狭い旧道よりもさらに奥の、農道に近い道をいくうちに何本もの柿の木があった。
売るには小さい種類だからか、摘果しないからか、樹形を歪められずに伸びたい放題の、成りっぱなしばかり。
この辺りの野鳥は恵まれている。
このかかしは、幼なじみというより、姉弟を感じさせる。
姉の顔は崩れてしまっているけれど、下がり気味豊満な胸に、作ったひとの想いがこもる。
弟は、嫁にいくことが決まった姉に、拗ねて甘えている。
サツマイモのツルが無人販売台に並んでいた。
田舎に余っているウチの畑に『サツマイモを植えようと思う』と近隣のひとに言ってみたところ、サツマイモは山の畑に植えるものだと笑われた。
里で作るとイモが大きくなりすぎたり、葉っぱばかりが繁ったりということになるそうだ。
ツルが売れるなら、それでもいいではないか。
などと甘いことを考えた。