棲息地:山形村 観察日:100418
蔵の妻飾り(この呼称は『民家のデザイン』川島宙次/相模書房 昭和61年発行に出てくる)には家紋や寿などの文字の他に縁起がいいとされる生き物、鶴や亀などが棲んでいる。龍も縁起がいいとされている。
文字の「龍」はよく見かけるが、この妻飾りには立派な龍が棲んでいる。龍は水の神だから火伏せの願いも込められているのだろう。
ちょうど樹の影が落ちていて写真が良くないのが残念。撮り直しをしたいと思うのだが、偶然通りかかったこの場所が今では分からず、果たせないでいる。
その後見つけることができた。撮影日:100923
ところで、この妻飾りについて例の路上観察学会(*1)の座談会ではこんな会話が交わされている(藤森照信展の会場で買い求めたカタログに収録されている座談会in茅野 収録日100403)。
藤森:あれ、名前がないんですよ。
赤瀬川:ないの?鏝絵と言ったらもっと一般的な。
松田:蔵絵とか。
林:蔵なんとかでしょうね。
藤森:蔵丸、蔵丸がいいかな。
赤瀬川:あれがあるのは、蔵に限るのかな。
藤森:蔵しかない。
林:じゃあ、棟木飾り。
藤森:(前略)蔵のワッペンみたいなものだね。
林:蔵ワッペン(笑)。
収録されている会話の一部を省略した。
ということで路上観察学会では蔵ワッペンに決まったようだが、どうも私にはしっくりこない呼称なので、妻飾りとする。
*1 路上観察学会メンバー 赤瀬川原平 藤森照信 南伸坊 松田哲夫 林丈二(敬称略)