沢庵漬け用がようやく育ってきたので、抜いて、頭を切って、洗って、葉と大根を干す。
練馬大根は細長くて沢庵漬け用なのだけれど、以前、お笑い芸で『練馬大根みてぇ〜じゃね〜か・・』というくだりがあった。
色白でも細長いという意味でもなくて、いわゆる大根足という蔑みだった。
それを聞いたとき、私も練馬大根が細長い種類だとは知らなかったので、つまらない軽口だな、とだけ思った。
練馬というだけで練馬大根を連想して、昔はからかいの対象になっていたフシもある。
練馬大根は沢庵漬けに適した細長い種類、ということは私も数年前に知った。
フラッといつもやってくる近所の同級生宅は畑を奥さんが仕切っているのだけれど、もう沢庵は漬け終わったという。
大根を育てるのは必ず種を数粒ずつ直播きして、途中で間引き1箇所1本にするのだが、彼の奥さんは2本残すのだという。
そうして、適当な太さ(細さ)に育った時点で1本抜いて、天日干しも省略して漬け込むのだとか。
漬物用の細い種類ではなくても、普通の大根をそのように細く育て、残った1本はこれからまだ育ち、1度雪に当てて甘くしてから食べるのだと、嬉しそうに言う。
なるほどそのような賢い方法をやる人もいるのかと感心してしまったが、意地悪なことをついつい言ってみたくなった。
「初雪が根雪になったら困るねぇ」と、そうしたら「そんときは雪ぃ掘って抜くだけそ」となんてこともないらしい答え。
遊び半分の出張農事者にはできない芸当で、参りましたの気分。