真似事のような営業なら、やった事があるけれど、真剣な気持ちで商品を売り込むのは初めてだった。
生活がかかっているわけでもないから、必死とまでは言えない。
でも、照れずに汗なんぞかきながら、聞かれたことには精一杯説明して置いてもらえることになった。
小さな大衆食堂の壁際二方に、道の駅の手作り品コーナーみたいな格好で、いろんな持ち込み製品が置かれているのだ。
たくさん持っていったけれど『場所も少ないのでとりあえずこれに入れて置いてみて・・』と言われ、バスケットを渡された。
ニホンミツバチとセイヨウミツバチの蜂蜜二瓶ずつを入れただけでいっぱい。
値段は三段階の設定をしていったけれど、ダメ元で一番高い値段にした。
百均で買い揃えたビニール袋と宛名シールや値段シールで包装した自信の製品に手作り名刺も添えた。
試食用の小瓶入り蜂蜜も預かってもらって小さな小さな第一歩。