしていることがお分かりいただけるのではないか。



話題作りにより人びとを巻き込み、人びとの対話を活性化することを「コトづくり」と呼ぶことにしたい。

B級グルメを使ったコトづくりの典型的な成功例として、。富士宮やきそばの事例をあげることができる。富士宮市では、地元で長年食されていた無名の「やきそば」、つまりただのコモディティを「富士宮やきそば」として見事にブランド化することに成功し、地域の活性化に一役も二役も買わせている。「富士宮やきそば」をネタにして、様々な人びとを巻き込み、人びとに地域の活性化について対話するきっかけを作ったことは特筆に値しよう。



これまでの議論をまとめると、以下のようになる。

1.地域活性化のためには、「多様な人びと」が積極的に関わりを持たなくてはならない。
2.そのためには、「対話が行われる状況」を生み出さなくてはならない。すべての知識は対話から生まれるのである。
3.対話を始めるきっかけを作るには「話題作り」が重要である。
4.話題作りには、多くの人が感心を持っている「テーマ設定」が重要である。その際、地方の地域にとって「食」は常に有望な候補である。
5.メディアとなる素材は、「分かりやすく」、より多くの人が「体験」しているものが望ましい。
6.メディア素材には、「意外性」や「エンターテインメント性」が無くてはならない。イメージしたときにワクワクするようなものが望ましい。
7.メディア素材は「地域」と深くつながっており、さらには「物語」を持つものでなくてはならない。
8.そして「新しい物語」が作られ続けなくては、コトづくりは長続きしない。
9.対話の輪が広がっていくために、話題作りには常に「新規性」と「継続性」が必要である。


やや理屈っぽくなった。私はいつも「奈良は観光資源の『宝庫』なのに、『倉庫』になり下がっている」といっている。それは「食」という地域資源にも当てはまる。伝承料理研究家の奥村彪生氏は、常々「奈良は日本の食文化発祥の地」とおっしゃっているのである。

「ならB級グルメ決定戦」のおかげで、県下でご当地グルメが受け入れられることがよく分かった。これは大きな収穫だ。富士宮やきそばのようにブレイクするかどうかは別としても、、「意外性」「エンタメ性」のある奈良県の「食」(メディア素材)は、どこかにないものか。
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