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tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

Coming Soon!ゆかり リーフレット(2012Topic)

2012年02月24日 | お知らせ
今朝(2/24)の奈良新聞には、観光まちづくりなどに関する記事がたくさん掲載されている。1面トップは「ムジークフェストなら2012」(ドイツをテーマとした音楽祭)実行委員会、経済面には「こだわり農産物商談会」、そして社会面には「諸外国と奈良とのゆかり検討委員会」の最終会合の模様が紹介されている。Face Bookでは、『古事記』編纂1300年記念公開講座「『古事記』と海の神」(講師:奈良県立図書情報館長 千田稔氏)の募集情報が流れていた(無料・先着順)。

これらのうち、私は「ゆかり検討委員会」の委員を拝命しているので、昨日の会合に出席させていただいた。同紙《観光客誘致 「奈良との縁(ゆかり)」PRを 県委員会 海外向けリーフレット》によると《県は23日、奈良市法華寺町の奈良ロイヤルホテルで、「諸外国と奈良とのゆかり検討委員会」(委員長・菅谷文則県立橿原考古学研究所長)り第3回会合を開き、海外からの観光客誘致に使うリーフレット案について最終検討をした》。

《リーフレットは、さらなる観光客誘致を図るため、奈良への訪問客の多い韓国や台湾、フランス、シンガポールなど上位17カ国・地域と奈良との縁をそれぞれの言語で紹介するもので、同委員会が昨年7月から検討している。この日は、17カ国・地域のA3版2つ折り、フルカラーのリーフレット案が提示され、「奈良通」「歴史通」の委員らが「もう少し南部の観光地も盛り込んでは」「一般情報よりもゆかり情報を強調しては」などの意見を述べた。県はこれらの意見を参考に本年度中に完成させ、海外の旅行会社に配布する予定》。

当日、リーフレットの校正刷(翻訳前の日本語版)が配られた。表紙には南大門前で撮った鹿のアップが掲載され、なかなかのインパクトである。本文(見開き2ページ)では、カラー写真とともに外国と奈良との縁(ゆかり・ 英語では「relation」か)が紹介されている。例えば中国語版では、鑑真和上(唐招提寺)、遣唐使・阿倍仲麻呂(安倍文殊院)。ドイツ語版では、華厳思想に触れていたといわれるゲーテ、日本美術を研究したフィッシャー夫妻(ケルン市東洋美術館創始者)、ドイツ様式の内装を施した奈良ホテルなどが紹介されている。

リーフレットになる前の元データも拝見したが、これは膨大なデータ量で、面白い話がたくさん載っている。県はこれらもホームページにアップして紹介する予定だそうだ。

英語版『地球の歩き方』ともいえる『ロンリープラネット』の最新版を買ってみたが、奈良県に関する情報があまりにも少なくて驚いた。約800ページ中、15ページとわずか1.9%にすぎない。国内で唯一、世界遺産が3つもある県なのに…。これまでは海外から観光客が来ても、提供できる無料パンフレットなどが少なくて苦労したが、これからは改善が期待できる。特にマレーシア、シンガポール、タイ版などは、希少価値がある。リーフレットのPDFデータは、県のホームページにもアップされる予定である。

リーフレットの刷り上がりは4月以降になりそうだ。これらは新たなインバウンドのツールとして、大いに活用していただきたい。国際観光課(県観光局)の皆さん、実務を担当された株式会社Jプロデュースの皆さん、あと一踏ん張りですよ!

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地域づくりシンポジウム(第5回)は、3/3(土)開催!(2012Topic)

2012年02月23日 | お知らせ
ひな祭りの3月3日(土)午後1時から、奈良県立大学で「第5回 NAED(地域づくり支援機構)地域づくりシンポジウム」が開催される(参加費:1,000円。交流会:別途3,000円)。主催者は、一般社団法人地域づくり支援機構である。私もお声かけいただき、“そこに「愛」はあるのかい?!~奈良の地域づくり、ひとづくり~”という基調講演と、“これからの地域プランナー・コーディネーターの活動に向けて”というパネルディスカッションに、パネラーとして出席させていただく予定である。このシンポジウムのねらいは《奈良県各地域は、都市住民をひきつけ得る優れた地域資源をもちながら、これを活かす方策をもちあわせず、地域活力を低下させている》(主催者の「企画書」)。

