鳥瞰ニュース

空にいるような軽い気分で・・・

コガタスズメバチの幼虫

2008年06月20日 23時22分37秒 | 随筆或いはエッセイ

いつも家の周りで蜂が巣をつくる。徳利を逆さまにしたような巣を始めに作るコガタスズメバチと、泥の巣を作るスズバチだ。名は知らなかったのだが、インターネットで調べて判った。スズメバチは巣の模様が雀の羽根に似ていることからの命名だそうだ。そしてスズバチは、小さな徳利状の泥の巣を作る仲間がいるからトックリバチ科なのだが、当のスズバチは巣が土鈴に似ているとの理由からの命名らしい。

今回はコガタスズメバチについてだけ書いてみたい。初めて巣を作ったのは数年前だ。お隣の庭に面した、ウチの槿の木に巣を作った。ウチは勝手口側なのでともかくとして、お隣さんは庭に出るたびに危険を感じるのではまずいし刺されても困るので、夜陰に乗じてキンチョールを浴びせて処分した。私は田舎育ちなので駆除を市役所に頼むようなことはしない。

2回目は昨年のこと。年末に裏の方から知らせてもらって初めて知った。裏の家はウチより3m程地面が低いのだが、ウチのフェンスにからませているアイビーに外向きに直径30cm位の巣ができていた。蜂は冬には女王しかいない筈だし、もう用なしになった巣の筈だと思いながら取り外した。りっぱな鱗模様を取り外すと、4段の巣があった。何と生きた親蜂も6匹出てきた。その時は調べもせずに、春まで生き続けるかも知れないし、全部女王になるのかも知れないなどと考えてビンに入れ室内に保管したのだが皆、数週間で死んでしまった。

そして、今年やたらに蜂の羽音がするなと気付いたときには逆さ徳利状の初期巣がガレージの骨組材にぶら下がってできてしまっていた。わたしはずっと観察していたかったのだが、猛烈な反対にあって巣を処分することにした。山中の地下に作るオオスズメバチと違い、おとなしい性質らしいのだが如何せんウチの掃き出し窓に近すぎ、車にも近すぎなのだ。

まだ女王が1匹で子育て中と思われた。近くに羽音がしないのを確認し、徳利状の下で板切れをヒラヒラさせても出てこないから女王外出中と判断して、ゴミ袋を下からかぶせ、巣の根元を金属板でなぎ払った。シミュレーション通りにうまくいった。画像は外観の逆さ徳利を立てたものだ。隣が中の巣だ。さなぎには1匹もなっておらず、大小すべてがまだ幼虫だ。中には卵もあるのか? 小さすぎて判別できない。

さて生きてる幼虫をどうしたものかと考えた。長野県では蜂の子は珍味高級食材だ。私は子供の頃、アシナガバチの幼虫を焼いて食べたことがある。実にクリーミィなのだ。踊り食いをする映像を観たことがあるが、私にはできなかった。小さいのはメダカに食わせてみようかと、水槽に落したら水没してしまった。少しむごい気がして、大きいのを2匹しばらく飼ってみようかと思った。

しかし、ネットで調べてみても巣を親ごと採ってきて云々と書いてあり、飼育といっても親というか、女王や働き蜂がいなければ駄目らしい。でも何となくやってみようとプラスチックの蓋に並べてみた。巣をそのままにしていたら良かったのだが、外で幼虫を取り出した時に羽音が聞えたので、見つかったら女王の怒りに触れるかと、証拠隠滅をはかり巣は踏み潰してしまったのだ。

まず水をやってみた。けっこう飲む。でも2日ほどで1匹は死んでしまった。暑い日があって、室内がかなり熱くなり、昼間耐えられなかったようだ。でも残った1匹はわたしが仕事から帰ったらすぐ水をやり、というより水滴を落としただけで、もうアップアップ状態になったりするのだが、ティッシュで調整することをこちらが覚えたので水分補給はうまくいくようになった。

一丁前に2本の黒い牙みたいのを出してもごもごやるので、飢えているのだろうと魚肉ソーセージをつぶして練ってやってみると食う。鮭のフレークがあったのでやってみるとこれも少し食った。蜂蜜をやってみた。これは飲む。少し薄めてやるのだが、どうしても体にも付いてしまい、水浸しの蜜だらけになって、しばらくそのままにしておくと乾いて体が蓋にくっ付いている。それでも、もごもごと元気。

爪楊枝を少し離して2本持つと、水滴や蜂蜜水が雫のまま持ち上げられることが判ったのでこのやり方で給餌給水をする。本当なら幼虫は肉食だとのことだが、虫の肉団子なんてできないし我慢してもらうしかない。これで1週間が過ぎた。何だか食欲がない様子なので、蛹になる時期が来たのかと、和紙で筒を創り、中に入れてやった。それでもけっこう頭を振って動くので、これで給餌してやると、和紙に染みて具合が悪いがでもしょうがない。暑い時期でもあるから、熱を取ってくれるだろうと都合よく解釈。

一昨日からあまり動かない。よく観ると筒の中ほどに細い糸が何本か張ってある。蛹になるために蓋をするつもりだ。蜜を口に持っていってくっつけても蜜の玉が小さくならないから、もう放っておくことにした。だが、2日たって動かなくなり、黒ずんできた。もう死んでいるのかも知れない。全く動かない。蛹になるためなのか、完全変態の一つの変態中なのか判然としない。振っても落ちてこないから、巣のなかにいた時のように、自分で体は固定したのだろう。頭を下にしている状態でないと正常な変態はできないのかも知れない。などと心配するのだが、はたしてどうなるか。何匹もいれば、調べてもいいのだが1匹だけなので見守るしかなさそうだ。おかしなことに手を染めてしまった。

コメント (8)
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