こういう山里は、美しい紅葉に染まることがない。
ナナカマドがあるような高度なら、美しい色合いに染まるのだけれど、落葉樹が少なくて杉ばかりの山里は、こんな地味な秋。
山好きの人に4輪駆動の軽自動車で、山を案内してもらった。
私の生家とは信濃川を挟んだ対岸の地で、子どもの頃にさんざん眺めていた場所に行くことができた。
遠望した景色とは大違いに奥行きのある複雑な地形だった。
そのウチのひとつがここ。
いい景色ではあるけれど、色合いの素晴らしさや、極端さはない。
こんな谷にも、人が住み続けてきたのかという驚きばかり。
平家の落人伝説がある隠れ里かも知れない。