《各地域は、地域資源をいかに発掘・活用するのか、他地域からいかに人を呼ぶのか、もてなしサービスをいかに行うのかなどについて、ノウハウをもちあわせていないのも現実であり、地域プランナー・コーディネータの役割が高まっている。本シンポジウムは、このような背景を踏まえ、住む人と訪れる人の間に信頼関係が醸成され、各地域の自律発展につながる「地域のこれまで そしてこれから」をいかに進めていくかについて議論するとともに、奈良にこだわりをもち、積極的な活動を展開されている方々の交流の促進に資する》(同)というものである。詳細は以下のとおり。

第5回地域づくりシンポジウム
「地域のこれまで そしてこれから~奈良の地域づくり、ひとづくり~」

日時・場所
(1)日時 2012年3月3日(土)
シンポジウム:13:00~17:10 交流会:17:30~19:00
(2)場所 奈良県立大学3号館多目的交流ホール

プログラム
13:00 開会あいさつ
13:05 基調講演 「奈良の地域づくり、ひとづくり」
鉄田憲男 「奈良まほろばソムリエ友の会」事務局長、南都銀行総合企画部副参事、「第2回 あしたのなら表彰」(奈良県知事表彰)受賞

14:05 地域プランナー&コーディネータ養成塾第5期生のこれまでの取組み
14:20 地域発展構想発表会
テーマ ①今井町の取組み ②里山&ハーブプロジェクト ③外国人向けフリーペーパー
15:20 新・地域プランナー&コーディネータ認証式
15:35 休憩(※地域団体の展示と人的交流をお楽しみください)

16:00 パネルディスカッション
「地域づくり、人づくりのために~これからの地域プランナー&コーディネータの活動に向けて」
パネラー
高野 一樹 奈良県 地域振興部市町村振興課長
鉄田 憲男 「奈良まほろばソムリエ友の会」事務局長
林 信夫 21世紀ディレクターズユニオン代表
井ノ本 直三 天理市 地域コーディネータ(地域プランナー&コーディネータ2期)
西久保 智美 工房街道推進協議会 広報担当(同4期)
若林 稔 今井町町並み保存会 会長(同5期)
コーディネータ
村田武一郎 奈良県立大学教授/地域づくり支援機構理事長

17:10 閉会
17:30 交流会

主催・後援・協力
主催:一般社団法人 地域づくり支援機構
後援:奈良県、奈良県市長会、奈良県町村会
協力:NPO地域創造政策研究センター/奈良のむらづくり協議会/工房街道推進協議会/奈良の将来ビジョンをつくるフォーラム実行委員会

参加費等 資料代1,000円/交流会:3,000円
定員・申込み 定員:200人/先着順受付


仕掛人である村田武一郎教授は、よく「Ecological Development」(エコロジカル・ディベロップメント)ということをおっしゃる。これは
①地域の資源、即ち、生物・生態系、伝統技術、生活文化資源、歴史文化資源等を生かし、
②地域の主体性と地域資本によって、
③現世代の満足を充たしつつ、生きとし生けるものすべての将来世代に引き継ぎ得る開発
という概念であり、これは確かに大切なことであるが、なかなか理解されていないのが現状である。私としては、これらをすでに実践されている県内外の事例を紹介し、県下で「Ecological Development」を回していくためのヒントとしていただきたい、と考えている。「生きた見本」として、発表者・パネラーに、実践者である若林稔さん(今井町町並み保存会会長)が登場されるのも、心強いことである。

多くの方のご参加をお待ちしています!

※パンフレットのPDFファイルは、こちらからダウンロードできる
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地域活性局(藤丸正明代表)が5周年!

2012年02月22日 | 奈良にこだわる
「風のフジ丸」は少年忍者だが、「奈良の藤丸」は青年社長である。太宰府市(福岡県)出身、弱冠28歳で株式会社地域活性局(奈良町情報館内)の代表取締役を務めるしっかり者だ。今年で創業5周年を迎える同局は、2月13日(月)、奈良ロイヤルホテル(奈良市法華寺町)で創業5周年記念式典とパーティを開いた。奈良新聞(2/15付)「茶道でまちおこしを 創業5周年 地域振興へ新規5事業」によると、

《地域振興事業を手がける地域活性局(奈良市中院町、藤丸正明[ふじまる・ただあき]代表)は13日夜、奈良市法華寺町の奈良ロイヤルホテルで創業5周年記念式典を開き、事業計画として茶道によるまちおこしなどに取り組む方針を発表した。同社は平成19年奈良市の旧市街地・奈良町で創業。観光案内施設の運営を主体に川上村で栽培した野菜の朝市や吉野地域の特産品販売事業を展開している。あいさつで藤丸氏は観光を軸に山間部と都市部を流通で結び地域振興を図ってきたことを報告。今後の事業計画では茶道とエ芸の芸術祭▽町家保存の地域基金設立▽商店・宿泊施設の紹介サイト開設など五つの新規事業を発表した》。



