

農事の師が『白い蝶がたくさん木の上の方に止まっていて、大声出したり拍手すると一斉に飛び立つけれど、あいつらは音が聞こえるんだろうか』というようなことを言っていた。
80代半ばなのだけれど、あらゆる自然現象に対して常に興味を持っていて些細なことにも注目して話題にするのは、全て農業にどう関係するのかしないのか気を使っているからだ。
確かに、うちの裏でも高いところを、杉や栗や欅などに止まりそうだけれどたむろしているだけのような感じで何匹もひらひらとしている。
よく観るとモンシロチョウの飛び方とは少し違うし、大きさも一回り小さいようだ。
この飛び方、大量発生の様子は蛾だなと見当をつけたが、捕まえないことには調べられない。
なかなか地上までは降りてこないのだけれど、じっと待っていて2、3mのところに来たところで網を振り回した。
3匹目くらいでようやく捕まえることはできたのだが、めちゃくちゃに振り回したので補虫網は壊れるわ、大事にしていた玉ねぎを蹴跳ばすわで散々。
情報館に行くのを待ちきれず、スマホで検索したら、すぐ、これに絶対間違いないという説明と画像にヒットした。
キアシドクガ(黄脚毒蛾)という名そのものの脚も撮れた。
毒蛾とついても毒はないそうで、この仲間の中では異端なのか、昼間に蝶のように飛ぶ蛾なのだから仲間はずれに違いない。
気に入っていた補虫網は可及的速やかに修理しないといけない。
まだまだこれからミツバチを襲うスズメバチを捕まえるのに必須アイテムだから。
大事に育てていたピンポン球より小さな玉ねぎは、ブイヨンでスープにしたら、当然ながら甘くもったいない味だった。