広くて浅い田圃に群れていたのに、アオミドロがオーロラ状態になっている水槽に入れたのでは、環境の激変にカブトエビは対応できるだろうかと少しだけ心配した。先住者のヒメダカを襲いはしないか、水草を直ぐに食いつくしてしまわないかなどとも心配した。
本日、朝夕じっくり観察をした。カブトエビは田圃にいたときと変らず元気だった。バック転をしたり、背泳をしたり、ひねりを加えた複雑泳法で動きまくっている。ヒメダカも変らず息災であった。以前から一匹いる川エビはめったに姿を現さないのに、水草にくっついているのが確認できた。
ヒメダカはまだまだ産卵中のようで、腹の太いメスが確実に3匹は居るから、その卵のことも気になった。水草を上げてみたら子持ちワカメ状態だ。びっしり卵が産みつけられている。細い糸がついていてそれが接着材になっているようだ。腹に房状に卵がぶら下がると水草に体をこすり付ける動作をするのだろう。本能だろうけれど、異物感がそうさせるのかも。
水草の卵はそのままにしておくと、自分の卵なのにヒメダカは食うらしいし、稚魚(正確には孵化したては仔魚と言うらしい)も食うので、卵を一粒ずつ外して、稚魚ばかりの水槽に入れた。全部はできないから、ざっくりとだけ。あとは天命に従ってもらうことにする。生き延びるのだっている筈。
透明度のない水なのであまりはっきりとは判らないのだが、カブトエビは硝子に腹をこすりつけるようにして泳ぐことがけっこうあるので、デジカメを構えた。そして撮れたのがこの画像。さわさわさわと脚を動かして泳ぐさまは観ていて飽きない。『風の谷のナウシカ』の映像みたいだ。さすがに生きた化石。
当面はメダカの餌を多めに与えようと思う。野菜屑も入れた方がいいかも知れない。少しだけヒメダカに落着きがなくなったような気もするが、カブトエビとニアミスしても、さっとかわしているから大丈夫。もうすぐ交尾、産卵して寿命が尽きるカブトエビだからしばらくは我慢してもらおう。