《続いて、茶道に造詣の深い臨済宗相国寺派管長の有馬頼底師が「茶道と観光」を主題に特別講演。自ら取り組んだ観光事業が誘客につながっだことを例示し「何かやらないと何も起こらない。やるとなったら協力することが大切」と訴えた。茶道と奈良の関わりについては「村田珠光がわび茶を提唱したのが奈良の地。茶の湯を通して文化交流が盛んになった」と説明。「若いエネルギーを受け入れ協力してほしい」とエールを送った。この後同社が計画する芸術祭の看板を揮毫した。式典には仲川元庸奈良市長ら約140人が出席した》。

冒頭の藤丸くんによる「地域活性局 5年間の実績報告」が、コンパクトに5年間の活動をまとめていて、興味深く拝聴した。いただいたPowerPoint資料から抜粋すると、




1.生産地育成事業
気候に恵まれた川上村で食材を生産し、古くからの生活文化が注目されている「ならまち」で消費する事により、「ならまち」に必要な食材の生産地を形成し、過疎地域の活性化を図る。

平成22年より、奈良県まほろばふるさと再生事業を受託し、過疎化に悩む川上村に2名の社員を常駐させ観光地に必要な食材を供給する生産地化を加速させました。同6月より、蕎麦の生産に着手。1年目は約60kg収穫することができました。

朝市は平成17年10月より元興寺文化財研究所の南側の軒先をお借りして開始し、翌18年6月より、現在の奈良町情報館前にて行ってきました。原則月1回 第二土曜日に開催しています。昨年度より朝市の定義などを大幅に改良し、それまで平均100名前後だったお客様も多いときでは300名を越えるようになりました。また、昨年10月より設置している直売コーナーも好評です。



2.消費地振興事業(観光地域振興事業・奈良町情報館事業)

4年2ヵ月で来館者数30万名を突破。当初学生期間中の定休日週2回を、卒業後はなくし、開館日数を増やした。また、受付で口頭案内を充実させた結果、広告店舗も徐々に増え、当初2軒だった広告店舗も現在は125軒。

観光に関する現状:観光客数減と不景気による購買力の低下で予断を許さない状況である。不特定多数の場所での宣伝が、消費に結びつかない客層を集めている。

年度、来館者数(開館日数)来館者数の1日あたり平均
19年 18,135人 ( 68日)267人
20年 56,860人 (335日)170人
21年 80,735人 (365日)221人
22年 75,932人 (364日)209人
23年 69,755人 (358日)195人
合計 301,417人(1,490日)202人

奈良町おさんぽMAP  町中の周遊促進のため製作
H21年度版 協賛: 50店 10万部発行
H22年度版 協賛: 84店 20万部発行
H23年度版 協賛:105店 20万部発行
H24年度版 協賛:111店 20万部発行



3.県外出荷事業(奈良の魅力ある特産品の出荷事業部)
東日本大震災で被災した失業者を雇用し、継続可能な事業を行う条件で1年7ヵ月の期間事業(認定)を受けました。10月に福島にて就職説明会を開き2名雇用するなど合計3名が東京で11月半ばから営業を開始しました。現在、東京の26軒の料理店と契約を結んでおり、今後も新規拡大と共に、取引できる品数を徐々に増やしていく予定です。

奈良が全国に誇る特産品(吉野割箸・吉野本葛・日本酒・奈良漬など)は多くの高級料理店で取引されています。奈良から直送するとともに、奈良の観光情報を発信することで「ならまち」および奈良県の観光潜在需要の掘り起こします。また、奈良県出身の東京在住者の会を立ち上げ、弊社と共同で朝市を開始するとともに、東京における奈良の特産品の需要を拡大するための事業を進めていこうと考えています。

平成21年8月取引開始(観光客として来館の京都の料理店と)。23年6月奈良県緊急雇用事業に事業提案、9月受託決定。10月 福島市にて企業合同説明会に出席、11月 営業開始。12月 契約店舗10軒を超す、24年1月 契約店舗20軒を超す、2月13日現在 26軒。4月 朝市開始予定

