透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

― てっぺんにこだわるのはなぜだろう

2010-08-02 | A 火の見櫓っておもしろい



塩尻市内にて:塩尻駅の近く、市街地に火の見櫓があることに気がついた。ちゃんと半鐘が吊るされている。平面形が円形の屋根と円形の見張り台。見張り台と比べて屋根が小さい。



松本市内にて:6角形の屋根に6角形の見張り台。毎日通勤途中で目にする火の見櫓だが、近くで観察したのは初めて。梯子が見張り台の上まで伸ばされている。これは上り下りしやすいだろう。

火の見櫓の屋根をこのように飾るのはなぜだろう。人はなぜてっぺんのデザインにこだわるのだろう・・・。前稿で取り上げたが、自然のデザインが答えのヒントにならないだろうか・・・。人は自然に学び、自然から大いに影響を受けてきたのだから。 


 

 


ひまわりのデザイン

2010-08-02 | A あれこれ


ひまわり 100801

 自然は先端をどのようにデザインしているのだろう・・・。

ひまわりの花のデザインを説明するには各部の名称を記述する必要があるが、知らないので調べてみた。

ひまわりは小さな花がいくつも集まってできている(そうか、全体でひとつの花じゃないんだ)。小さな花があるルールに従って並ぶこと、あるいは並んだ状態を花序という。序にこの意味がある(秩序や公序の序ってそういう意味か・・・)。花序、このことばは知らなかった。

花序にはいくつかのパターンがあってそれぞれ名前がついている。ひまわりは頭状花序という。花茎の先端に平らな花床(平面的に広がった花序軸)が付き、そこにこげ茶色の筒状花が花序を形成している。なぜ「頭状」というのか、やはりてっぺんを意識してのことではないだろうか。

では筒状花はどのような序、並び方のルールに従って花序を形成しているのだろう・・・。以前書いたフィボナッチ数列(←過去ログ)に従っている。この数学的なルールによって円形に筒状花が広がり、そのまわりを黄色い舌状花が囲んでいる。

筒状花とは文字通り花弁が筒状になったもの、舌状花も読んで字の如し。

自然のデザインには意味があるはずだ。では、まわりの舌状花より、筒状花の方が色が濃いのはなぜ? そして、上の写真を見れば舌状花も外側から中央に向かって色が濃くなっていることが分かるが、なぜ?。

この答えはしばらく前に読んだ『昆虫 驚異の微小脳』水波 誠/中公新書に出てくる。暗くなるとお父さんたちが赤や紫にひかれるのと同様、昆虫誘導のデザインとだけ記しておく。

まわりに舌状花を配し、中央に筒状花を規則的に並べる。そして色も変える。このことの意味・・・。やはり自然のデザインはすごい!

メモ) 花序、頭状花序、花床、花序軸、筒状花、舌状花