■ まだまだ日中は残暑が厳しい。セミの鳴き声には風鈴の音も負ける。「昼間っからビール」で過ごす。
『民家巡礼』溝口歌子・小林昌人/相模書房 を再読。
1950年代から60年代にかけて日本全国に民家を訪ね歩いた記録。東日本篇と西日本篇の2巻からなるこの本は写真も豊富で今ではほとんど姿を消してしまった民家の記録として貴重だ。
「諏訪平のスズメオドリ」の章に出てくる「タテグルミ」に関する記述。
**諏訪には、一つ屋根の下に、塗籠造りの蔵を北にしその南に住戸を配して、寒い北西風を防ぐようにした、タテグルミの家が非常に多い。**
やはりそうなのかな。藤森さんも同様の理由を挙げていた。**おそらく寒さと関係を深くしていると思います。これを北側へつくったりすると、ここが暖かいですからね。寒さのためだと思いますけども、変わっています。**(藤森照信展のカタログより)
ホントなのかな・・・。
ボクは・・・、ン! 母親が出くわした熊に背を向けて幼い子どもを守ろうと包み込むようにする姿に似ているように思う。♪あるぅ日 森の中 熊さんに 出会った なんてことはめったにないだろうが、他にいい喩えが浮かばない。
余談だが、この日本人の母親の自己犠牲的な守りの形に対し、欧米人の守りの形は、子どもを後ろにまわして熊と正対して戦う姿となるという・・・。
タテグルミは蔵に納めた大切なモノをさらに蔵ごと守ろうとする日本人の守りの姿、守りの形なのではないか。これがボクの眉つばな説。くるむ(守る)対象は住居ではなく蔵なのだから。そうでしょう?。