東京地域での契約先
清澄白河(=江東区 5)銀座(1)大塚・駒込(9)麹町(7)神楽坂(4)合計(26)
他地域での契約先
箱根(1)京都(1)大阪(1)福岡(1)合計(30)



4.新規事業
茶道と工芸の芸術祭         
村田珠光や、『天王寺屋会記』に登場するお茶室「高坊(たかぼう)」など、奈良の旧市街地には茶道に関する縁(ゆかり)が多い。近年、地域の生活文化に魅了される観光客が訪れる「ならまち」で魅せる「もてなしの文化」を形成する。

ならまち戦争展
日本の夏は戦争に関するニュースや行事・ドラマが並ぶ。「奈良」地域として経験した戦争の歴史を後世に語り継ぐ戦争展を行う。

デジタルインフォメーション事業
これまでに積み上げてきた地域の情報をホームページで紹介し、県外から「奈良・ならまち」に訪れようとしている観光客に情報発信を行う。商店・宿泊施設の紹介を行い、観光客に奈良のサービスをまとめて紹介できるサイトを作る。

商店交流会の開催
「ならまち(奈良市景観形成地区内)」には約300軒の商店があり、個々のお店の個性は他の観光地に比べて際立っている。そこで多くの商店と交流のある弊社が、商店の交流会を開催し横のつながりを増やすと共に、まちづくり団体などとの共催なども検討することで、地域内の交流を増やす。

地域基金事業構想
地域住民出資による基金を立ち上げ、空家などを家主から借り受け、企画を基に改装などを行い、大々的に建物に入居する人を募集し、選考する。また、吉野林業や吉野葛など、奈良県内の産業を地域で紹介する事により町家を活用してもらう事を企画する。地域内に一定の産業資本を入れる事で町家の維持保存等に役立ち、地域力向上を計る。



以下の4枚は、称名寺で撮影(1/25)

いかがだろう。太宰府から奈良大学に入学して地域おこしに取り組み、創業してわずか5年の青年がこれだけのことをやり、しかも、これからも5つの新規事業を手がけるというのだから、大したものである。

新規事業のなかでは「茶道と工芸の芸術祭」が目をひく。来年(2013年)の2月に実施する予定だそうだ。茶礼祖・村田珠光(じゅこう)が住した称名寺は近鉄奈良駅の北側にあるし、高坊一族ゆかりの高林寺はならまち内だ。さらに生駒市高山の茶筌は、茶筅の全国シェアの8~9割を占めているし、橿原市今井町は今井宗久(千利休、津田宗及とともに茶の湯の天下三宗匠の1人)の出身地といわれる。宇陀市の仏隆寺は、 空海が唐から持ち帰った最古の茶を栽培し、大和茶発祥の地とされている。奈良で茶道に関するイベントを行うというのは、うってつけなのだ。



ちなみに称名寺(奈良市菖蒲池町)とは、『奈良まほろばソムリエ検定 公式テキストブック』によると《鎌倉時代の文永二年(一二六五)に興福寺の学僧であった専英・琳英兄弟が常行念仏の道場として創建。当初は興福寺の北にあったため興北寺ともいう。宝永元年(一七〇四)と宝暦十二年(一七六二)の大火で堂宇がことごとく焼失し、享和二年(一八〇二)に今の本堂が再建された。秘仏である本尊の光烟光仏は厨子入りの阿弥陀如来立像。同じく本尊の釈迦如来坐像は釈迦念仏道場である東堂、阿弥陀如来坐像は阿弥陀念仏道場である西堂から移されたもので、いずれも重要文化財に指定されている。境内の千体石仏群は松永久秀の多聞城に使われ、廃城とともに散乱していた石仏や墓石を第十九代観阿上人が集めたものという。茶礼祖と仰がれる村田珠光が住して禅を学んだことから、独爐庵(通称、珠光庵)という茶室があり、毎年五月十五日の命日に珠光忌法要が営まれる》。



また高林寺(奈良市井上町)は、同書には《融通念仏宗の尼寺。奈良時代、藤原豊成の屋敷跡に建てられた寺で、豊成の娘の中将姫はここで成人し、當麻寺に入って出家、法如尼となった。豊成は死後この地に葬られ、藤原家の興隆を祈って高林寺と名付けられた。平重衡の南都焼討ちで焼失したが再興、境内の豊成の廟塔(墳墓)を守って今日に至っている。また、桃山時代には数奇者の高坊一族が住み、茶湯等を楽しみ、奈良町の数寄者の一大サロンを形成、奈良町文化の中心となった》とある。



2/15付の奈良新聞 には「奈良町で茶の湯満喫 地域活性局 元興寺などで茶会」という記事も出ていた。《奈良市の旧市街地「奈良町」の茶道文化と工芸を紹介する茶会が14日、同市中院町の元興寺など2カ所で行われ、地域の住民ら約50人がお茶や作品に親しんだ。同茶会は、奈良町で観光案内所を運営する地域活性局が来年2月に予定している芸術祭のプレイベントとして開催。茶道を通じてまちおこしを図ろうと企画した》。



《元興寺では、県出身の指物師、故川崎幽玄さんの監修で平成6年に造られた茶室「泰楽軒」を会場に開かれ、幽玄さんの次男で茶道具士の鳳嶽さん(74)も同席。参加者は、橿原市今井町の茶道表千家の蔵六会社中のもてなしで、茶道文化を味わった。地域活性局の藤丸正明代表は「奈良町は茶道愛好家が多く茶の湯の文化に縁の深い土地。お茶を通じてもてなしの文化を醸成したい」と話していた》とある。



藤丸くんの事業報告、有馬頼底師の特別講演「茶道と観光」に続いて始まった「創業5周年記念パーティ」に参加した約140人の顔ぶれは、創業当初からの支援者である野崎充亮氏(株式会社春日庵代表取締役)、今西清悟氏(株式会社今西清兵衛商店会長)、大辻康夫氏(地域活性局特別顧問)をはじめ、仲川元庸氏(奈良市長)、森川裕一氏(明日香村長)、森本公誠師(東大寺長老)、河野良文師(大安寺貫主)、辻村泰善師(元興寺住職)など、錚錚(そうそう)たる面々が出席されていた。何より、地元・奈良町の住民・支援者がたくさん来られていたのが良かった。名簿を数えると、ざっと50人余りになった。帰りには、奈良町直行のマイクロバスまで用意されていた。「遠くの親戚より近くの他人」、地元の支持が一番なのである。 



昨年(2011年)3月、経済産業省は全国のソーシャルビジネス(社会的企業)121の事例を集めた「ソーシャルビジネス・ケースブック」を刊行した。そのなかで奈良県では唯一、地域活性局が採択・紹介された。紹介文を抜粋すると

村(生産地)とまち(消費地)をつないで、地域経済循環型プロジェクトを実現

概要:山間地域の活性化のため学生が集まりスタート。奈良県吉野郡川上村の農産物や吉野の特産品などを販売する朝市の開催及び配達の山間地域振興振興事業と、消費地である奈良の旧市街地「ならまち」に立ち上げた観光案内所「奈良町情報館」を運営し、観光サービスを企画するなどの事業を実施しており、地場産食材の調達を容易にし、消費地を観光地化するビジネスを展開。





POINT
○奈良県の生産地である農村と消費地である都市を結んで、産直農産物の販売を事業化
○奈良市の旧市街地に民設の観光案内所を開設し、多くの集客を実現
○民設の観光案内所の実績が認められ、旧市街地にある公共施設の指定管理者に選ばれた

ボランティア活動やNPO法人ではなく、株式会社を設立して「ビジネス」にしているところがいい。「茶道と工芸の芸術祭」にしても「地域住民出資による基金」にしても、事業としての展開を目論んでいるのである。



最近も藤丸くんはFacebookに、こんなことを書いていた。《東京での弊社の取引契約軒数が30軒を越えました。50日に満たない営業日数でしたが、開始は上々です。吉野の割箸の現在での年間出荷本数は20万3000膳。吉野本葛が年間45kg。「本物が届くのが良い」とよく言われるようです》《会社の創業(記念)パーティー以降、発表した事業への協力や支援の申し出を多くいただいています。本当に感謝です》。

吉野割り箸の年間出荷量「20万3000膳」は、中国産割り箸からの乗り換えなのだそうで、これは驚きだし、奈良県林業界、ひいては日本の林業界にとって、大変有り難いことである。まさに「木づかい」への貢献である。林野庁さん、これは表彰ものですよ。

藤丸くんはじめ地域活性局の皆さん、これからも若い力で会社を、そして地域を盛り上げてください。奈良の皆さん、これからも彼らの活動を支援してまいりましょう!
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るるぶ奈良(2012~13)に登場しています!

2012年02月21日 | 奈良にこだわる
先月(12年1月)発売されたJTBパブリッシング刊『るるぶ奈良』(840円)に、恥ずかしながら私が登場しています。「奈良観光の鉄人」という設定で、東大寺をはじめ、奈良のお寺や見どころを8ページにわたって紹介しています。

こういうガイド本の制作過程に、初めて関わらせていただきました。あらかじめ編集者からメールでたくさんの質問(あまり知られていない見どころ、知られていない見方など)をいただいて答え、それを何回か繰り返して的を絞る。取材する先には編集者が足を運んで掲載の了解を取り付ける。私が登場する部分は、カメラマン同行で半日ほどかけて一気に撮ってしまう、というプロセスです。奈良市西紀寺町の珹寺(れんじょうじ)の阿弥陀さまの写真は、お寺の意向で、私が以前撮らせていただいたものを使っていただき、これも感激でした。

るるぶ奈良’12~’13 (国内シリーズ)
JTBパブリッシング
JTBパブリッシング

海龍王寺のイケてる住職(イケ住)石川重元(じゅうげん)住職も、いい笑顔で登場されています。石川住職はFacebookに「るるぶ奈良12~13に、載せていただけました。表紙の真ん中の下あたりや、 目次のところにも登場しています。施設や仏像を紹介しておられるtetsudaさんのポーズにも、要注目です」と書かれています。住職とツーショットできれいな女性が登場していて、てっきりモデルさんだと思っていたら、あとで雑誌「まほろびすと」副編集長のSさんだと分かり、2度びっくりしました。

『るるぶ奈良』を読んだ知人は、「奈良県下は見どころがいっぱいなので、ぜひ『るるぶ飛鳥』『るるぶ吉野』も出してほしい」と言っていて、これには納得しました。私は『るるぶ江東区』や『るるぶ町田市』を持っていますが、これらと同じ情報量なら『るるぶ橿原・今井』『るるぶ宇陀市』『るるぶ御所・葛城』『るるぶ五條市』だって、十分できそうです。『るるぶ町田市』は、市制50周年にあわせて制作されたそうですが、市町村のバックアップがあれば、このような『地域密着型るるぶ』ができるそうですので、県下自治体で観光振興や地域おこしに携わる方には、ぜひご検討いただきたいと思います。

『るるぶ奈良』は書店だけでなく、県下のコンピニにもたくさん置かれています。ぜひいちど、手にとってご覧ください!





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つぎはぎ古事記入門 「引用多彩に入門冊子 ぜひ親しんで」(読売新聞奈良版)

2012年02月20日 | 記紀・万葉
私が制作した古事記の入門冊子『つぎはぎ古事記入門』を、読売新聞奈良版(2/20付)が取り上げてくださいました。見出しは「引用多彩に入門冊子 ぜひ親しんで」です。記事によると《古事記の概要をまとめた冊子「つぎはぎ古事記入門」(A4判・38ページ)を作成した。同会のホームページからダウンロードできる。神話の世界を描いた上巻と歴代の天皇の事績を記した中、下巻の内容を紹介。古事記に関する本やホームページからの引用を中心に、読み下し文や解説を加え、英訳も織り交ぜるなど多彩な内容になっている。巻末には参考図書や県内のゆかりの地を記している》。

《古事記について、因幡の白兎など有名な神話しか知らなかったため、昨年6月から有志で勉強会を開催してきた》《「古事記は日本人の物の考え方の原点があるように思え、興味深い。心の琴線に触れるエピソードもあり、ぜひ親しんでほしい」と話している》。『つぎはぎ…』というタイトルが「あまりにも卑下しすぎ」とのお声もいただきますが、文字どおり「パッチワーク」のように既存の書物やWebサイトからの引用で作りましたし、私独自の説というものもありませんので、このまま通しています。

ダウンロードしてお読みになった方からは、「古事記の概要がよく分かった」「難しいと敬遠していたが、もっと早く読めば良かった」「今度は現代語訳で全文を読みたい」などのお声をいただきました。

私のお薦めは、県観光局が制作した『なら記紀万葉 名所図会~古事記編~』との併読です。県の冊子は、大和にまつわる話をきれいな写真とともに紹介されていて、いわば「各論」です。私の冊子は、古事記の全体像を大づかみに紹介した「総論」になっています。これらの両方を読まれると、古事記全体のなかでの大和の話や位置づけをよく分かっていただけると思います。

古事記完成1300年を迎え、本屋さんには、古事記に関する解説本や特集雑誌が平積みされています。ぜひこの機会に、古事記に親しんでください!

※2/23追記。本日付の奈良新聞でも、紹介されました!
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